最近は幼児(広義で子供ってしよう)虐待の話が多いね。
とりあえず、今回の書き物の下敷きになる事件について、
検索したい人の為にキーワードを書いておきます。
勢田恭一」君、
この子の名前は親となる人ならば心に刻むべきでしょうね。
虐待した夫婦の名前の方は、
ここに書くのもご遠慮申し上げたい。
 

家内とTVでニュースを見ている時に家内が漏らした言葉がある。
「この母親と同じ事をしてしまったらどうしよう・・・。」

うちの家内には僕が最大限評価できる事があって、
「自分の心の中に悪魔が住んでいる可能性がある。」
事を常に意識している。

よその人から言わせれば被害妄想とか自意識過剰とか、
強迫観念(ああ、これが一番近いね)に相当する物なんだろう。
一歩間違えれば、精神病扱いなんだろうけれども、
実は(自分が犯罪を起こさないためには)一番必要な物ではないか、とも思う。

普通の奥様方ならば
「鬼のような両親ね。」ピーチク
「ああいう親を持ってかわいそうに」パーチク
は、聞けるんだろうけれども、
自分にそのような親になり得るかどうかについてはあまり考えない人が多い。
つうか、大多数(笑)

奥様方向けのお昼のワイドショー(これの語源を知りません、誰か教えて)番組なんかで、
「ひどい親ですね。」とはいうものの
「事件はどうして起きたのか。」とかは言わないよね。
「自分が当事者になる可能性」
とかはまぁ言及しないよね。
だって視聴者(つまり奥様方)の感情を逆なでするから(笑)

家内には言っておいた。
「親が子を虐待する事件を見て『自分も起こすのでは』と、
恐れる事は決して間違っていない。普通の事である。
むしろ、『恐れている』間はまず虐待はしないから安心しなさい。」

家内の最大にして唯一・・・ではないが(笑)
戸惑いや恐れから「どうしよう」となる事は多いが
「どうしたら良いか」まではなかなか行きつけない点にある。
だから亭主としては常に「どうしたら良いか」を提示しつづける事にある。
#ま、ちょいと感情的なのは亭主も負けず劣らずなんで痛み分け、としよう(爆笑)

家内には常日頃言っている事があって、
「人間そうそう変わる事はできない」という事。
これは自分自身の経験則でもあるし(苦笑)、他人を見てもそのような事例は多いので、
そう考えている次第。

学校の進学の時に「また成長して進学したんだからちょっとは変わるだろう。」
成人した時に「大人になったんだからちょっとは変わるだろう。」
就職した時に「一人前の社会人になったんだからちょっとは変わるだろう。」
結婚した時に「所帯をもったんだからこれからはしっかりするだろう。」
子供ができた時に「親になったんだから、しっかりするだろう。」

はっきり言ってそんな事じゃ人間変わりません。
上の論法ならば最終的には「大人はみんな立派な人たちです。」って言い切れる事になる。
言い切れる?
無理無理(苦笑)
それは新聞の社会面を読めばすぐ分かる。
おっと、俺は新聞を信用していないのであった(爆笑)この件についてはまたいずれ
まぁ、新聞を読まなくてもご近所みてたら分かるでしょ?多分

まぁ幸福にして「大人になって立派になれた奴」はそれでよし。
俺や家内のように「立派になり損ねた」奴はどうすれば良いんだろう?
それは自分の中の悪意を見据え、その悪意に対して恐怖し続ける事で、
「自分を監視する」しかないと思うんですな。

「毎晩、夜泣きする子なんて居なくなれば良いのに」って思った事の無い人、いる?
居るとしたら、(茶化す意味ではなくて、本気で)すごい人だと思う。
正直言って、まだ2ヶ月にもなっていないのに、うちの夫婦は息子をもてあましている。
家内は毎晩「なんで泣くのよ!!!」って癇癪を起こすし、
俺は俺で「頼むから静かにしてくれよ・・・。」って息子の顔に手をかざして声を遮ろうとする時もある。

「ばか、同じような心持ちでその手で口をふさいで、赤ん坊を殺した奴が居るんだぞ!」って心の中で言う。

『俺は今、何をしようとした?』
 

自己嫌悪

俺、決して意志を持った良い父親ではない。
世間様を騒がしている「馬鹿な父親」の方がはるかに近い。

この「恐怖」は家内のほうが強いらしい。
今世間を騒がしている幼児虐待の親のほとんどが家内と同じ世代か、すぐ下の世代だから。
普通の亭主ならば「そんな事は気にするな」って言うんだろうけれど。
我が家の実権の無い世帯主はちょと違う。(苦笑)

「俺もおまえもニュースで自分の子供を虐待をする親達と同じ世代だ。
あの馬鹿共(俺は確かにこう言った)と同じような時代や環境で育てられている俺達は、
息子を虐待する可能性は充分高い。
だから『私はあのような親とは違う』という見方ではなく、
『自分もするかもしれない。』と考えるほうが正しい。
でも、その自分の中の悪意と向き合っている内は大丈夫だ。
そんな事も考えなくなった時が一番恐い。
今、おまえが感じている恐怖を忘れない様にしなさい。」
 

で、いつも最後にオチをつける。
「んで、息子が馬鹿をした時にぶん殴るのは俺の役目だから、横取りしない様に。
おまえがぶん殴って、俺が息子をかばうなんて、
絵にもなりゃしない。
桑原和男じゃないんだから。」

家内、桑原和男はすぐには分からなかったようです(笑)

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2001/08/28