2008年01月06日
ジレンマ
はどこにでもあるから、タイトルでもつい使ってしまうが、大学の教員のもつ最大のジレンマは「教育と研究」だろう。 ここまで3つの大学を経験したが、一番最初は「研究第一主義」だったので、ジレンマはなかったし、学生の期間がほとんどで助手になっても「教育」なんて考えなくてもよかった。
2番目の大学も居心地がよかった。 じつは赴任当時は、大学紛争の名残りというか、電気系の「革命」そのものに遭遇した。 若手がイニシアティブをとれる状態になってたので、当然、「研究中心の大学」への改革へ邁進した。 ただ、最後の10年ほどは「教育」へのプレッシャーも強くなってきた。 まぁ、学生さんの変化に対処しないといけない、という認識はあった。
現在の3番目の大学は、こういう外部状況にもっとも敏感である。 「教育vs研究」は1対2で行く、という首脳陣の方針が昨年提示された。 つまり、研究の比率は 1/3 なのである。 まぁ、研究は0でないからいいのであるが、研究心が旺盛な若手はチャンスがあれば、研究比率の高い大学へ移るのは目に見えてる。 それはそれでいい、という方針もやむを得ないだろう。
問題は、「研究はゼロ」という教員も居るのである。 それもトータル評価がよければ構わないのであるが、「明日は研究日なので家に居ます」と堂々と云われると、「ムムゥ」である。 土曜日も勤務、ということへの対抗(?)かも知れないが、これはおかしな話である。
前大学の独法化の際、教員に裁量労働制を導入した。 この選択を個人に任せたところ、若干名は事務官なみの勤務を選択した。 現大学には、こういう選択を個人に任せるほどの余裕のないのも現実であるが、採用の際の条件で明示するほうがスッキリするような気がする。
投稿者 tadashi : 2008年01月06日 03:28