能楽師の男と妻は外出の予定がぶつかった。たまたま愛犬が子犬を産もうとしており、どちらかが留守番を する必要があるが、お互いに今日の外出をキャンセルしたくない。 そこへ娘が帰宅してきたので留守番を依頼するが、これまた先約があって無理とのこと。 やがて3人の外出の理由が明らかになると、自分の用事の正当性を主張し、他の二人の理由を否定し始めた。 家族の壮絶ないさかいが始まり、その結果、とんでもない事態におちいる。 |
支度ができました。 お、できたか。 | あ、もしもし、私です、宗家です。 |
誰が、ピナ・バウシュの面倒を見るんです。 | 何これ、ハンバーガーの包み紙? |
もういい、わかった、わしだ、わしが留守番する。 | どうやってこれでピナ・バウシュの面倒を見ろって言うんだ。 |
家族が家族を産むの。 | いたい、この犬、このくそ犬!くそ犬! |
それを認めたら、この鎖とってくれるんですか? | ハアー、ハアー、思い知った。思い知ったわね。 |
私が家元からいただいた人魚の粉です。 | こんなものは小麦粉だー。 せえのー。 |
え? どうしたんだ、あれ? お前飲んだのか、カナエ? | あ、それ。 |
・・・まず、水を一杯くれないか? | ありがとうございました! |
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