地球交響曲.第四番、ガイアシンフォニー

以下、第11回 地球環境映像祭の1部を再録・編集して示します。

小さなハンターたち

捕食のために45度の角度で水中に飛び込む鳥がいる一方に、45度の角度で空中の獲物を捕らえるカエルもいる。この映像は、懸命に生きている小動物の捕食のあり方を通して、平等で、共生し、支え合っている全ての生物に、暖かい眼差しを向けています。

砂丘の秘密 

政府の海岸線道路の建設計画に、地元住民は抗議をしたが、当初計画どおり護岸工事は実施されました。ところが、ほどなくして美しかった砂浜は消え、その後にはごつごつした醜い岩の連なりのみが残りました。加えて押し寄せてきた砂で港も使えなくなりました。

砂丘について「自然に逆らわないのが原則だ」と、海面より低い国土を有するオランダの専門家は語りました。どうやら物理的自然にも、生態系に類する法則性があるようです。

以上が、入選作品の中の2点でした。

特別プログラム

これに続いて特別プログラムが上映されました。登場人物は4人です。

【ジェームス・ラブロック】 

 生物物理学者。1919年イギリス生まれ。地球は1つの大きな生命体である、という「ガイア理論」の創始者。イギリス・コーンウォール地方で地球をやさしく語る。「地球はそれ自体が大きな生命体である。すべての生命・空気・水・土など有機的につながって生きている。これをGAIA(ガイア)と呼ぶ。」――

人体の体温は熱くても寒くても、常に36.5℃度を保っている。また地球の平均気温は15℃、大気に占める酸素の割合は常に21%を保っている。人間が体温を一定に保つ機能を持っているならば、地球も地球気温を一定に保つしくみ持っているはずだ(この当然のことに疑問を抱くのが天才たるゆえんです)。と、考えて生み出されたのがガイア仮説です。

彼は科学を否定はしません。が、誤った科学あるいは誤った科学観は否定します。ラブロックによれば、偉大な発見はすべて直感で決まり、その直感を自分に解からせるために2年、他人に理解させるにはさらに1年かかります。つまり感覚あるいは直感が主役で、理論づけはその後処理に過ぎません。彼が神を、否定も肯定もしない理由はこの点にあるのではないでしょうか。

【ジェーン・グドール】 

 野生チンパンジーの研究家。子どものための環境教育活動家。1934年イギリス生まれ。40年前、26歳の時、人類学者ルイス・リーキーの薦めで、母と共にたった2人でタンザニアのジャングルに入り、チンパンジーの観察・研究を始めた。生命に対するやわらかく広い視野からの研究は、霊長学会に多くの変化をもたらした。今は、野生動物の保護、熱帯雨林の保護、子どもたちの教育プロジェクトに全身全霊を捧げている。動物の心・愛・信仰・霊性・進化・科学、等々のテーマを語る。――

仕事に限界を感じ始めた若かりし頃のある日、彼女は森の中で1匹のオスのチンパンジーと遭遇します。いきづまる長い時間が経過した後、ようやく彼女の手のひらの餌にチンパンジーの手が伸びます。と、その瞬間、チンパンジーは餌を払いのけ彼女の手を握ります。グドールはその時、チンパンジーと言葉で意思を伝えあうことはできないが、テレパシーでなら話すことができると確信します。彼女の原点はここにあり、科学過信を厳に戒めます。(チンパンジーの遺伝子の98%は人間と同じ、輸血することもできます)。

【ジェリー・ロペス】 

 伝説のサーファー。1948年ハワイ生まれ。毎年12月、ハワイ・オアフ島のノース・ジョアでは、高さ20フィートを超える津波のような巨大な波が立つ日がある。この巨大な地球の力は、99%人間に死をもたらすおそろしい力である。しかし、残された1%に人の生命と調和する道がある。彼は、その道を、自分の身体の内側から選び取ることができる。静かに、まるで何事もないかのように海に入ったかと思うと、強大な波の壁に美しい1本の白線を描きながら滑り降りてきて、また、何事もなかったように、静かに去っていくのだ。――

ロペスは大波の中(空洞)に入ったとき、すべてを忘れます。思い出そうとしてもその前後はともかく、記憶がよみがえらない。彼は、それを仏教の「空」ではないかと考えています。ロペスはまた、ボードを精魂込めて磨く。ボードに魂が入ると信じているからです。

 【名嘉 睦稔  

版画家。1953年沖縄・伊是名島生まれ。風の伝言(イアイ)を聴き、鳥と話す。樹の精霊(キジムナ)は兄弟で、海に素潜りで20メートルはゆく。三線はほとんど彼の肉声であり、沖縄空手の達人で、神話を語らせれば、右に出るものはいない。もし、風が地球(ガイア)の心の運び手であるなら、彼の身体を通って吹きぬけてきた風=作品の中に、遠い祖先の伝言、小さな花の言葉や鳥たちの叫び声、太陽や月からのメッセージさえ聴くことができる。21世紀に生まれ育った子どもたちへの風からの伝言を伝える。――

名嘉は花や葉の色や形がなぜ違うのかと考えます。そして、神の仕業に違いないと確信します。“しあわせ”は無限にあって、けっしてなくならない。だから、遠慮しないで多くの人々が、“しあわせ”を取り込んで欲しい。と、彼は心底念じています。

この4人は共通して、霊性・魂・心を重視しています。また入選作品を含め、科学が踏み込めない領域を暗示しています。初期の宇宙飛行士は、ほとんどある種の霊性を感じました。臨死体験のある人も、例外なく霊性を信じるようになり、またオーストラリアでは宇宙人に誘拐された体験者すべてが、環境問題に関心を示すようになります。

これは、ロペスの「空」「魂」と同じ「なにか」、つまり地球生命の神秘に彼らが覚醒したからではないか。それはまた、異常体験や「生」と「死」のハザマで隠れた遺伝子がよみがえるように人間は、設計されているからではないでしょうか。

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