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文献案内
Afghan News
 

 


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カブール・ノート筆者のお勧め図書

本の写真もしくは書名をクリックするとアマゾンによるさらに詳しい紹介と読者の感想が読めます。本の注文もそこでできます。

Fundamentalism Reborn? : Afghanistan and the Taliban
by William Maley (Editor)

Amazon Price: $19.50

タリバン登場後のアフガニスタンに関して、様々な筆者がそれぞれ専門の立場からコンテクストを解明しようとしている。まとまりの悪さは残るが、全体としてバランスのとれた書物になっている。現代アフガニスタンを知るためにはとりあえず便利な書物。

 

The Taliban : War, Religion and the New Order in Afghanistan (Politics in Contemporary Asia)
by Peter Marsden


Amazon Price: $19.95

これも上記の書籍同様タリバンに残る神秘性を解明しようとしている。視野をアフガニスタンに限定せず、タリバンの淵源を歴史的にさかのぼり、分離独立以前のインドから説き起こす。手際よく整理され過ぎ、やや味気なさは残るが冷静な筆致でバランスはよい。読みやすい英語。タリバン入門書になるだろう。

 

Unholy Wars: Afghanistan, America, and International Terrorism
by John K. Cooley

Amazon Price: $29.95

この書物の著者はアメリカ政府を徹底糾弾する。しかし、それはタリバンやオサマに同調してのことではない。彼はアメリカ政府が冷戦時にイスラム原理主義者を西側勢力として利用するため、資金を援助し武器を供与し戦闘訓練したことに怒る。あげくのはてに冷戦終結後、彼らは手におえなくなったではないか、と。安易な冷戦勝利宣言を再考するために良い書物。但し、著者のイスラム理解には何も期待しない方がいい。

 

Taliban
by Ahmed Rashid

Retail Price: $27.50
Amazon Price: $22.00

98年以降、タリバンに関する書物がかなり多く出版されたが、この書物によっていったん打ち止めになるのではないだろうか。著者のアーメド・ラシドは主に中央アジアを専門にする有名なジャーナリスト。彼はイギリスで高等教育を受けたインテリのパキスタン人で西洋の物差しを理解するが、彼自身、敬虔なイスラム教徒でもある。彼の中にある二極性が彼の分析にいつも輝きを与えているように思える。この書物ではイスラムへの愛情がタリバンとの距離を置こうとする方向へ不自然に傾きすぎたきらいがある。愛憎の同居か。コンテクストの設定、ディテールの読み取りともよくできた書物。
 なお、これは最近翻訳が出版された。 帯に書かれた文句が、著者の分析をぶちこわすひどいセンスなのが残念。出版社の姿勢を疑わせる。

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Afghan Links


アフガニスタンに関係するサイトは、調べ尽くしたわけではないが、200から300あると思われる。 そのほとんどは、下に掲載したサイトをたどっていくと発見できるでしょう。現在、内戦中の国であるので、様々な民族、宗派、信条、政治的理念などに分かれてネット上でも壮絶な戦闘が展開されている。凄惨な写真がばらまかれ、個人的誹謗中傷とドグマティックな政治的プロパガンダに満ちている。その中からバランスよく情報を摂取するのは簡単なことではないので、そのようなサイトはここには載せないことにした。興味のある人は簡単に発見できるでしょうし。

入門

Watan Afghanistan(http://www.afghanan.net)
アフガニスタンの歴史、文化、政治、経済、言語などすべての領域に渡って情報が満載の巨大なサイト。まず、アフガニスタンとはどんな国であるのかを知りたい人にとっては、非常に役立つ。

Afghanistan Online(http://www.afghan-web.com/)
このサイトも上記のサイト同様アフガニスタンに関するあらゆる分野を網羅している便利なサイト。ニュースのアップデートは役に立つ。

研究

Center for Afghanistan Studies, University of Nebraska at Omaha
(http://www.unomaha.edu/~world/cas/cas.html)
ネブラスカ大学はアフガニスタン研究センターがある珍しい大学。アフガニスタン研究を目指す人にはよいイントロダクションになる。ちなみに、アフガニスタンで実施されている多くの教育プロジェクトがネブラスカ大学が作成した教科書を使っている。

INCORE guide to Internet sources on conflict in Afghanistan
(http://www.incore.ulst.ac.uk/cds/countries/afghan.html)
これは国連大学とウルスター大学の共同研究プロジェクトのサイト。この共同研究は世界中のあらゆる紛争を対象にしており、その一つとしてアフガニスタンも扱われている。

援助

Assistance Afghanistan Site(http://www.pcpafg.org/)
アフガニスタンに関わっている国連機関の共同サイト。現地レベルで作っているので援助の内容については詳しいが、アップデートが日々の仕事におわれて追いつかないのが現状。

タリバン・イスラム

Official web site of Islamic Emirate of Afghanistan(http://www.afghan-ie.com/)
これがタリバンの公式サイト。他にも紛らわしいのがあり時々まちがって他のサイトがタリバンサイトとして掲載されているので、ここにあえて載せた。ちなみに、taleban.comというサイトはニューヨーク事務所にいるタリバンの一人が個人的に作ったもので、今は休止状態。

Dha'rb-i-M'umin(http://www.dharb-i-mumin.com/english/index.html)
アフガニスタン、タリバン、イスラム、ムスリム世界に関する唯一の本物のサイトと主張している。何が本物かわからないが、確かに勉強にはなる。

音楽・その他

afghan mp3(http://hem.fyristorg.com/afghanmp3/)
このサイトでアフガンミュージックを聴くことができる。

Find all web site about Afghanistan(http://www.aboutafghanistan.com/)
アフガニスタンに関するすべてのサイトを集めていると豪語しているサイト。

 

 

カブール・ノート
 


No.1 アメリカの一撃

国連には何も用意ができていなかったが、誰もが何かが起こることを確信していた。そして翌日、アメリカのミサイルが撃ち込まれた。アフガニスタンに残った同僚は、誰も直撃される場所にいなかったことが確認され、一安心していた。だが現地から入ってくる電報は、そんな後ろめたい安心を吹き飛ばすものだった・・・

No.2 戦争しか知らない子供たち

ソ連が侵攻してから20年間、戦時下にあるアフガニスタンでは、戦争しか知らない子供たちが育った。カブールの街で、恥ずかしげにモノをねだる子供たち。日本中で「戦争を知らない子供たち」と大合唱していたのは、たしか僕が、この子供たちと同じ年齢のころだった。それが大きくなって今、「戦争しか知らない子供たち」を見ている。僕と彼らとの間に、共通の言葉はありえるのだろうか?

No.3 神の戦士たち

アフガニスタン各地でいろんなタリバンに会って話をしたが、誰もが非常に礼儀正しく、質素で謙虚だ。恐ろしい戦闘集団のイメージとは違う。国連関係者がタリバンとの会談中、ティーカップを投げつけられた、ちゃぶ台をひっくり返された、という事件があるが、いったい何を言って彼らを怒らせたのだろう。真相は分からないが、アフガニスタンにくる我々よそ者の多くは、タリバンとアフガニスタンに関して恐ろしく無知である。

No.4 オサマ・ビン・ラディンという現象

「オサマ・ビン・ラディン」は一人の個人というより、アメリカが受け継いだヨーロッパの負の遺産(薄っぺらく言えば帝国主義)に抵抗する現象だ。オサマの一人や二人殺しても、次々に新しいオサマが続くだけだ。それを全部殺すつもりなら、どっちがテロリストか分からない。日本が無闇にアメリカについていき、「イスラム対西洋」の対立構造に巻き込まれるのは、何としても避けるべきだろう。

No.5 夏の総攻撃

この夏、カブールの街に動物が増えた。戦闘の激化で、北方の村を追い出された人達がカブールへ逃げてきたのだ。旧ソ連大使館跡で避難生活を送る彼らを援助しているのがタリバンの兵士達である。物資だけでなく、住居も不足する中で、今年の冬は彼らにとって一段と厳しいものになるだろう。そんなことを思いながら、僕はブラック・ジョークのように快適なランドクルーザーに乗ってカブールの街を見て回る。

No.6 アフガニスタンの女たち

女性の人権問題をめぐる議論が不毛なものとなりがちなのは、文化的・社会的な背景をよそに、いわゆる欧米的な価値観でそれが語られるためだ。アフガニスタンの女性に関する人権侵害問題を国連が調査した際に、当の女性たちから猛反発を受けたというエピソードがそのことを何よりも物語っている。誇り高きアフガン女性たちはなぜ反発したのだろうか。そして、彼女たちが直面する真の人権侵害とは何なのだろうか。

No.7 カブール・日曜・午後4時の電話

世界との繋がりをなんとか求めようとする彼女の中に、僕は暗い書庫の中から世界を覗こうとしていたかつての自分を見ていた。僕は急速に親近感を増加させていた・・・僕はなかなか電話を終えることができなかった。僕は今電話線一本でだが、確実に内と外が繋がっていると感じていた。そして、その感覚は彼女も共有していたのだろうと思う・・・最後に彼女はゆっくり I hope to see you と言った・・・。

No.8 ネイビーブルー・チルドレン

キャンプといっても、かろうじてテントがあるだけで暖房施設がない。夜はマイナス25度にまで下がる。1月29日から31日の三日間だけで150人が死んだ、という報告があった。そのほとんどは子供であった。毎日、死者の数は増加し続けている。今、500人を超えている。これが日本で読まれる頃にはもっと増えているだろう。凍える寒さの中で親は子供を寝かしつける。明日の朝、目を覚ますことを祈りながら。耐えられない話だ。

 

 


カブール・ノートは、The i-N Gazetteで不定期ですが連載中です。無料配信登録はこちらです。

タリバンの戦士たち

タリバンといえば、黒いターバンと厳格な規律がトレードマークであったが、支配地域の拡大にしたがって、様々な勢力が合体したため、現在、このような典型的なタリバンを見る機会は少ない。マスコミをにぎわすタリバンと呼ばれている集団の中で本来のタリバンは少数である。

An Unexpected Light : Travels in Afghanistan by Jason Elliot

Retail Price: $30.00
Amazon Price: $24.00

『カブール・ノート』No.8「ネイビーブルー・チルドレン」で紹介した本。2000年5月に「国際ニュース解説」の田中宇さんがカブールに来た時、この本を一冊買っていった。その時、筆者はこの本をまだ読んでいなかったので勧めたわけではない。田中さんは、その後この本を読んだのだろうか。この冬、カブールの宿舎で筆者はこれを読んだ。著者のアフガニスタンという国と人に対する思い入れが筆者にはよく分かる。そして、これが一つの喪失の物語として書かれているのだということが痛い思いとして筆者には残った。

 

 

フラッシュバック
 


No.1 ・・・・・

僕は今、何を見ているのだろうか。極めてねじれた政治空間の一つ、あるいは極めて悲惨な戦場の一つではあるだろう。で、リアリティはここにあった、と言いたいのだろうか。そんな気はさらさらない。そうではなかったからだ。 書庫を出て、日本を出て、僕は今、何を見ているのか、それだけを書こうと思う。

No.2 分断された音の記憶

僕は頭の芯が歪んでしまったような感触に耐えつつ、静かなカブールの街を歩きながら、自分とはあまりに遠く離れてしまったある同級生のことを思い出す。確実にエリートの道を歩みながら、どこかで「宗教」にのめりこみ、テロと呼ばれる行為を行 い、結局本人も殺されてしまった。戦争しか知らない子供たちが「平和」を了解できないように、彼には現実が了解できなかったのではないだろうか。

No.3 超国籍者の誘惑

外国に住む「僕」の中に、あるいは他の日本人の中に、このような超国籍者であろう とするモーメンタムを僕は見てきた。「Japan」と「日本」の間の距離がもはや埋め ようもないほど大きく、かつねじれているということ、たとえその距離を埋めようと しても、そもそも「日本」が何であるかを説明する言葉も知識も持っていないこと、 この二つの条件が超国籍者の誘惑を形成する。

No.4 観察と力

「アフガン人は妻を購入する。値段は新郎の状況により、色々である・・・」

・・・これは、はて?と思わないだろうか。
日本人なら結納をすぐに思い浮かべるだろう。だから、「妻を購入する」と実際の慣習との微妙な違いはすぐに想像がつく。結納を渡したからといって、「めでたく妻を買いました」と挨拶する男は日本にはいないだろうと思う。

 

 


カブール・ノート執筆時のフラッシュ・バックを書きとめたものです。

イスラム・コラム
 


No.1 静かなクーデター (031F)

携帯電話が突然通じなくなった、と思ったら、クーデター。待ってたわけではないけど、「とうとう」というか、「やっと」というか、あまり感慨がない。 街は軍が制圧してるらしいが、まったく抵抗がないのだろう。とても静かだ。

No.2 非常事態な日常 (032F) 

地元の新聞を読むのが楽しい。クーデター以来、犯罪率が激減したという記事があった。汚職がバサバサと摘発される。悪代官のように振舞ってきた官僚がつぎつぎにクビになる。一般のパキスタン国民は胸のすく思いだろう。各政党は揃ってムシャラフに大きな期待をかけている。「デモクラシーの一刻も早い復帰を」とか、「憲法の回復の早期実現を」とか、各国の声明を見ていると、マニュアル通りにしか喋らないファーストフードレストランのお姉さんを思い出す。いったい、どのデモクラシー、どの憲法に復帰しろといいたいのだろう?   

No.3 欧米では不満の声があがっている (033F)

一般の通行人にインタビューしたのか、学者が言ったのか、政府の公式発言 なのか。言うまでもなく、そんなことを追求してもしょうがないのだ。 これは日本人なら馴染み深い、レトリックの一つなのだから。

No.4 二つのデッドライン (035F)

ともかく、パキスタンではとんでもない額の借金がいったんは踏み倒されたってことなんですが、これをムシャラフ政権は今、懸命に調べていて、全部 取り返そうとしているわけです。取り返すんですよ、取り返す。やばい銀行に公的資金を注入して救うんじゃなくて。分かりやすいなあ、と僕は思った。

No.5 共同体との対決 (035F)

Accountability の実現は、先進国でいうほどシンプルな問題ではない。それは、共同体メンタリティとの正面からの対決でもあるのだ。そこに注目すれば、ムシャラフのやろうとしていることに、近代革命(!)としての側面があることに気づくだろう。パキスタンは今やっとこさ、自分達で共同体と対決するという地点に達したと言える。

臨時号 イスラマバードで同時複数テロ。国連ナン バー車、爆発炎上 (035E)

11月12日、反米・反国連と思われるテロがパキスタンの首都イスラマバード市内で起きた。現場を目撃した僕は、仕事を早めに切り上げ、家に帰ることにする。だが、国連職員が乗る車は、どれも白。ところが、これが思いっきり目立つのだ……。今回の事件を見て思うのは、イスラム世界と国際社会の間のコミュニケーションが決定的に欠けているかぎり、いろいろな事件が今後も起き続けるに違いないということだ。日本の人はウソだと思うだろうが、僕が見る限り、コミュニケーションを拒絶しているのは国際社会の方なのだが。

No.6 No Win Situation (036F)

オサマ・ビン・ラディンをめぐってのアメリカ(そして国連)のタリバンに対する一連の対応、なかでも国連制裁とそれに対する抗議デモ、国連事務所の襲撃、そしてそれと関連するかもしれないイスラマバードでのテロ、この状況をBBCは、No Win Situation と表現していた。で、深い分析が続くのかと思ったが、看板倒れで中身はほとんどなかった。しかし、この看板だけ使わせても らおう。

No.7 クーデターを起こしたのは誰か? (037F)

最近、ナワズ・シャリフ前首相の裁判が始まり、そこでの証言を読むことができるようになった。また、パキスタンのジャーナリスト達も記者魂を発揮し、10月12日ムシャラフと同じフライトに乗り合わせた乗客の話 などを取材して、だんだんと輪郭がはっきりしてきた。そして、ムシャラフ自身も11月3日になって、初めて自分で機中での状況を記者達に話した。これらを 総合して、10月12日、いったい何が起こったのかを再構成してみると以下のようになった。

No.8 パラダイス・ロスト (039F)

数ヶ月ぶりに飲んだビールがすぐにまわってきた。広場にいくつか作られた野外ステージでタイの若者が何か歌っている。ありふれた風景にありふれた音楽が流れ、その中でありふれた若者達が酒を飲みエビを食べ喋くりまくっている。この一瞬の価値の大きさを考えると気が遠くなりそうだ。  

No.9 イラクからの手紙 (043F)

新大阪から乗ったタクシーの中で、僕はバグダッドに駐在する国連職員の友人が送ってきた手紙の文面を思い出していた。イラクでは子供たちが栄養失調で毎月6000人死んでいるという。タクシーの窓から平和そのもののビル群を見ながら、僕はバクダッドの街並みを想像しようとした。確かに、それは冗談なんかじゃないのだ。

 

 


イスラム・コラムは村上龍編集のJapanMailMediaに短期間連載されたコラムです。バックナンバーはJMMのホームページでも見ることができます。

カブール・ノートMSN版

 


No.1 アメリカの一撃    

No.2 戦争しか知らない子供たち  

No.3 神の戦士たち    

No.4 オサマ・ビン・ラディンという現象  

「非常事態な日常」 - イスラム世界から見たパキスタン・クーデター (イスラム・コラム No.2)

No.5 夏の総攻撃    

イスラマバード緊急報告:テロは起こるべくして起きた    

「パラダイス・ロスト」 - バンコクにて (イスラム・コラム No.8)  

イラクからの手紙 (イスラム・コラム No.9) 

No.6 アフガニスタンの女たち  

No.7 カブール・日曜、午後4時の電話

 

 


カブール・ノートMSN版とは、MSNニュース&ジャーナルに掲載されたものです。MSNによって若干編集されています。ご関心のある方はチェックしてみてください。各タイトルをクリックするとMSN版にジャンプします。

MSNニュース&ジャーナルには、JapanMailMediaに連載されていた、同じ筆者による「イスラム・コラム」も「カブール・ノート番外編」として時々掲載されています。
クエッタ・ニュース
 

01 クエッタ・ニュース (19 Feb.1993)

02 青い空・砂色の街、クエッタ (26 Feb.1993)

03 SERENA HOTEL (26 Feb.1993)

04 絶体絶命的便所 (26 Feb.1993)

05 パキスタンの洗礼 (11 March.1993)

06 官僚主義(1) (11 March.1993)

07 女性の保護 (20 March 1993)

08 我がハザラ族・我がキッコ−マン (16 April 1993)

09 推論 (16 April 1993)

10 千夜一夜なんやかんや物語 (16 April 1993)

11 愛と怨嗟のフュ−ダリズム (28 May 1993)

12 大陸の人たち (28 May 1993)

13 * Requiem * (31 May 1993)

14 混沌の隙間に秩序がある (31 May 1993)

15 聴け!これが文明開化の音だ! (30 June 1993)

16 世界を股にかけるキャリア・ウ−マン (30 June 1993)

17 −手紙− (2 July 1993)

18 モハマザイとマンガルカンは僕のチョ−キダ−ルだ (August 1993)

19 『ワッタ−サッタ−』 (August 1993)

20 人材不足 (12 September 1993)

21 § 書評欄 § (12 September 1993)

22 カタム・ホーギャと泣かるる冬の虫 (26 November 1993)

23 世界の内側 (13 December 1993)

付録 クエッタの夕日 (jpg 17.8 Kb)


筆者の最初の第三世界体験が綴られています。まるだしの気負いと失望。

当時はe-mailというものが普及していなかったので、ワープロで打ったものを印刷し、それをコピーして家族と数人の友人に郵送していた。

当時、同じリーガル・セクションにいた同僚はもう一人もUNHCRに残っていない。カムーズは翌年アフリカに(どの国か忘れてしまった)転勤した直後、全身の皮膚から出血が始まり、原因は不明のまま、あっという間に亡くなった。その頃、エボラ熱を知っていたら、きっとエボラ熱ではないかと騒いだだろうが、今となっては何も分からない。信じられない出来事だった。

カールはクエッタ・ニュースの翌年スーダンに転勤になったが、その任務の後、辞めてスウェーデンに帰った。今、何しているのか分からないけど、いつかえらい人になって国際社会で活躍するような気がする。

ラモンは、やはりクエッタ・ニュースの翌年、UNHCRのあるポリシーに対する異議を書面にして提出し、同時に辞表を出してグアテマラに帰ってしまった。組織の方針と違ってもリポートには自分の信じることを書くべきだ、いつかそれが君の役に立つ、と彼は僕に言い残していった。筋の通った男であった。

僕は95年、任期を終えて一年近く定職につかず気ままな生活を送ったが、また同じ業界に戻ってしまった。

   


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