物事の本筋 「心」できまる

【あらすじ】

自転(じてん)しながら地球は、太陽の周りを秒速298kmという猛烈(もうれつ)なスピードで飛んでいます。一方、人体は60兆個の細胞からできていて、絶えず新陳代謝(しんちんたいしゃ)【新しい細胞が古いのと入れ替わる】を繰り返しています。特に、小腸(しょうちょう)栄養(えいよう)吸収(きゅうしゅう)細胞(さいぼう)24時間で生まれ替わっているので、昨日の君は今日の君ではありません。

この宇宙の決まりは、とうてい人間の浅知恵(あさぢえ)(科学)では解けません。また世界(せかい)(かん)を変えるほどの新しい考え方は、霊性(れいせい)(たましい)に導かれた直感によって決まる場合が多いのです。その立場に立って、本サイトでは、繰り返し科学(かがく)過信(かしん)をいましめてきたのです。

 

以下、第11地球(ちきゅう)環境(かんきょう)映像(えいぞう)(さい)1部を編集して示します。

小さなハンターたち

捕食(ほしょく)のために45度の角度で水中に飛び込む鳥がいる一方に、45度の角度で空中の獲物を()らえるカエルもいる。この映像は、懸命(けんめい)に生きている小動物の捕食のあり方を通して、平等で、共生し、支え合っている全ての生物に、暖かいまなざしを向けています。

砂丘の秘密 

政府の海岸線道路の建設計画に、地元住民は抗議(こうぎ)をしたが、当初計画どおり護岸(ごがん)工事(こうじ)は実施されました。ところが、ほどなくして美しかった砂浜は消え、その後にはごつごつしたみにくい岩の連なりのみが残りました。加えて押し寄せてきた砂で港も使えなくなりました。

砂丘について「自然に逆らわないのが原則だ」と、海面より低い国土を有するオランダの専門家は語りました。どうやら物理的(ぶつりてき)自然(しぜん)にも、生態(せいたい)(けい)に類する決まりがあるようです。

以上が、入選作品の中の2点でした。

 

特別プログラム(地球交響曲第四番、ガイアシンフォニー)

これに続いて特別プログラムが上映されました。登場人物は4人です。

 

【ジェームス・ラブロック】 

 生物(せいぶつ)物理(ぶつり)学者(がくしゃ)1919年イギリス生まれ。地球は1つの大きな生命体(せいめいたい)である、という「ガイア理論」の創始者(そうししゃ)。「地球はそれ自体が大きな生命体である。すべての生命・空気・水・土など有機的につながって生きている。これをGAIA(ガイア)と呼ぶ。」――

人体の体温は熱くても寒くても、常に36.5℃度を保っている。また地球の平均気温は15℃、大気に占める酸素(さんそ)の割合は常に21%を保っている。人間が体温を一定に保つ機能を持っているならば、地球も地球気温を一定に保つしくみを持っているはずだ(この当然のことに疑問を抱くのが天才たるゆえんです)と、考えて生み出されたのがガイア仮説です。

彼は科学を否定はしません。が、誤った科学あるいは誤った科学観は否定します。ラブロックによれば、偉大な発見はすべて直感(ちょっかん)で決まり、その直感を自分に解からせるために2年、他人に理解させるにはさらに1年かかります。つまり感覚あるいは直感が主役で、理論づけはその後処理に過ぎません。彼が神を、否定も肯定(こうてい)もしない理由はこの点にあるのではないでしょうか。

 

【ジェーン・グドール】 

 野生チンパンジーの研究家。子どものための環境教育活動家。1934年イギリス生まれ。40年前、26歳の時、人類学者ルイス・リーキーのすすめで、母と共にたった2人でタンザニアのジャングルに入り、チンパンジーの観察・研究を始めた。生命に対するやわらかく広い視野からの研究は、霊長(れいちょう)学会に多くの変化をもたらした。今は、野生動物の保護、熱帯雨林の保護、子どもたちの教育プロジェクトに全身(ぜんしん)全霊(ぜんれい)を捧げている。動物の心・愛・信仰・霊性・進化・科学、等々のテーマを語る。――

仕事に限界(げんかい)を感じ始めた若かりし頃のある日、彼女は森の中で1匹のオスのチンパンジーと遭遇(そうぐう)ました。長いいきづまる時間が経過した後、ようやく彼女の手のひらのエサにチンパンジーの手が伸びます。と、その瞬間(しゅんかん)、チンパンジーはエサを払いのけ彼女の手を(にぎ)ります。グドールはその時、チンパンジーと言葉で意思を伝えあうことはできないが、テレパシーでなら話すことができると確信します。彼女の原点はここにあり、科学過信をげんにいましめます。(チンパンジーの遺伝子の98%は人間と同じ、輸血することもできます)。

 

【ジェリー・ロペス】 

 伝説のサーファー。1948年ハワイ生まれ。毎年12月、ハワイ・オアフ島のノース・ジョアでは、高さ20フィートを超える津波(つなみ)のような巨大な波が立つ日がある。この巨大な地球の力は、99%人間に死をもたらすおそろしい力である。しかし、残された1%に人の生命と調和する道がある。彼は、その道を、自分の身体の内側から選び取ることができる。静かに、まるで何事もないかのように海に入ったかと思うと、強大な波のかべに美しい1本の白線(はくせん)を描きながら滑り降りてきて、また、何事もなかったように、静かに去っていくのだ。――

ロペスは大波の中(空洞)に入ったとき、すべてを忘れます。思い出そうとしてもその前後はともかく、記憶がよみがえらない。彼は、それを仏教の「(くう)」ではないかと考えています。ロペスはまた、ボードを一生懸命にみがきます。ボードに魂が入ると信じているからです。

 

名嘉 睦稔  

(はん)画家(がか)1953年沖縄・伊是名島生まれ。風の伝言(イアイ)を聴き、鳥と話す。樹の精霊(せいれい)(キジムナ)は兄弟で、海に()(もぐ)りで20メートルはゆく。三線はほとんど彼の肉声であり、沖縄空手の達人で、神話を語らせれば、右に出るものはいない。もし、風が地球(ガイア)の心の運び手であるなら、彼の身体を通って吹きぬけてきた風=作品の中に、遠い祖先の伝言、小さな花の言葉や鳥たちの叫び声、太陽や月からのメッセージさえ()くことができる。21世紀に生まれ育った子どもたちへの風からの伝言を伝える。――

名嘉は花や葉の色や形がなぜ違うのかと考えます。そして、神の仕業(しわざ)に違いないと確信します。“しあわせ”は無限にあって、けっしてなくならない。だから、遠慮しないで多くの人々が、“しあわせ”を取り込んで欲しい。と、彼は心の底から念じています。

 

この4人は共通して、霊性・魂・心を重視しています。また入選作品を含め、科学がふみ込めない領域(りょういき)を暗に示しています。初期の宇宙飛行士は、ほとんどある種の霊性を感じました。臨死(りんし)体験のある人も、例外なく霊性を信じるようになり、宇宙人に誘拐(ゆうかい)されたオーストラリアの体験者すべてが、環境(かんきょう)問題(もんだい)に関心を示すようになります。

これは、ロペスの「空」「魂」と同じなにか、つまり地球(ちきゅう)生命(せいめい)の神秘に彼らが目覚めたからではないか。それはまた、異常体験や「生」と「死」のハザマでかくれていた遺伝子(いでんし)がよみがえったからではないでしょうか。

科学を万能(ばんのう)だと考える人びとは、霊性や魂を科学同様に重視する人びとをあざけり、非科学的というレッテルをはります。だが、この考え、あまりにも軽くあやまりです。

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