ニッシンフロックCC690・CC890と 従来のカチオン系高分子凝集剤の比較

1.ポリアミジンとの比較
2.カチオン・アニオン併用との比較1
3.カチオン・アニオン併用との比較2
4.無機凝集剤+両性高分子凝集剤との比較

1.ポリアミジンとの比較
ポリアミジンとの比較

右の写真は、ビール工場の余剰汚泥の脱水にポリアミジンを使用したフロックです。
下の写真は同じ余剰汚泥にCC690を使用したフロックです。添加量はどちらも100ppmです。
フロック径は、ポリアミジン添加フロックが3〜4mm、
CC690添加フロックが7〜8mmです。

ビール工場の汚泥へのポリアミジンのフロック
ビール工場の汚泥へのCC690のフロック もっともフロックは大きさだけでなく 硬さもないと脱水性は
向上しません。CC690はポリアミジンよりも1.5%含水率が低い値となりました。 (圧搾圧0.8kg/cm2)

ご存知のようにポリアミジンは難脱水汚泥によく使用され、
フロックの形成能力は高いのですが欠点は価格が高い事です。



2.カチオン・アニオン併用との比較1
カチオン・アニオン併用との比較1

右の写真は製糖工場でカチオンとアニオンを併用している例です。カチオンで一次凝集フロックを作り、さらにアニオンを添加して二次凝集させてフロックを大きくしています。
添加量はカチオンが200ppmにアニオンを50ppm添加しています。

製糖工場のカチオン+アニオンのフロック
製糖工場のCC690のフロック 左の写真はCC690を単独で200ppm添加したフロックで
カチオン単独で充分な凝集力があります。
つまりアニオン使用分のコストが無くなる事と溶解液が一つで済むので設備や手間がセーブ出来ます。
この場合の含水率は0.5〜1%の低下でした。
(圧搾圧0.8kg/cm2)


3.カチオン・アニオン併用との比較2
カチオン・アニオン併用との比較2

右の写真は冷凍食品工場でのカチオンとアニオンを併用
したフロックです。右の写真の添加量はカチオンが100ppmにアニオンを40ppmです。
汚泥性状が変わるたびにフロックの状態が変わるため、
カチオンとアニオンの添加量や比率を調整する必要があります。

冷凍食品工場のカチオン+アニオンのフロック
冷凍食品工場のカチオン+アニオンの濾過後 左の写真はカチオンとアニオン併用のフロックをブフナー
ロートでベルトプレス用ロ布でろ過したものです。
フロックが小さいだけでなく軟らかいためにロ布上で広がっています。

↓下に続く

右の写真は同じ冷凍食品工場の汚泥をCC890で凝集させたフロックです。添加量は120ppmです。
CC890の場合は汚泥性状変化に対応性があり、フロック状態が悪くなった場合は添加量を増加させるとフロックが大きく絞まった状態になります。
冷凍食品工場のCC890を120ppmのフロック
冷凍食品工場のCC890のフロックの濾過後 左の写真はCC890のフロックの 濾過後のフロックで
カチオンとアニオンの併用フロックと比べフロックが硬いためロ布上で広がりません。
含水率は3.8%向上しています。


4.無機凝集剤+両性高分子凝集剤との比較
無機凝集剤+両性高分子凝集剤との比較

右の写真は清涼飲料工場で 無機凝集剤と両性高分子凝集剤を使って脱水している例です。無機凝集剤1500ppmに
両性高分子凝集剤を200ppm添加したフロックです。

飲料製造工場での無機+両性のフロック
飲料製造工場の無機+両性のフロックの濾過後 左の写真は上記の写真のフロックをブフナーロートでロ過した状態です。

↓下に続く

右の写真は同じ清涼飲料工場の汚泥に無機凝集剤を
1000ppmとCC890を200ppm添加したフロックです。
無機凝集剤の添加量を減らしてもフロックは むしろ大きく絞まっています。
飲料製造工場の無機+CC890のフロック
飲料製造工場の無機+CC890のフロックの濾過後 左の写真はCC890を使用した フロックをブフナーロートで
濾過した状態です。両性高分子を使用したフロックと比べると大きく絞まったフロックになっています。
含水率は1%向上しています。
(無機凝集剤を使用しなくてもフロックは形成しますが入れた場合と比べると フロックが軟らかく、含水率は無機+両性より1%悪くなりました)