アニメ@新ビックリマン最終回


前回までのあらすじ。


次界で平和に暮していたお守り「ピア・マルコ」は次界に危機が迫っていること知り、
天使ベリーオズ悪魔ディオコッキーそして謎の妖精の少女プッチーとともに
移動マシン「ワープスライダーP(通称ワッピー)」に乗り込み、
いかなる危機をも救うという伝説の「聖宝石(セント・ジュエル)」を求め、旅に出る。

聖宝石があると言われる12のエリアを旅し、それぞれのエリアで経験を積んだマルコは
10人の次代たちの力を借り
て増力し、P・M・F・G(ピア・マルコ・フル・ジャイケット)となる。
そして『憎しみの心』に立ち向かうには、
怒りや憎しみでは無く「優しさ」こそが人の心を救う唯一の力なのだと気付くのであった。

かくて、大洪水を放った漫聖羅の女王「異聖メディア」と和解し次界を救ったマルコらではあったが、
休む間もなく謎のヘッド、
『源層大魔性ブラック祖 ダークマター』の陰謀により
『ともだち』である
『サイキュロス』を連れ去られてしまうのだった。

ダークマターにそそのかされ、祖先である
魔性ネロのルーツ因子により、ドラキュロスへと増力するサイキュロス。
さらにドラキュロスは砂漠化した国を救うべく、新たな王を求めていたエズフィトの王妃によって、エズフィトへと連れ去られた。

そこで新たな強大魔性パワーを手に入れ、強大ヘッド
『内裏ネイロス』となったドラキュロスは、
自ら”太陽王”を名乗り、「次界の太陽」であるサンマルコを滅ぼさんと次界へと侵攻を開始したのであった。

しかし、全ての世界を支配しようをしているダークマターにとっては手塩にかけて育てたドラキュロスが
自分の手を離れ、勝手に成長し、あげくに王を名乗っているのが気に入らなかった。

ダークマター「ドラキュロス…!ワシの恩も忘れ勝手にエズフィトの王にはなるとは不届きな奴!」

内裏ネイロス「フン。ほざけ!」


かくして次界VSエズフィトVSダークマターの三つ巴の戦いとなる。

その最中、荒れ果てた世界を唯一変革できる力を秘めた聖なる場所
「聖核点(セント・コア・ポイント)」の存在が明らかになる。
その力があれば、平和な世界も、闇の世界も、自分の思うがままの世界を創る事が出来るのである。
もちろん、自分の居る国だけを残して他の国を消滅させる事も・・・。

なんとしてでもその力を手に入れるべく、活動を開始する各国。
もし自分達以外の国がそれを手に入れたら、その瞬間に自分たちは消滅させられてしまうかもしれないからだ。

ダークマターに対抗すべくさらにパワーアップし、
『サンマルコ』となっていたマルコも、
次界を移動させるべく選ばれた王(サンマルコ)しか入れない「時の綱」の部屋で綱を引き、次界を動かすのであった。
しかし、友人であるエズフィトのクレオクフに取り付いたダークマターにより、不意をつかれ、記憶を奪われてしまう。
ダークマターは、以前サンマルコにやられて以来、虎視耽々と復讐の機会を伺っていたのだ。

この重大な局面で全ての記憶を奪われたマルコ。いったい次界はどうなってしまうのか???


最終話「新河系よ永遠に」

ダークマターの力によって記憶を奪われてしまったサン・マルコは次界の地上でただ茫然自失と突っ立ち
プッチーの呼びかけにも『君は誰?』と言ってしまうありさまだった…。

それどころか、サン・マルコが時の綱を引っ張らなくなったために次界の移動も止まってしまったのだ。
このままでは他の国に聖コアポイントの力が奪われてしまう。

さらに追い討ちをかける様に過去の聖魔大戦で敗北し、氷漬けになっていた天魔界も
スーパーデビル&ブラックゼウスの指揮の下に復活し、
悪魔帝国を創世させるべく、この戦いへと参戦してくるのだった。

スーパーデビル「我が勇敢なる天魔界の悪魔たちよ!今こそ永き眠りから目覚めるのだ!我等の新しいヘッドを紹介しよう!その名もブラックゼウスさま!」

ブラックゼウス「力こそ・・・パァァゥワァーッ!!!」

悪魔たち『ウオォォォォーーー!!』

次界へと侵攻してくるエズフィト・天魔界・源層大魔テーションの三国。
なのに依然として頼りのサンマルコの記憶は失われたままである。

マルコに関わる者達が、なんとかしてサンマルコの記憶をよみがえらせようと努力する。
ビーナシスがキスによる(一方的な)愛のパワーで。ベイギャルズたちがタコ殴りによるショック療法で。
ヤマトウォーリアがサンマルコの大好物のまんじゅうで、記憶を戻そうとするが…。

マルコ「みんな…何をやっているんだ…?」

効果はなかった。

そんな騒ぎを背に、ベリーオズは一人ひそかに時の綱がある場所へと向う。
サンマルコの代わりに時の綱を引き、次界を救うために。そして愛するものを、友を守るために。

だが、時の部屋は次王帝であるマルコ以外は決してその内部に受け付けようとはしない。
飛びこむたびにバリアーに塞がれ、弾き飛ばされるも、すぐさま態勢を立て直し、猛然と突っ込むオズ。

「開け!」と叫ぶオズの怒号に、バリヤーは無慈悲にも爆発によって答える。
次界の最重要装置である「時の部屋」には選ばれたもの…サンマルコしか入れない。
そしてそれを力づくで強引に立ち入ろうとするものには、鏡の反射のように、同じだけの威力の爆発が与えられるのだ。
次界の移動機能が悪用されないように作られた機能だったが、今の状況では逆に仇になってしまっていた。

セレンス「ここにはマルコしか入れないだわさ!アンタじゃ無理だわさ!オズ!」

度重なる爆発。そして蓄積される傷とダメージ。
それでもなおオズは剣を構え、一心不乱にバイヤーをめがけて突き進む……。

そのころ、コッキーは新界王たちが次界にこの危機を乗り越えさせる為に、
ひそかに運んできた聖宝石を手に入れるために、隠された場所へと向っていた。

しかし、そこに天魔界ごと次界空域へとワープして来た
スーパーデビルが現れた。

スーパーデビル「ご苦労だったねェ、コッキー。私達の為に聖ジュエルを集めてくれて。」

コッキー「アア!? オマエラのためだぁ!?ねぼけんな!」


睨み合うコッキーとスーパーデビル。

スーパーデビル「どうだコッキー?大人しくその聖宝石を渡せばお前を天魔界のヘッドにしてやってもいいぞ。」

コッキー「…へっ!冗談いうないオッサン!こいつはみんなのお宝なんだ!」

悪魔の誘惑を、ためらいなく断るコッキー。

スーパーデビル「ほう…。悪魔の子孫のオマエが、ずいぶんと良い子ちゃんになったじゃあないか」

たしかに悪魔帝国のヘッドになること、それはコッキーの夢だった。
しかしそれはかつてのコッキーの夢だった。
マルコやオズ、プッチーやベイギャルズと共に旅をした中で、コッキーは大きく変わっていた。
自分だけではなく、仲間を思う心を彼は手に入れていたのだ。

コッキーはスーパーデビルの誘いをはねのけ、聖宝石を守るため、戦いを挑む。
しかし死角から現れたブラックゼウスの強烈な破壊光線を浴び、コッキーは大地に倒れるのであった。

デビル「クックック…馬鹿め。逆らったりするからだ。それじゃあセントジュエルはいただくよ〜ん…ぐわっ!?」

しかし聖宝石に手を伸ばしたスーパーデビルに、音速を超え突撃してきたボルカンヌのギャル5ビターが激突する。

ボルカンヌ「コッキー…、どうして…こんな…?」

スーパーデビル「お馬鹿さんだからさ。」

ボルカンヌ「なにぃっ!!」

ボロボロのコッキーを見て驚くボルカンヌを、小馬鹿にした口調で笑うスーパーデビル。

スーパーデビル「さあ!おまえもお馬鹿さんの真似なんかしないでさっさとその聖ジュエルを…ぎゃひぎゃひぎゃひっ!?」

今度は3台のギャル5ビターがたてつづけにスーパーデビルに激突する。
訳の解らない吹っ飛び方をするスーパーデビル。

それに乗って登場したのは、セレンスをのぞくベイギャルズの三人だった。

ミネルンバ「ベイギャルズ! 参上でございますっ!」

メルクリン「おまたせしたじゃんっ!」

ベスタニア「でちゅぴ〜!!!」

そして空よりもう一人。

「私が来たからには…聖宝石には指一本触れさせはしない!!」

次界警備隊隊長のヤマトウォーリアがついに出撃する。
そしてそのヤマトウォーリアに鋭い眼光を送りながらブラックゼウスが指を鳴らした。

「ほーう…、面白い事を言うな。小僧。」

にらみ合う二人。

「私の剣にかけて」

ヤマトウォーリアが両手を大きく広げると、その体を鎧が覆う。
そして爆装形態となったウォーリアはBZHに対して静かに剣を構える。

「聖宝石は守ってみせる!」

次界を守る壁。『万里の城壁』を舞台に、聖魔の最後の決戦が始まる。

一方その頃、内裏ネイロスの国、太陽の王国”エズフィト”もダークマターの魔性暗黒パワーによって、崩壊しつつあった。
住民たちの大半が記憶を失い、城は崩れ、緑の大地も枯れ始めていた。
さらには、女王である内裏クレオクス妃までもが、記憶を失わされていたのであった。
大魔力を持つダークマターは、ネイロスを戦いながらでも同時に複数の場所で魔力を発揮する事が出来るのだ。

魔子クレオクフ「姉上っ! ご無事ですか! 姉上ーーーーーーーーーー!!!!」

姉の名を叫びながら崩れ落ちる城の中を走る魔子クレオクフ。
エズフィトはもう滅びる。しかし、姉さえ生きていれば、王国は何度でも蘇らせることが出来る。
いや、王国など本当はどうでもよかったのだ。姉さえいれば、彼はそれで良かったのだ。
懸命な捜索の後、クレオクフはついに姉の姿を発見した。
うずくまってはいるが、怪我などはしていないようだった。落下する天井を避けながら彼はその傍に駆け寄った。

魔子クレオクフ「姉上!よかった、ご無事で!」

駆け寄ったクレオクフを、クレオクスは虚ろな目で見つめ返した。

内裏クレオクス妃「…そ・な・た・は・だ・れ・じゃ…? …わ・ら・わ・は・いっ・た・い・だ・れ・じゃ……???」

魔子クレオクフ「姉…上…!? 姉上ーーーーーーっっ!!!」

すべての記憶を失い、弟の、自分の顔すら解らなくなった姉の姿を見た魔子クレオクスはある決心を固めた。


一方、次界での戦いにも、最終局面が訪れようとしていたとしていた。

ブラックゼウス「ふはははっ! でりゃあ!」

ヤマトウォーリア「ぐわぁっ!」

B・Z・Hの強烈な攻撃がヤマトウォーリアの強固なヨロイを、まるで紙でも裂くかのように破壊していく。
ウォーリアの剣を赤子の手を捻るようにあしらうと、無防備になった肉体にするどい拳がめり込む。
体勢が崩れたウォ−リアのアゴを、BZHのキックが跳ね上げる。
すでに戦いは一方的になりつつあった。

ベイギャルズ「きゃあーーーっ!」

片方では、ミネルンバ・メルクリン・ベスタニャの3人が、増力したスーパーデビルの魔力の奔流を受けて
地上に叩き落される。

ボルカンヌ「お前達!」

スーパーデビル「わはははっ! 悪魔ヘッドのチカラ!あまく見るでない!」

ヤマトウォーリア、そしてベイギャルズの4人も懸命に立ち向かうが、
ブラック・ゼウス・ヘッドの強大なパワーの前には歯が立たなかったのであった。

明らかな力の差を知り、ボロボロになった仲間たちの姿を見ていられなくなったボルカンヌは叫ぶ。

ボルカンヌ「もう…いいだろ!! 俺たちの負けだ! 聖宝石でもなんでも持っていけよ!!」

うつむき、悔し涙を流すボルカンヌ。

コッキー「…いけねえ… いけねえよ、ボルカンヌ。そいつは、そいつはみんなのお宝なんだ…!」

なんと、瀕死の重傷で気絶していたはずのコッキーが、ボルカンヌを励ましたのだ!

ボルカンヌ「コッキー!?」

ブラックゼウス「フッ。まだ一匹残っていたか。」

コッキーに気を取られたボルカンヌに向かって必殺光線「虹光線(レインボービームウエーブ)」を放つブラックゼウス。
BZHは、聖宝石を素直に渡そうが渡すまいが、全員殺すつもりだったのだ。

迫る七色の光。

ボルカンヌ「あ…っ」ボルカンヌは動けなかった。
いま自分が動けば、後ろに倒れているコッキーに攻撃が当たってしまう事が解っていたからだ。

ボルカンヌは死を、覚悟した。

その時−


倒れていたはずのコッキーが最後のちからを振り絞ってボルカンヌの前に飛び出したのだ。
そう、ボルカンヌをかばうように。

ボルカンヌ「コッキー・・・!?」

コッキー「へ、へへ…」

爆発に消えるコッキー。


ボルカンヌ「コッキー…、コッキーーッ!!!!」

さらにその頃、ネイロスとの激戦を繰り広げていたダークマターは、エズフィトが移動しはじめた事を感知した。

しかし次界がサンマルコしか動かせないように、エズフィトを動かすには内裏ネイロスの力が必要なのだ。
内裏ネイロスがここにいる以上、エズフィトは動くはずが無い。しかし現にエズフィトは動いている。

ダークマター「いったいダレがエズフィトを動かしている!?」

エズフィトの駆動室、そこには戒めの電撃に身を焼かれながら、
命をかけてエズフィトを動かしているクレオクフの姿が有った。
正当な支配者以外が動かそうとすればその者を滅ぼそうとする駆動室の安全システムを、
クレオクフは王族の強大な魔力によって無理やり動かしていたのだ!

魔子クレオクス「急げ!急げ、エズフィトよ!唯一の、”太陽の王国”となるために!!」

彼は絶望していた。次界との和解、そして共存を願ってきた彼が
記憶を失い、行動不能になったマルコを、そして次界を見捨て、自分の国を守ることしか出来ぬ事に。

しかしダークマターの魔力は強大であり、内裏ネイロスといえどもそうそう容易く倒せはしないだろう。
その間に他の国に聖コアポイントを奪われては、ダークマターを倒しても何の意味も無いのである。
ゆえにダークマターが内裏ネイロスとの戦いに気を取られている今こそが、彼にとって最大にして唯一のチャンスなのである。

「ゆるせサンマルコ! だがもう…麿にはこうするしかないでおじゃる!!」

懺悔の涙を振り払い、クレオクフはエズフィトを加速させた。

そして次界の地下で『時の扉』のバリヤーの前でオズもエズフィトの再起動を知るのであった。


ベリーオズ「もう時間が無い…」


オズは考えていた。どうすればバリヤーを突破できるのかを。
そして自分が無意識のうちに、爆発から自分の命を守ろうとしていることに気がついた。
そしてその事が、無意識のうちに全力を出すことを躊躇わせているのだと言う事に。

(私は…死を恐れているのか?…死を恐れる?バカな、何を恐れることがあろう。
 たとえこの身が砕け散ろうとも、次界が救われるそれで十分のはず。
 身を守ろうとするから、全力を出しきれないのだ。ならば…)

オズは覚悟を決めた。

ベリーオズ「わが祖先より伝わりし力よ、いまこそ我に力を!!」


傷ついた体から、古の祖先「一角キング」のパワーを引き出し、
オズ・ジャイケットと化すオズ。
ただでさえ爆発のダメージで理力の消耗が激しいにも関わらず、オズはもてる理力の全てを
攻撃にまわす為に、鎧で武装したのだ。そしてそれは防御を考えないと言う事でもあった。


オズを追ってきたセレンスがそれを察して引きとめる。



セレンス『これ以上無茶したら死ぬだわさ!!オズ!!』


セレンスの声をあえて無視したオズは静かに剣を構えると、
その先端に最後に残った理力をすべてこめた。


「次界の未来へとつづく扉よ…」

目を閉じ、祈るようにつぶやくオズ。



「開けッ、扉よ! ハァアアアッ!!!」



次の瞬間、オズは裂ぱくの気合とともに、光の矢と化すとバリヤーに向かって突撃した。

剣の先端に全ての理力を集め、一点突破により扉を破ろうとするオズ。
それをうけたバリヤーが、反発エネルギーを引き起こし、周囲にすさまじい放電現象を巻き散らし、オズの体を駆け巡る。
身を焼く電撃!だが、オズの心に燃える炎はそれよりもなお熱かった!!

ベリーオズ「開け・・・っ!」


オズのマスクが放電に耐え切れず吹き飛ぶ。


ベリーオズ「開けっっっ!!」




剣の先端でさらに雷撃が唸りを上げる!!



ベリーオズ「ひらっっっ…!」




オズは最後まで言う事が出来なかった。放電現象が限界に達した瞬間、これまでにない大爆発がオズを襲ったからだ。
爆発の勢いで強烈に壁に叩き付けられるオズ。

壁に体がめり込み、鎧が粉々に砕け、骨が軋んだ。
全ての力を込めた攻撃が全て自分に撥ね返されたのだ。
生きている方が不思議だった。

セレンス「オズ!!!!!!」


セレンスは壁から剥がれ落ちたオズにかけよった。

一方その頃、セントジュエル争奪戦の中、ボルカンヌたちにとどめを刺そうとするブラックゼウスの攻撃から
コッキーらを守ったのはなんと天聖界のヘッド『
スーパーゼウス』だった。
天魔界が復活した事を知ったスーパーゼウスがこのピンチに駆けつけたのだ!


スーパーゼウス『ふぉーふぉっふぉ。。。。お前のパワー、ワシにはきかんぞ…!』



睨み合うスーパーゼウスとブラックゼウス。




スーパーデビル「ば、ばかな!なぜ奴がここにィ!?」



シャーマンカーン「ひさしぶりじゃのう、スーパーデビル。」



スーパーデビル「うへえ!?シャ、
シャーマンカーン!?お前まで!」




シャーマンカーン『忘れたかスーパーデビルよ!天魔界と天聖界は表裏一体じゃ。片方が動けばもう一方も動く。お互いに離れられん運命にあるのじゃよ…。』



デビルをたしなめる様に語るカーン。
そしてその言葉を裏付けるようにカーンの背後に天聖界が出現する。



スーパーデビル「おおおおおお〜のれ!!こうなったら!」



この局面で天聖界のヘッド二人を相手にするのは分が悪いと悟ったデビルは、天魔界へ舞い戻った。
このまま無駄に時間を消費しては、エズフィトにセント・コア・ポイントを奪われてしまうからだ。


デビル「悪魔たちよ!全速力で聖コアポイントへむかうのだ!!」




カーン「最後まであがきよる…。」


ゼウスは、ボルカンヌの前にコッキーを降ろす。



ゼウス「よくやってくれた。お主等のおかげで奴等にセントジュエルをわたさずにすんだわい
。」


しかしセントジュエルは守ったものの、肝心のマルコの記憶は失われたままだった。

記憶を失い、ぼんやりしているサンマルコを無理やり時の部屋の前まで無理やり引っ張ってきたプッチーがそこで見たものは、
度重なる爆発のダメージによってボロ布のようになってころがっているオズであった。


オズ「力不足で…次界を救えぬ俺は…美しくない。」

セレンス「ううん…そんな事ないだわさ…オズ。せいいっぱい頑張ったあんたは美しいだわさ…」


セレンスの膝枕の上でオズは独白していた。

こんな状態でも「美」というものを気にするオズに、セレンスはクスリとした。
もう次界は終わりである。マルコが記憶を失い、それにそれに近い理力をもていたオズですらも
選ばれし者にはなれなかったのだ。もう移動は出来ない。あとは悪魔かエズフィトかダークマターが
聖核点の力を手に入れた瞬間に消滅するのを待つだけである。
でもやるだけやったのだ。悔いは無かった。

そんな二人の姿を見たプッチーはマルコにすがりつく。
目からは止め処もなく涙が溢れてくる。

Pオリン『どうして、どうして何も思い出さないの?貴方の力が必要なのに!!サンマルコ!サンマルコ!!』

体をゆするプッチーをただぼんやりと、不思議そうに見るサンマルコ。

プッチーの胸からカスタネットが落ちる。
地面に転がり、軽やかな音をたてるカスタネット。

はっと、カスタネットを見るプッチーとサンマルコ。

その時、プッチーがこぼした一粒の涙がカスタネットにかかる。
するとカスタネットから光が放たれ、プッチーとサンマルコを包み込んだのだ。
光の中で旅の思い出や記憶が溢れかえる。

そして−


サンマルコ「プッチー・・・? 君はプッチーだね!」
Pオリン「サンマルコ・・・、よかった!!記憶が戻ったのね!」


抱き合う二人…!!!


その間にも自分の思いどうりの世界を創るべく激しく争う天魔・エズフィト・大魔テーションの三国。



正気を取り戻したサンマルコは、次界を移動させるべく、時の間へと急ぐ。
その心の中に、デビルたちの欲望の念がこだまする。


デビル「この世は悪魔が支配する!欲望のままに生きる世界が一番いいんだよ!」

マルコ「ちがう!」

ネイロス「この世界に太陽は一つ!生き残るはエズフィト王国のみ!」

マルコ「ちがう!」

ダークマター「刻が停まり、記憶を無くす闇の世界を創ってやろう!」

マルコ「ちがう!!」

邪念を振り払うように叫ぶマルコ。

サンマルコ「本当は、本当はみんなすこしずつ大切なんだ…。そして僕らが創る新世界は!!みんなが生き残れる世界だーっ!!」

マルコが再び時の綱を引いたその瞬間!!!

その叫びに呼応するがごとく、12個の聖宝石がマルコのもとへ集結し、
その真の力でマルコをパワーアップさせる!そして聖火光の中より出現したそれは!

カーン「聖宝石がその真の意味をあらわす時が来たのじゃ!」

聖宝石を身にまとい、新たな姿へとパワーアップしたサンマルコであった!

ゼウス「おお!ついに誕生した・・・!」
カーン「あらゆる世界を救うと言われる新河系の英雄・・・”
アレキサンマルコ”!!」

アレキサンマルコ「蛇欄動剣!」

ネイロス「ぬうっ!?」

ダークマター「ぬおっ!?」

スーパーデビル「へえっ!?」

アレキサンマルコが剣を天に掲げると、そこから強力な光が迸り、天魔界、エズフィト、源層大魔テーションの動きを止める!

その間に超理力で次界は引き寄せられるように聖核ポイントへ辿り着き・・・そして!

12個の聖宝石がヘクサゴンの形に変化し、新世界となる!

天魔界も!

「怒りも、」
「憎しみも消えていく…」
「これは闇をも生かす新世界のおかげなのか…?」

エズフィトも!

内裏クレオクフ妃「おお・・・!緑の大地と水が・・・」
クレオクス「救われた・・・エズフィトは救われたでおじゃる!」
内裏ネイロス「サンマルコ、いやアレキサンマルコはエズフィトを生かしたのか・・・。」



源層大魔テーションも!

ダークマター「オオ・・!光あるところに必ず闇あり。。。我が源層大魔テーションも永遠に生き残れるというのか・・・」



こうして、次界も、天聖界も、天地球も、源層界も、そして曼聖羅も…全てが平和に暮らせる世界、『新河系』が誕生したのである!


次界。

オズ「すべての世界が調和した世界…これこそが真の美だ」

セレンスに体を支えられ、新世界を見るオズ。

コッキー「お宝だ…。これが本当のお宝なんだ。」

ボルカンヌとともに光に満ちた新河系を見やるコッキー。

 

アレキサンマルコ、みんなが笑顔の中で空に向かって剣を掲げ、


「新河系よ、永久に!」


その声に皆の声が重なり、

「新河系よ、永久に!!」


平和を喜ぶ皆の声がいつまでも、いつまでも続いていくのだった。



新河系の平和よ永遠なれ!




(新ビックリマン・終わり)