徒然草2006年
つれづれなるままに切り抜いた、新聞記事をネタにして、(すでに当サイトで論じてあるが)話をめていきます
(1)日本経済新聞(06・11・29)『春秋』より。
この5億年間に、地球では5回も、生物の大量滅亡が起こっている。いちばん新しいのが、約6千500万年前に小惑星の衝突によって引き起こされた恐竜などの壊滅だ。温暖化すると、海水の上部を占める酸素の豊富な層がやせ細り、硫黄細菌がつくる硫化水素を大量に含んだ深部の海水層がふくらむ。
----両者の境界面=ケモクラインが急上昇して、おおかたの生命体には毒である硫化水素が海に満ち、地上に噴き出す。この間、地球上の生物は数十万年かけて絶滅へ向かう。
----清新な層によって抑え込まれてきた「深層の暗部」が、環境の急変で表面に出て全体を覆うと、(地球の)システムが壊れ滅亡へと向かう。
(2)朝日新聞(06・10・29)「ガイア理論」の提唱者であるイギリスの地球物理学者ジェームズ・ラブロック博士の基調講演資料『ガイアの復習』より。
やがて訪れる耐え難い酷暑の世界は、人類の少数だけを残し、しかもその生存者も、寒冷な極地にわずかに残った緑地帯や、島々へ追いやられるであろう。このような殺伐とした予測は誇張のように見えるが、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の報告書と比べ、その表現が異なるだけである。
-----それほど過酷な夏が繰り返されれば、人間も自然も痛ましい被害を受けるはずであり、農業生産も自然生態系も崩壊し、密度の高い人口は養えなくなる。2006年の比較的軽度の夏の暑さでさえ、欧州の農業生産は40%も減少した。
----5500万年前の地球温暖化では、ガス状炭素化合物が約1万年以上かけて放出され、その速度の遅さゆえCO2(二酸化炭素)濃度は70から160ppm程度しか上昇していない。しかし、我々はすでに100ppm上昇させ、30年後には200ppmと、5500万年前に見られた以上の増加を経験することとなる。速度が速やすぎると地球には調節の時間がほとんどなくなるため、CO2放出のスピードは、その量と同じくらい有害なのである。
ガイア理論の最大の功績は、おそらく地球を生命体になぞらえたことであろう。CO2の量とその増加のスピードが生命体ガイアの気温調節機能の能力を超えたら、地球は暴走する。このようにガイア理論は教えてくれます。
(3)朝日新聞(06.10.4)『温暖化対策待ったなし』より。
東京大学気象システム研究センターと国立環境研究所、海洋研究開発気候による解析では、70年代以降の気温上昇が自然を起因としたものではなく、工業化や都市化などによる人間活動に伴うものであることを強く示す結果も出た。来年のIPCCの第4次報告書では、温暖化は避けられず、場所によっては集中豪雨が増えたり、干ばつが深刻になる恐れが高いことが盛り込まれそうだ。
---ユネスコの世界遺産に登録されているグリーンランドのイルリサット氷河は、90年代後半からの10年で約15キロも後退した。グリーンランド海を挟んで東側にあるスパールガル諸島でも、氷河は後退し続ける。シベリア、アラスカの永久凍土に大きな湖沼ができている。
氷の減少は先住民の生活も脅かす。
(4)日本経済新聞?(06.10.31)『温暖化このまま続けば--「経済混乱 大恐慌なみ」』より。
温暖化ガスの排出がこのまま続けば洪水や干ばつなどが頻発し、世界の国内総生産が20%以上失われる可能性があると試算。「破壊的な状況」を避けるため、環境対策を経済成長を保つ投資と位置づけて、世界中で取り組みを急ぐよう求めている。まとめたのは、英政府の経済顧問で、元世界銀行チームエコノミスト、ニコラス・スターン氏。
温暖化によって氷河が溶け出し、世界の6人に1人が洪水や水不足の危機に直面。アフリカなどでは作物が害されて数億人が食料不足に陥るという。
磔刑・獄門
ここで論じられている事実は、もはや「絶対真理」でありましょう。だが、比較的知性が高いといわれている日本人間でさえ、それを深く理解している人はまだ少ないのです。
そのため、私たちが熱く語ってきた「温暖化など」の多くは受け入れられていません。そればかりか、それは世間を惑わす流言にあたり、昔なら市中引き回し、打ち首、獄門の刑に相当すると考えている人もいます。
しかしながら、@とAは地球システムの崩壊による危機の哲理を、超長期的スタンスに立って、BとCは温暖化の現状を短期スタンスでそれぞれ俯瞰・予測をしています。これは私たちの語りが、単なる流言・妄想・杞憂ではないことを証明してくれています。
一円の得にもなりませんが、これからも発言を続けていくつもりです。皆さまのご協力をねがいつつ。