「Celeronってクロックアップしやすいんだよね?」
何度も職場でもPC通信でもインターネットでも
沢山の人に聞かれた言葉だ。

一応返す時の決まり文句
「俺、SLOT1のクロックアップはした事が無いんだよね。」

厳密にはである。

我が家のPCで最強なのは「Tyan Tsunami ATX」に
不本意ながらPentium3-800Mhzを搭載した奴だが、
これは若干クロックアップしている。
とは言うものの「FSBを102Mhzに設定している」程度では
クロックアップが日常となっている人にとっては
まったくお話にもならないだろう。

それでもクロックアップしているという事実には変りないし、
そのためにかなり強力なCPUクーラーを奢ってやっているのも事実だ。
でも、あまりクロックアップについては他人に薦めるような事はできないでいる。
何かあった時に責任取れないからだ。

僕に「クロックアップのアドバイス」を聞きにきた人がどんな用途でPCを使っているのか、
そんな事自体には興味は無い。
でも例え2Mhzであったとしても、クロックアップによるリスクは存在する。
僕にクロックアップの質問をした人達がそれを承知しているかどうか、甚だ疑問だ。

もしも、「クロックアップをした人」がそれが原因でOSがクラッシュしたとする。
ハードウェアが原因でクラッシュした場合、データを助けるのは実はかなり難しい。
彼等がせっせと作っていったドキュメントも全て消えてなくなる可能性がある。
そう考えてしまったら、安易に「クロックアップすると速くなる」なんて言えないのだ。

人によったら「クラッシュした時のデータは潔く諦める」とする人も少なくない。
でも、そんな人は多分、クロックアップとか改造について人には聞かないだろう。
「聞く人」は「大丈夫なの?」という保証を求めていると僕は解釈している。

そんな人達に「クロックアップできますよ」って言って、
その人達がCPUやマザーを焼き切ったら、多分こういうだろう。
「できるって、あんた言ったじゃないか!」
その人の焼いたCPUを引き取ってあげることができる?
俺はそんな馬鹿ばかしい事はしたくない。

だから僕は保証しない。
情報の入手先については僕は他の人達よりも多く知っているらしいので、
「調べてあげる」は割と言うのだが、
それでも「できるらしい」という程度の情報は話さない事にしている。

そもそもPCを自作する時だって、問題の無いパーツを集めても
なんらかのトラブルが発生する可能性があるのだ。
そうなった時には自力で乗り切らないといけなかった頃があった。
そういう時期を乗り切った人は何が起こってもアドバイスをしてもらった人に
食って掛かる事はしないだろう。
そういう人達は「責任は確認をせずに鵜呑みにした自分にある」
と考えていると思うんだけれどね。
つーか、聞ける人がいないので、自分で判断するわけなんで
自分の失敗を人にどうこうは言えないわけなんでね。

とりあえず
「メーカーの規格外の事はパルプンテ♪」
って覚えておいた方が良いと思いますな。
 

ここでうんちく(笑)
現在この文章を書いているのは今とは化石になったPC710のPentium-166Mhzの
モデルなんですが、チップセットはIntelの430HXです。
430HXはIntelの発表ではメモリを512Mbyteまで搭載できますが、
私のモデルでは96Mbyteが上限になっています。
世の中では430HXのマザーに本当に512Mbyteまで搭載した人(まだ32Mbyteのメモリが1万円した頃!)
がいらっしゃるんですが、この事例では認識はしたが、まったくまともに動かなかったそうです。
その時の見解としては
「430HXは512Mbyteまで搭載できるが、
それにはマザーやメモリの精度が高くないといけない」
だったと思います。
ちなみにうちのPC710に128Mbyte程搭載してみましたが、
認識はしたものの、一般保護例外が頻発して、まともに動きませんでした。
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2002/02/06