OSTER projectさんのVOCALOID作品
(クラシック音楽的に書く)
彼女の作品の系列は、2007年8月の初音ミク発売以前の器楽の時代と、その発売後の声楽の時代に大きく分かれる。2007年9月、発売されたばかりの初音ミクを使用し、以後のVOCALOIDの主流を規定してしまった作品「恋スルVOC@LOID」が公開される。以後、質の高いVOCALOID作品群と旺盛なサービス精神で脚光を浴びる。しかし、実際に脚光を浴びるに足る本当の理由は、その卓越した作詞/作曲/オーケストレーション能力と、高品質の音楽を量産可能とするその技量にある。2007年以前の器楽の時代にMIDI作品で鍛えられたためか、VOCALOID作品でもその器楽の腕前は十二分に発揮されている。彼女の作品では決して声の魅力に溺れること無く、器楽のみの部分にも時間を割くことで曲に変化を与える。また、細部まで書き込まれたスコアは決して混乱に陥らず、明確で豊かな内容を誇る。ジャンルは主にポップスとジャズになるが、実際にはテクノから純粋な管弦楽まで対応可能であることが作品から読み取れる。
正直、彼女の作品を初めて聴いたとき、OSTER project
が男性なのか女性なのか、全くわからなかった。彼女が作る曲には、緻密さと工夫と技術とひらめきと、何より確かな構築がある。これは、女性的な感性では絶対に成しえない、非常に男性的な仕事である。しかし曲全体が醸し出すオーラには、女性的なものが横溢しているのだ。
初音ミク発売以前の、純粋な器楽(MIDI)の作品が公開されていたが、非公開となった模様。→muzie
Wikipedia OSTER
project
初音ミクwiki
OSTER project
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(2012.4.9)(2014.6.2改訂)