たった今、2002年のワールドカップの3位決定戦が終わった。
僕は「トルコ不利」を考えていたのだが、
韓国側の采配ミスがあったとはいえ、トルコが韓国を下した。

これは考え様によってはすごい事である。
トルコは日本と韓国の両チームを、相手のホームで破った唯一のチームになった。
僕はサッカーをあまり詳しくないので偉そうな事は言えないのだが、
ワールドカップは開催国が圧倒的に有利といわれているのは知っている。
本来ならば圧倒的に有利な日本と韓国を破ったのだから、賞賛に値する。

そして、何よりも彼らは(すくなくとも僕の目から見ると)非常にフェアなチームだった。
彼らは確かにサッカーというスポーツの頂点に立つチームではないのかもしれない。
でも、あのモチベーションの高さは日本にとっては良い手本になったのではないかと思える。
 

日本がトルコに負けた後、やはりというかトルシエ批判を聞く事が出来た。(嘆息)
日本がトルコと戦う時、スターティングメンバーを変えてきたのだが、それが敗因である、とか。

実は個人的には日本の勝ちあがり方は好きでは無かった。
面白い事に何人かは僕に同調してくれたのだが、日本が戦略を組みたてた上でボール出来たのは
緒戦のベルギー戦の鈴木のゴールだけのように思えた。
後は、どちらかというと、乱戦状態に陥った中でゴールした状態が多いように思える。
森島がチュニジア戦で「いい所でボールがきたので思い切って蹴った」と言っていたが
こぼれ玉を蹴ったゴールがほとんどだったと思う。
無論、チャンスが有りそうな場所にいる。というのは非常に大事だが。

今、思い出したんだけれども、フランス大会の時に、日本はジャマイカ戦でなんとか一点を
とる事が出来たのだけれども、中山がその時の事を語った記憶がある。
「呂比須がゴールしてもよかったんだけれども、こっちにパスをしてくる、と直感で思った。
ボールが来たら、何がなんでもゴールに押し込んでやる、と思った。」

実際に攻撃を組み立てるのはそういうものではないかと思う。
「ボールがきたから入れた」という偶然性ではなくて、
「ボールが(必ず)来るのでどのポジションでどのように扱うか」という必然性。
それをあまり日本の戦いに感じなかった。

今となってはメンバーをいじった真意をトルシエから聞ける可能性は低いのだけれども
「このままでいけば8強はいける可能性がある。
 ここで失策したら16強どまりだが、うまくいけば4強も夢では無い。」
と考えたとしたら・・・?

僕の場合、スポーツの経験はラグビーとモータースポーツしか無いのだけれども、
ラグビーの場合は一度選抜したメンバーをいじる事はほとんどありえない。
(無論戦略の変更があるのならばメンバーを代えるのだろうが、大会中に戦略を変更するというのは
 ラグビーの場合、かなり「終わって」いる。)
モータースポーツの場合、こちらが基本的に不利であるのならば、リスクを承知で賭けに出る事もある。
(タイヤを変更したり、新型エンジンを投入したり、とかだね)
だから、僕には日本がトルコ戦でメンバーを入れ替えたのは、あまり不思議ではなかったのだが。

でも「トルシエがチームに対する影響力を誇示する為にメンバーをいじったんだ。」と言っている人もいるけれど
案外その通りなのかも(笑)
 
 

あ、言っておくけれど、俺は別にトルシエを擁護するつもりで言っているのではないからね(笑)
つうか、ごくたまにサッカーを取り巻く環境に辟易する事があるけれど(笑)

で、いろんな所で上のよな話しをしてみたら、多くの反応は

1、(日本は)そんな風に戦略を選択できるような強いチームでは無い。
  つまり「失策=敗北」となる。
2、サッカーは一般的にはホーム有利で、日本チームはここまでの雰囲気が悪くない。
  ここまで有利な状況はこれから先あるかどうかわからない。
  だから今の戦い方で勝てる所まで行くべきだ。

という感じだった。
これらの意見を聞いた直後ってのは「そんなもんかなぁ」って思っていたんだけれども、
後で考えると
「それってある意味日本チームに失礼な話とちゃう?」
って思ったりした。(笑)
そうじゃない、上の2点を強調する人達って、言い換えれば
「日本チームは他の開催地の大会で良い成績を残せない」って
公言しているような物じゃない(爆笑)

普通に考えれば、ワールドカップてのは、ホーム(開催地)でプレイするよりもアウェイで戦う事の方が圧倒的に多いよね。
多分に(その時までワールドカップが存在するのならば)次に日本で開催される時まで僕は生きていないと思う。
言い換えれば、これからのワールドカップは日本にとってはずっとアウェイなんだから、
「うちのチームはホームでないと良い成績が残せない」というのを公言するのはちょっとナニな話である。

僕の興味のほとんどは「日本がどこまで勝ち進むか」ではなくて「世界の強豪相手にどんな戦いが出来るか」だった。
少なくとも今回のワールドカップで「日本が優勝する」などという事を本気で思っていた奴はいるまい。
みんな心の奥底で「いずれ日本はどこかで負ける」というのを思っていた筈だ。
僕は思っていた「日本はどのような負け方をするのだろう」と。

試合終了の笛が鳴った時に中田が「えっ、もう終わり!、ああ負けちゃったなぁ、もう少し戦いたかったなぁ」
という顔をしていた。
ディフェンダーの戸田選手が泣いた。
でも僕の印象が強かったのは中田の苦笑いだった。

日本の戦術指揮官はどんな苦境にあっても「サッカーを楽しんでいる」。
負けてしまってそこで終わりではなくて、まだ先がある、という顔。
次はどのようにして戦うかを考える顔。
中田が試合に負けて泣き出さない限り、日本は少しずつでも強くなると思う。

良いじゃ無いか。
アメリカ大会の時は予選落ちだった。
フランス大会では一次リーグで惨敗した。
韓国日本大会(えと、日本韓国大会だったっけ?ああどっちでもいいやそんなもん
じゃ決勝リーグで16強で敗退した。
少しずつではあるけれど、前に進んでいれば、それはよしと思えばいいんじゃないかと思うんだが?

あくまで私見なんだけれど、これからの韓国は非常にタフな状況が待ち受けていると思う
今大会で4強を果たしたんだけれども、ほとんどの国は「あれはホームだから」と考えているはず。
無論ホームだからといって韓国選手のプレイ全てを「あれはホームだから」と言って否定する奴は嫌いだけれども、
韓国のチームとしての能力はこれから評価されるはず。
彼らは他の大会で4強を果たした実力の片鱗を見せていかなければいけない、という事になる。
それが出来なければ「ああ、あの成績はホームだったから出せたんだな」といわれてしまう。
 

世間(除く日本と韓国の大手マスコミ)では「韓国の試合の疑惑判定」でもちきりなんだけれども、
俺は上記の理由で「優秀な成績を得る為に韓国が審判の買収をした」とはあまり思えない。

それに、今回の韓国が戦ったチームは、運動量が後半の20分辺りから鈍くなっているパターンが多い。
対して韓国は後半でフォワードを大量に投入して、得点を得るという采配が目立った。
大会が開催されているこの時期のアジアは高温多湿である。
梅雨時にサッカーの大会を開催するなんざ、わざわざ選手に「苦労してください」って言っているような物だ。
少なくとも日本の場合は今年はかなり過しやすかったと思うのだが、それでも時差ボケとかサポーターがうるさくて眠れん(笑)
で調整をしくじったりしたらバテるのはすごく早い。

それと、これは某氏の意見で、俺も笑いながら同意したんだけれど
「たとえばイタリアがブラジルに負けたとしも、それを判定のせいにはしないでしょうね。
 でも自分が弱っちぃと思っている国にボロ負けしたら素直に認めないかもしれませんよ。」
そうだなぁ、判定が不利でも文句言わないのはドイツのカーンぐらいかも(笑)
カーンは「判定に不正があっても関係無い。俺がシュートを全部止めたらドイツが勝つ」とプレスにのたもうたとか(笑)
自チームのやる気を促す為の強気の発言だったんだろうけれど、本当に止めたからすごいよね。

あと、本当に韓国が審判の買収だけでここまで勝ち上がったとしたら、
監督のヒディンクの評価もそれなり程度のもののはずなんですけれど、ヨーロッパでのヒディンクの評価は高くなっている。
実際にいくつかのクラブからオファーが来ている。
だから、実際に韓国は強くなっている。(ヒディンクが強化に成功した)という事の逆証明とも言えますな。

以上の事で「韓国が優秀な成績を収めるために、いろいろな策謀を巡らせた」とは考えにくいです。
個人的には今までの大会開催期間中に「審判買収」を言い出した事例があまりありませんから、
大会の開催期間中に「買収疑惑」が出てくるのには「他の理由」があるのではないか、と勘繰りたくなります。
 

では「韓国が優秀な成績を収める以外の為に、策謀を巡らせる可能性はあるか?」といわれると
有り得ると言えます。

現在のFIFAの副会長は実は韓国の人です。
この人、実は大統領の座を狙っているといわれています。
今回の大会が韓国と日本の共催になったのはこの人の力が大きいといわれています。
で、今回の大会の後に大統領選挙にこの人が出馬したら?
多分良いとこ行くんじゃないでしょうか?
表の意味では「ワールドカップを共催した手腕、そして韓国を4強まで持っていった手腕」をさして、
裏の意味では「策謀を張り巡らせる手管に長けている」という皮肉な見方も出来ます。

ちなみに当時のFIFAの会長は日本の単独開催を主張していました。
これは「日本で開きたい」というよりは「日本のサッカー人口を増やしたい(ビジネスチャンスが生まれるから)」
というのが正しい見方といえます。
 

利権の話を持ち出して、うんざりするかもしれませんが、
実際のところ、利権が絡まないビッグスポーツイベントはありません。
ワールドカップの公式認定ってなんの為にとるかというと、
宣伝などの時にワールドカップを語っても良いという認定をとるためです。
この公式認定をとるためには一説には50億円のお金が動くといわれています。
おいしい話です。
オリンピックの誘致のためにどれだけの金額が動くでしょうか。

今回のチケットのインターネットの販売システムはバイロム社が担当していましたが、
少なくともその会社を私は聞いた事がありません。
長野五輪のときはIBMが全面的にバックアップしましたが、
それでもトラブルは起きたと聞きます。
チケット販売なんて、一時期に大量の申し込み処理が発生するのに、
それを予測できず(していた?)に、むざむざトラブルを起こすのは
(と、言うよりもトラブルの原因を大量にアクセスしてきたユーザーのせいにするのは)
みずほ銀行並みのお粗末さです。
しかし、なぜそのような会社にインターネットの販売システムを任せたんでしょう?
 
 

いずれにせよ、真実はしばらくは語られる事はないでしょう。
それでも、韓国の代表選手は疑惑の渦中に放り込まれた形にしまっています。
一番の被害者はイタリアでもポルトガルでもなく、彼等ではなかろうか、という事です。

ワールドカップの裏は利権が複雑に絡んでいます、策謀もあるでしょう。
ある意味、汚い世界です。
でも、個人的には2つの国のホームで戦い、そして勝ったトルコは賞賛されるべき戦績を残したという事。
そして彼等は非常にフェアであり、疑惑が取りざたされた韓国の健闘を称える度量があったという事。
でも一部の奴が「トルコに後半は手を抜かれた!」とか言っているみたいなんで、
今度日本チームがトルコと戦うときは相手に全力を出し切らせる戦いをして欲しいなぁ(笑)

それと世界は今回の大会をどう見ているのか、マスコミには正確な報道をして欲しかったと思う。
 

しかし、面白いよなぁ、サッカーってのは、
日ごろは何も言わない奴が
「あれは監督の采配が悪い、即刻更迭するべきだ」
「あんな奴を代表に入れて何をするつもりだ?」
って平気で言うのね。(笑)
しかも、必ずと言って良いほど罵倒に近い状況になり易い。
なんでみんな虎キチ状態になるんだろう?(笑)
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2002/06/30
ついでに、僕が読んでいるメールマガジンより、どうもアレはガセネタではなかったようです。
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他のメーリングリストを読んでいる限りは、「やっぱりガセではないか」という事に意見が集中しています。
ただその批判意見で、
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同時に一枚の流血の写真も配信された。ほどなく、このニュースは中国の
ネチズンやサッカーファンの広範な関心を集め、イタリアのマフィアの仕
業ではないかと推測した。
 このニュースが結局本当なのか嘘なのか? 人民網の編集者はただちに
エクワドルの現地メディアに対しこの件の証明を求めた。その結果、現地
の各大手メディアは例外なくこの報道をしておらず、また世界の各大手ネ
ットワークステーションにも関連報道がないことが判明した。各方面の事
実確認を通じて、現在ではこれがヒマ人の捏造した偽情報であるというこ
とができる。一方、写真は他のニュース写真を転用したものにすぎない。
 いかに黒幕が多かろうと、いかに不当な取り扱いが多かろうと、サッカ
ーは所詮娯楽にすぎない。絶対に命と引き換えるようなことがあってはな
らない。また中国の各メディアはニュースの信憑性に対して責任を持って
もらいたい。偽情報にもとづいて点数を稼ぐようなことはあってはならな
い。(21cm.comより)
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個人的にはなんかずれている、という気がします。
今回情報が錯綜した原因としては、一般メディアが全く扱わなかったとい
うのが有ります。
無論、この様な内容が胡散臭い事件に対してきちんとした報道枠を使うの
ならばその報道関係者の良識を疑いますが、あれだけW杯の報道で過熱し
て、誤審報道にまで発展しているのならば、その一環として「一部報道で
審判射殺さるの誤報」と、さらりと流してくれれば、この一部での騒乱節
は無かった物と思います。僕も他のソースが全く無かった為事実か捏造か
判断に苦しみました。
それとこの情報を入手した人達の頭の中にはマスコミ不信が有ったのでは
無かろうかと思います。(事実、僕もマスコミをあまり信用していません)
中国で報道→日本では報道しない→日本の報道は事実を報道してくれな
 い→中国の報道は事実かもしれない
一部の人がこの様な論法でこの誤報を扱っていたのは想像に難くありませ
ん。僕の場合も「事実かどうか判断できない」まで行っていました。
このような論法が成立している遠因を報道関係に従事している人達は、今
一度考えていただきたいのですが・・・・。
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2002/07/19

 

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このような疑わしいニュースは、まずしっかり裏付けを取ってから紹介しないといけないのですが、「アジア国際通信」の発行者は早合点してしまっ
たようですねぇ。

内で、