薬漬け食品 命が危ない
【あらすじ】
私たちはカネを中心にして動く社会のなかに、暮らしています。この社会では、1円でも安く物をつくった者が勝ち組みになるため、安くて質の良い商品がスーパーやコンビニにたくさん並んでいます。競争に勝つために会社では、いろいろな方法・手段を用います。その一つが本節の薬漬け食品です。
しかし、1円でも安く作るために、サービス残業・カローシ・心の病が増えています。もうそろそろ「1円でも安い」という考えを見直す時かもしれません。
食品添加物とはなにか
食品添加物とは、「農産物・畜産物・水産物などを原料として加工食品を作るときに人工的に添加する物質」と、定義されている。たとえば、ハムを作るとき、見栄えを良くするために発色剤・着色料が、味が落ちないように化学調味料が、腐らなくするために防腐剤・殺菌剤などが添加物として使われています。
その上さらに、添加物が出ていかないように結着剤が加えられますが、このような使われ方を「添加物の芋づる式」と呼びます。私たちの食卓に乗るほとんどの食品には、このように芋づる式に化学薬品が添加されているのです。
英サセックス大、エリック・ミルストーン教授の推定によれば、食べ物がスーパーマーケットに辿りつくまでに、およそ3850もの添加物が使用されているとのことです。平均的な人間は、1年になんと4キロの添加物を、女の赤ちゃんは、17歳になるまでに自分の体重と同じ量の添加物を食べてしまうことになります。
本稿を書くために私は今、「のり弁当B」を買ってきました。「のり弁当B」の食品表示シールには、次のように印刷されています。――pH調整剤、調味料、(アミノ酸など)着色料(カロチノイド、パプリカ、カラメル、クチナシ、V.B1、カロチン、アナトー、ラック、野菜色素)、増粘多糖類、グリシン、酸味料、甘味料(甘草)、乳化剤、発酵調味液、ソルビトール、酢酸Na、膨張剤、香料、保存料――。 カタカナや記号がたくさん並んでいますが、これらはみんな家庭の台所では見ることのできない化学物質、添加物の数々です。
さて、食品添加物の毒性と一般食品への使用例のほんの1部を示しておきます。
●亜硫酸ナトリウム(発色剤)
(使用例) ハム・ソーセージ・ベーコン・イクラ・スジコ等
(毒性) 血球の破壊・中枢神経麻痺・遺伝子損傷及び変異原生・染色体異常
●亜硫酸ナトリウム・無水亜硫酸・亜硫酸水素ナトリウム(漂白剤・防かび剤・酸化防止剤)
(使用例) かんぴょう・干しあんず・干しすもも・こんにゃく粉・ゼラチン・ぶどう酒・水飴・天然果汁・甘納豆・海老のむき身
(毒性) 循環障害・ラットで多発性神経炎・催奇形性・代謝障害・変異原生・アレルギー性
ポストハーベスト(収穫後に使用される農薬)
農産物を保存・輸送する際に発生する虫やカビを防止するために、ポストハーベストは使われます。しかし、それは栽培中に使用される場合に比べて残留性が非常に高く、日本では使用が禁止されています。ポストハーベストのうち、有機リン系農薬は肝臓異常・脳波異常・記憶力低下・心臓異常・平衡感覚障害・目の異常・しびれ・知覚低下をもたらします。
驚くべきことに、発がん性・催奇形性が疑われているため、アメリカでは食品添加物としては許可されていないのに、柑橘類などに吹き付けられ日本には輸出されているようです。旧厚生省がアメリカの政治的圧力に屈し、それらを食品添加物として認めたためです。
いつまでも芽の出ないジャガイモ、防虫剤を直接混ぜられた穀物、殺菌剤・防カビ剤などが使用された果物類、酸化防止剤を使って処理されたサバ、漂白処理された白身魚などを私たちは毎日食べ(食べさせられ)ています。
抗生物質と耐性菌と不健康な食品
アメリカの平均的家庭のキッチン流しからは、アメリカの平均的家庭のベンザよりはるかに多量の糞便細菌が見つかりました。ペロ毒素を作り出す遺伝子を持つこの糞便細菌などのはびこりは、ウシの飼料への抗生物質の乱用によって促進されたと考えられています。
一方、イギリスの農場ではニワトリを早く大きくするため、健康を維持するため、感染症対策のためなどとして抗生物質が多量に使われています。たしかにニワトリの成長を早める抗生物質は細菌をやっつけます。ですが、やっつけられた細菌はサルモネラ菌の競争相手ですから、その使用は敵、サルモネラ菌に塩を送る行為に当たります。そのためサルモネラ菌は勢いづき、食中毒にかかる可能性を高めているほか、現在では抗生物質に対する耐性(抗生物質の連用に対して得た抵抗性)を95%にまで増加させています。
明るい場所だと早く大きくなるので、イギリスのニワトリ小屋には窓がなく、24時間人工照明がなされています。そして、運動不足にして早く大きくするために狭い場所に身動きも取れない状態で彼らニワトリは飼育されています。
彼らのエサは、できるだけたくさんの肉をつけるように調合されているので、骨は体の重みを支えることができず、10羽のうち9羽が早い時期から足をいためています。彼らの骨は文字どおりボロボロで、はうようにしてエサ入れにたどりつくものもあり、太ももを交互に動かして体を引きずっていきます。
こうしてほとんどのニワトリが、不健康のままベルトコンベヤーに逆さに吊り下げられて一生を終えます。
一方、流しっぱなしの地下天然水、かけ回れるほどの広さという環境の中で秋田県のヒナイドリは飼育されています。彼我には天国と地獄ほどの違いが見られますが、ここで私はニワトリの人権?を云々するつもりはありません。
ただ、健康的な食べ物は、健康な植物や動物からしか得られないのではないか。彼らをそまつに扱えば、彼らは病気になり、その結果人間も病気になるのではないか。という考えにかりたてられ、地獄の闇にいるような底の知れない恐れが私を不安にしているだけです。