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2011年04月14日
福島県のこと
福島県は、「原発を押しつけられたばかりに」と嘆いているだろう。 今でこそ先端企業も進出した東北地方であるが、1960年代はまだ過疎地が多かった。 福島県は、東西に3つの地域(浜通り、中通り、合津)に分けられる。 合津地方は白虎隊で知られる昔からの城下町だし、中通りには郡山、福島など主な都市がある。 東北新幹線も中通りを通っている。
これに比べ、東の「浜通り」は、一番南の茨城県との県境に、小名浜、平などまとまった町が5つあり、これがのちに合併して「いわき市」になった。 いわき市を除けば、浜通りは海ばかりで寒村が多かった。 ここに東電が目をつけたのである。 もちろん、漁業補償やらなにやら、それなりのお土産をつけたので、福島県も原発を受け入れた。 今回の事故さえなければ、雇用創出にもなってたし、双方それなりの関係が出来上がっていた。
しかし、今回はその関係を壊す事態になってしまった。 終息にはまだ時間がかかるが、東電と国はこれ以上の悪化を防ぎ、残りの原発を現状維持で保ちたいはず。 それは首都圏の電力の維持にもつながる。 都民は、福島に同情はしても、電力は欲しいのである。 節電はしても、ディズニーランドは再開して欲しいし、東京ドームで試合をして欲しいのである。
今回のような事故を想定した協定は、つくられていないだろう。 40年まえの原発設置時の補償金の有効期限は、切れていると見るのが妥当。 福島県は、東電や国からの話のまえに、「それなりの要求」を早く出すべきだろう。
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Oさんからコメントをいただいています。
投稿者 tadashi : 2011年04月14日 06:37
コメント
岩波書店のサイトで興味深い原発関連の記事がPDFで無料公開されています。 特に石橋克彦氏の「原発震災」(1997年)では今まさに福島原発で発生している原発崩壊プロセスを見てきたように予見しています。
東電は想定外の規模の地震と津波と言っていますが10年以上前から想定できたが対処していなかったと言えそうです。
石橋克彦著「原発震災」
http://www.iwanami.co.jp/kagaku/K_Ishibashi_Kagaku199710.pdf
岩波書店、無料公開文献のページ
http://www.iwanami.co.jp/company/index_i.html
投稿者 Ozaki : 2011年04月16日 09:29