実は、この前の文章は、トマソン賛美というのもあったのだけれども、
一つの危惧を持っていたので、僕には珍しく「オールコピペ」の手法を取った。

実の所、某所・・・のHPで書かれたトマソンのエピソードには管理人の思惑を超え
沢山の人が読み、沢山の掲示板(この掲示板というのがミソ)でコピペをされ、
インターネットという限定された世界の、さらに限定された場所だけであったが、
大きな反響を読んだ。

ひとしきり感動した後で、次の瞬間には草の根BBSやHPの管理人の顔になってしまっていた。
多分、なんらかのリバウンドが起こるかもしれないな。
だから危機感が現実の物となった時点で、リンクではなくて、全文のコピペをした。
実はオリジナルの文章は自分の氏のハンドルが出まくりだったのだが、
ソースを追跡される事を嫌って、ハンドルを書いている部分は全て修正させてもらった。
根本的な事を言えば、私がわざわざオリジナルの作者をわからないようにしてしまい、
コピペをするのもかなり失礼な話ではある。
ただ、いずれ消えてしまう掲示板でのみ紹介するのはあまりにももったいないので
コピペする事にした。これは私の独断だ。

騒動についてはあまり多くの事を書くとまた特定されるのだが・・・
氏は報道関係の職業についているらしいのだが、
例のエピソードを自分のHPに掲載した時点で、アクセスが一気に伸びたらしい。
但し、それに比例して、中傷のメール等も届くようになっていた、という事だ。

しかも、氏の存在を疑っていた(らしい)輩が、報道関連の会社に片っ端から
電話を掛けて「○○さんはこちらの会社にお勤めですか」という絨毯爆撃をしたらしい。
あまつさえエピソードの主役の存在の有無を確かめるため、キャンプ地の官公庁に
まで電話を掛けている馬鹿者が居たらしい。

これには氏も激怒していたのだが、氏の勤めている会社の社則により、懲罰を受けたとの事だ。
まぁ、減棒処分とか謹慎処分とか言うやつやね。
唯一の救いは氏の周辺の人達は良い意味で大人の人達であった事なのだが。
さらにこれが氏を苦しめる事になったのかもしれない。

さすがに私的な活動(つまりインターネット活動)に差し障りが出るばかりか、
公的な活動(いわゆる会社勤めとか家族養うとか)にも影響が出かねない(事実出ている)
状態になったので、氏は自分のHPを閉鎖する事にしたのだそうだ。
 

この様な事になったと思われる理由は
例のエピソードについて感動の反動で反感を持った者が居たらしいという事。
またにわかベッカムファンに対する批判(というか、からかい)。
誤審問題に対する意見。
そしてこれが最大の原因といわれているのが、
W杯での韓国にまつわる話で辛辣な意見を言った為だとされている。

今回の誤審問題について曰く
1、今のスポーツは多かれ少なかれ誤審は避けて通れない問題であるがなんらかの解決が必要である。
2、但しビデオ判定というのはプレイの中断が長くなるので、好ましいとは思えない。
3、ビデオ判定では無く、審判を増やす方向で対処した方が良いのでは無いか?
4、但し、その分だけ人件費はかさむので赤字体質のFIFAは採用できまい

氏は軽い調子の文体で上記の主張をされていた。
が、僕が読んだ限りでは、この主張は非常に正しい、理性的な意見である。
しかし、これは辛辣な体制批判でもある。(軽妙な文章でその辺りはマイルドだったが)
多くのメディアでは「ビデオ判定の導入」を盛んに口にしていたが、
その為に「プレイの中断が多くなるのはやむなし」としていた。

氏は一歩進めて「審判を増やしちゃえば全部解決できるでしょ?」と言っている訳だ。
メディアでここまで言っている人は殆ど居ない。(つうか、僕は知らない)
僕はこの人は傑出したジャーナリストという持ち上げ方はしていないので、
「氏の考えはすばらしい!」とは考えず。
「この人が考えるのならば、他の人も考え付きそうだが?」というひねくれ者です。

しかし、他の人達(マスコミ)が言えない訳があるのに気がついた。
その事を表に出せば、必ず協会のFIFA批判に行き当たってしまうからだ。
そうなる事がわかっていながら言う根性のあるマスコミはあるまい。
氏も一応は匿名であるからHPで言えたのであって、これを自社の新聞紙やスポーツ誌
では書けないに違いない(ワリを食うのは氏だけでは無いからだ)
 

これを書くだけでもかなり辛辣なのだが、次に色々と物議をかもした韓国のプレー&判定
に対しても(軽妙でありながらも)批判を加えている。

1、上記の誤審に対するスタンスから、韓国の誤審問題に関しては現状では仕方が無いとしか言えない。
2、「審判の買収があった」という噂については真実が分からない以上、論評のしようが無い。
3、インターネット上での韓国代表、韓国選手のプレー、審判への批判はあっても良いと思うが
  一事が万事で韓国や在日(朝鮮人?韓国人?氏は言及していない)への批判は、
  論理のすり替えである(好ましい物とは思えない)
4、韓国VS米国戦での安貞桓のパフォーマンスはスポーツマンの取る行為では無い。
5、韓国サポーターはサッカーの見方があまりにも違いすぎる

これを見て「ヤベ(-_-;)」と思った人、残念ながら私と同じです。
これの1、2、はともかく、3、は短絡的な韓国批判をしている人間から攻撃される個所になるし、
4、5、は韓国を過剰なまでに賞美する人間から攻撃対象にされると思います。

特に4についてはかなり感情的になっていて
「スポーツマンとしては絶対に認めない」
とまで書いておられました。
逆に5については「普通ブーイングは自チームが不甲斐ない時とか、敵味方がちんたらプレーしている時に使う」
とだけ言及しているのですが。
 

氏に対して少し批判をさせていただきますと、他者を批判するにおいて、
あまりにも脇が甘かったのではないかと思います。
インターネットにおいてマジョリティを批判する時は、それ相応の覚悟が必要です。
場合によってはHPを移動する必要が有りますでしょうし、
ハンドルを変更する必要が出てくるかもしれません。
最悪の場合、インターネット上での活動に支障が出ます。
いや、HP上で個人が特定できるような事を書いているのならば、実際の生活にも支障が出る可能性があります。

その上で氏は同じインターネットの住民を信用しすぎたのではないかと思います。
氏の文脈は非常に軽妙、悪く言えば頭が悪そうに思えるほどノリが軽いです。
しかしちゃんと読めば、そこここに辛辣な意見が顔を出します。
でも、インターネットの世界では目に見えない相手が攻撃をしてくるのですから
一端守勢に回ってしまうと非常に苦しい事態になります。
まして攻撃するのが簡単で、守るのが難しいインターネットです。
草の根BBSも大変だったんだけれども、インターネット程大変ではなかった。
なんてったって傍若無人な輩には「強制退会」という手段が使えましたから。

批判をするならば、心的にも攻撃に対する充分な備えが必要でしょう。
確かに馬鹿なんでしょうが、馬鹿を馬鹿と書くのは実は
ルビコン川を渡るような物で一度言い出したら後に引けなくなります。
ましてや「あんなパフォーマンスをする安貞桓は単なる馬鹿野郎だ」
思っていても書くのはどうかなと思います。
例え真実であったとしても(笑)

氏がHPを閉鎖されるという事は閲覧者としてはさみしい限りですが、
新たな執筆をされるそうなので、そちらを楽しみに待つ事としましょう。
 
 

所で誰か教えて欲しいんですけれど、
韓国代表の安貞桓選手はくだんの韓国VS米国戦でくだんのパフォーマンスを披露した理由を
「ソルトレーク五輪、ショートトラックにおいて、韓国のキム選手が1位入選も失格となり、
 代わりに米国のオーノ選手が金メダルとなったことへの抗議でやった!」
という事を言っていたのですが、同代表の李天秀はてな事を言っていました。
「負けたチームは言い訳をして自分たちのプレーを正当化しようとする。
 負けたことを審判のせいにするのはサッカー選手として恥ずかしいこと。
 恥を知るべきだ。」
この温度差はどこから来るんでしょう?

それと一つ、メールでも個人的にも「なんで(日本を負かした)トルコの肩を持つの?
といわれたんですが、
これは「彼等が日本が目指すべき理想のチームと思えた」からです。
彼等があれほどフェアであったのに対し、日本のTV局は韓国の4位の表彰式を放映したのに
彼等の3位の表彰式をカットしたのには怒りと落胆を感じましたけれども。
どれだけトルコと日本の関わり合いを解いても、トルコの試合終了後のフェアな態度を
称えても、彼等に失礼な行為をした報道局にはそれらを「感動した」と語る資格は無いと思います。

思い出したんですが、僕はNHK教育テレビの「未来への教室」というドキュメンタリー番組が好きなんですが
各界の著名な人達が子供たちを生徒に特別授業をする、という番組なんです。
ある時にメキシコかブラジルの著名な選手が子供たちにサッカーの特別指導をするという回がありました。
おぼろげに覚えているのですがこの人が子供たちに教えた事はサッカーの技術だけではありませんでした。
勝ったチームは、負けたチームを称える事」と子供たちに言っていました。
おぼろげに覚えていたんですが、正確には違うかもしれません。
トルコの選手が日本代表に勝った時に泣きじゃくる戸田選手に話し掛ける写真を見た時、
そして、何かと物議をかもした韓国に勝った時にへたり込む韓国の選手に手を差し伸べた時、
素直に「トルコの選手達はすばらしい」と思いました。

ちなみにフェアな審判として名高く、今回のW杯の決勝のみならず、日本VSトルコ戦の主審を務めたコリーナ氏は
一番印象に残った試合に「日本VSトルコ戦」と言いました
「試合後の感情を共有できるのは審判にとって大きな喜びだが、
 この試合は特別。終了後の長い沈黙のあとの大きな拍手は最高だった」
「日本の選手の何人かに声を掛けた。“悲しむことはない。胸を張りなさい。
 立派な大会だったじゃないか”と言ったんだ」
「勝者に話し掛けるのは簡単なこと。
 だからこそ敗者にどうやって接するかが重要なんだ」
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2002/07/17