「出現! 次界創造主!!」
光と闇が美しく調和した世界、新河系。
その世界の影の部分。闇の世界の支配者であり、大いなる闇の化身、その名も源層大魔性ブラック祖…ダークマター。
彼もまた、全てが満たされた安定した世界の一員として暮しつづけていた。
しかし−
彼は感じた。源層から強大な魔力を持つ王であるが故に感知出来るこの邪悪な気配。違和感。
『それ』はゆっくりと、だが着実に近づいてきている。…彼は知っていた。古き者であるが故に。
ダークマター「この気配…まさか”アレ”が目覚めたか…? もしそうならば…いそがねばならん…たとえ世界が滅びようとも…」
そしてマターは闇に目を凝らす。暗闇から暗闇へ。黒さえもなお黒く染める暗黒の中。そして『それ』はいた。闇の塊。
闇の王たるダークマターですらも見たことのない真の闇。いや、「闇」という概念すら無く…何も無く…それは太陽すらも覆い尽くすばかりの…。
それは『虚無』
ダークマターは知っていた。虚無の正体を。その邪悪さを。
ダークマター『このままでは……。力を集めねばならぬ……』
そうしてダークマターは、強い理力や魔力を集めるべく行動を開始した。
しかし、太平の世となった今の新河系では、マターの求める程の強い力を持つものなど数得るほどしか存在しなかった。
まず一人は、太陽の王国エズフィトの王、内裏ネイロス。
もう一人は、新河系の英雄、アレキサンマルコ。
彼らの力はマター自身に十分匹敵する。
ダークマターは、彼らを吸収して自らのパワーアップを狙っていた。
しかし、それだけでは十分では無い事を知ったダークマターは
更なる力を求めた。それは失われし存在「神帝」たち。その直系であり、彼らの力を受け継ぐベイギャルズ。
ダークマターはネイロスのメッセージを受け、救出に向かったマルコたちの中からベイギャルズとヤマトJを別離することに成功する。
そしてヤマトJやベイギャルズに大きな力が目覚めつつある事を知ったダークマターは、
限界までその眠っている力を引き出させようと、ベイギャルズやヤマトJに過酷な試練を与えことにした。
それが、かつての神帝のライバル悪魔との戦闘だった。
マターの目論見は成功し、戦いの中でベイギャルズやヤマトJの力はケタちがいに増力していった。
体から溢れ出る程の純粋で強い理力…!それこそがダークマターの求めていたものであった。
ミネルンバ「砂を全部集めれば体は元に……戻るかどうかちょっとわからないでございます、ね。。。」
セレンス「ハア…ハア…甘く見るなって…いったはずだわさ…!」
ベスタニア「ありがとうでちゅぴ〜!」
メルクリン「黒い海も面白いけど…やっぱり海は青じゃん。 ね?」
ボルカンヌ「ゆるしゃしねえぞ!!ダークマター!!」
ヤマトJ「え…? 今のって…ヤマト…王子…?」
隔離したエリアの中で、ベイギャルズやヤマトJはそれぞれ成長していた。
いよいよ収穫の時…!!
ダークマターはそれぞれのエリアの闇を取り払い、ふたたび一同を同じ場所に集めた!
「こ、ここは…元の場所に戻ったでございますか!?」
「みんな無事だわさ!? ベスタニア!?ヤマトJ!?」
「はーいっ! わたしはここでちゅぴー!」
「うえ〜、服が溶けちゃってるじゃんよ〜!!」
「あ!ねえ聞いてみんな!ぼく、勝ったよ! 一人で!八魔オロチに!」
それぞれ勝手にしゃべりまくるみんなを…
ボルカンヌ「おまえら! まだ助かった訳じゃねえんだ!気を抜くんじゃねえ!」
ボルカンヌが一喝する!
ダークマター「クックック…まさかこれほどまでに強くなるとは…予想外だったぞ…!」
睨み合うベイギャルズとダークマター。
そのベイギャルズに迫る二つの影!!
「きゃあ!?なに!?なんだわさ!?」
「いだだだだっ!?」
増力した6人をも押え込むその二人は!?
ダークマター「よくやった…Sアキシオン、Sトリノ…!」
Sアキソン・Sトリノ「はっ。ダークマターさま」
ボルカンヌ「ま、まだこんな奴等が居たのか!?」
ダークマター「さあ、我が力となるがいい…! 『黒十字架』!!」
ダークマターが腕を振るうと、周囲の闇がベイギャルズの体を包み込み巨大な十字架と化す!
「うわああああああーーーっ!!!」
「抵抗するな… 苦しみが長引くだけだぞ…」
異様な音をたてて、黒十字が脈動する!
そしてそのたびにベイギャルズからすこしずつエネルギーが吸い取られていく!
「まずはこれで…… 次はマルコか、それともネイロス…か?」
マターがそう思った瞬間、突然眩しい光が源層大魔テーションにさしこみ、闇を蹴散らす!
ダークマター「ぬぅうう…! この光は…源層界の…!!」
あまりの眩しさに目を背けるマター。
そしてその中から出現したのは?
「そうはさせません! ダークマター!」
「その声は…次界創造主…!!」
そう、光とともに現われし光輝さす存在! それはかつて神帝を率いて悪魔との戦いを切り抜け次界を作り出した大天使!アンドロココだった!!
聖魔和合の功績を聖神に認められ、シヴァマリアとともに神(FuzzyMR)となり源層界に迎えられたはずだったが…?
パキンッ!!
Sトリノ「うわッ!」
Sアキシオン「ぬうっ!」
アンドロココが稲妻のようなすばやさでSトリノとSアキシオンを打ち倒し、黒十字を叩き割り、ベイギャルズを救い出す!
「あ、あれは次界の過去で見たアンドロココ様じゃねえか!?」
「でもいまは過去の世界じゃないじゃん!?」
「じゃあなんでここにいるだわさ!?」
「きっとおばけでちゅぴー!!」
「でも、やっぱりカッコイイでございます〜!」
「あれが…ラファエロココ、さま…?」
ダークマターと対峙するアンドロココ。
「ダークマター!貴方はまだこのような行いを続けているのですか! いまはそんな事をしている時では無い事を、貴方も感じているはずです!!」
「黙るがよい、大天使よ…! いまだからこそ、力が必要なのだ…!!!邪魔をするでないっっ!!!」
「あなたの思い通りにはさせません! さあ、今こそ永き眠りから目覚めなさいっ!私の神帝たちよ!」
アンドロココがそう言った瞬間、まばゆい光がロココからその場にいたもの全員に照射される!壮聖ビーム!!!!
その光を浴びたベイギャルズたちは…!
「うわああああー! 体が…弾けそうじゃんっ…!」
みな、体の奥から溢れるエネルギーが放たれるのを感じていた!
やがてベイギャルズから溢れた理力の光が人の姿をとりだす…!
「GDダンジャック! 誕生(リバース!)!」
「GD牛若! 誕生(リバース!)!」
「GDフッド! 誕生(リバース!)!」
「GD一本釣! 誕生(リバース!)!」
「GDピーター! 誕生(リバース!)!」
「さあ、ヤマトJ、いまのアナタなら出来るはずです。」
「ボク…がですか?? ……サバイブラスト剣(ソード)!!」
サバイブラスト剣から強力な理力が発せられ、その光はいつしか道へとかわる!
「この光を辿れば、いつしか『日出づルート』に辿り着くはずです。そこであなた方が為すべき事が解るはずです。さあ、お行きなさい。」
「はいっ!」
「逃がすかよォー!」
日出るルートに乗ろうとしたヤマトたちに超音速で襲いかかる魔矢!しかし超力を得ているいまのヤマトJの敵ではない!
「太陽燦燦パワー!!」
「ギャー!!」
あっさりと消滅し、闇に戻る魔矢。
「愚かなり…、次界創造主…! 追うがいい、悪鬼ルーツたちよ。余の計画…奴等に邪魔させてはならぬ…!」
ダークマターの命令に従い、日出るルートに乗ろうとする悪鬼ルーツたち。
闇に戻ってしまった魔矢と魔人フックも再生し、彼らを追う。
「…これも… あやつの計画のうちなのか……?」
一人呟き、闇に消えるダークマター。
※ロココの壮聖ビームを浴びた悪魔たちは聖洗礼を受けた状態になり、天使族の因子をもつに至った。
このことが、後のパンゲ編で天使因子と悪魔因子キャラに別れてしまう理由である。
ただし、壮聖ビーム照射の際、その場に居なかった魔矢と魔人フックには聖洗礼が起こらなかったので悪魔ルーツ同士の合体となった。
日出るルートに乗ったGDたちは、朧げな記憶のままとある場所に辿り着いた。
そこはたくさんの花が色とりどりに咲きほこる場所。現実のような、それでいて幻のような、そんな聖域(エリア)…シルエッシュ。『水仙域』(ダファド・ルーム)。
「ここは…?」
「花…こんなにたくさんの花…花園…?」
「…自分の居る場所が分らないというのは危険だ。状況確認が必要だな。」
「みんな、だいじょうぶ?」
「ああ、なにが?えーと…ヤマトJ?」
「あ、うんうん。そう。えーと…僕はGDダンジャック。のはず」
「記憶が…ハッキリしないな。 ベイギャルズの記憶は…おぼろげにしか覚えていない。」
「おまえさんたち…もしかして神帝さまたちかい?」
「だれだ!?」
「怖がる事はねーっぺよ。 そうかー、とうとうその時がきただか…!」
「お守り…の方ですか?」
「はいな、あなた方が来るのをずーーっとずーーーっと待ってたっぺよ。こっちへ来てけろ」
「あ、ああ…」
「ここだあ」
「ここは?」
「ここはアーチレリーフの間だっぺよ。一人ずつ入ってけろや」
「…」
6人は、いぶかしがりながらも部屋に足を踏み入れる。
そして6人はそれぞれあるべき場所に飛ばされる。
(つづく)