合気道熊野塾彩新道場の紹介
1.合気道熊野塾彩新道場とは

 合気道熊野塾彩新道場は、平成9年に発足しました。

 発足のきっかけは、当時毎月埼玉の地から和歌山県の熊野塾道場に通って稽古していた田沼道場長が、「熊野塾道場で習ったことを既存の道場で稽古することはできない。独立して自分が中心の道場を設立する必要がある。」と考えたことによります。

 設立当初は「合気道彩新道場」という名前の団体であったものの、建物としての道場は無く、本庄市在住であった道場長が、近隣の公共施設を借りての船出でした。

 ところが周囲の公共施設はすでにほとんど既存の武道団体に押さえられていて、なかなか理想的な稽古時間の確保は難しい状態にありました。

 それに加えて道場長に引っ越しの計画が持ち上がったので、それなら安くて広い土地を見つけてそこに道場も一緒に建ててしまおうということになりました。

 こうして平成11年4月4日、埼玉県の最北端である上里町に建物としての合気道熊野塾彩新道場が道場開きとなりました。

以来、引土先生が大先生に習われた心と技を探求し続け、平成28年9月12日、熊野塾道場の正式な支部として承認されました。

現在、国内における「熊野の地」以外で唯一の熊野塾道場の支部として活動している稀有な道場です。

2.合気道熊野塾彩新道場の稽古について

 毎週4日間、道場長が今は亡き引土道雄先生や熊野塾道場の高段者から習ったことを基に稽古しており、引土道雄先生が植芝大先生から習った合気道、晩年の大先生が最後に行きついた境地というものを目指して稽古しております。

 そういう意味で、合気道熊野塾彩新道場の「新」の字は、熊野塾道場の存在する和歌山県新宮市の「新」に由来します。

 スキの無い稽古を大切にし、自分たちが稽古していることがいつも武道としての合気道であり続けるよう心掛けております。

 もちろん稽古する技や精神は大先生の合気道を目指すとしても、安全や健康面への配慮は現代流であり、膝サポーターの着用は昔の稽古では認められないところでしたが、当道場ではむしろ奨励しております。(道場長自身が着用しております。これは道場長が膝を怪我したことがあるからではなく、怪我をしないよう予防で着用しています。)

 また、準備運動は入念に行っている他、稽古の最後に整理体操も行っております。

 熱中症対策にも配慮しており、稽古中の邪魔にならないタイミングでの水分補給も行います。

 万が一の怪我に備えてスポーツ保険にも入っておりますが、これが適用になることは稀であります。

3.道場のスペック

@広さ

 合気道専門道場は、公共施設と違い、稽古日、稽古時間など自由でありますが、反面、どうしても公共施設のような広さを確保することは難しいのが現実です。

 合気道熊野塾彩新道場は畳52枚を敷いており、板の間を足せば55畳になりますので、合気道専門道場としては埼玉県北部で最大です。

 また、天井の高さを畳から3.6mと、かなり余裕を持たせているので、空間の容積ではお隣の群馬県の専門道場を見渡しても、ここまでの大きさを確保している道場はありません。

 合気道には武器技も存在し、特に当道場では丈より長い棒を扱いますので、棒術を複数で稽古できる専門道場という点では、埼玉県北部及び群馬県で唯一の存在です。

A窓

 合気道熊野塾彩新道場では、風通しの良さを考えた設計となっております。

 窓の数を多くして、南側から入った風が、北側に抜けるように左右対称の窓の配置とし、東側にも窓を設けている他、夏場は玄関も網戸が付いておりますので、蒸し暑さを軽減できるものとなっております。

 窓の高さを下は畳から1.5mとしておりますので、稽古中に人が窓にぶつかる心配がありませんので、怪我を予防し、55畳の道場を広々と無駄なく使えます。

B畳の表面

 合気道熊野塾彩新道場の畳の表面は、東京の本部道場の畳のように、白い布で覆われています。

 熊野塾道場もやはり同じようになっています。

 私が熊野塾道場で稽古して、その摩擦力の弱さに着目し、同じ仕様にしました。

 現在多くの公共施設の柔道場は、当然のごとく柔道畳が敷かれております。

 この柔道畳は、柔道を行うためにわざと表面の摩擦力を強くしてあります。

 これによって踏ん張りが効き、お互い頑張ることができます。

 しかしこのことは合気道に向いているとは言えません。

 合気道では畳を蹴って移動することは行わないので、むしろ摩擦力が弱い方が正しい脚さばきが身につきます。

 また、真っ直ぐ立ち上がる習慣が身につき、さらに、座り技の時に膝を痛めにくくなります。

 「昔の合気道は座り技の時間が多かった」と言われる一方現代では、「座り技は膝を痛めるので稽古しない。」という方針を打ち出す指導者の方もいらっしゃいます。

 当然のことです。

 なぜなら昔の合気道は公共施設の柔道畳で稽古していなかったからです。

 摩擦の少ない畳で稽古していたことと同じことを摩擦の多い柔道畳で稽古すれば、膝にダメージが溜まるのは当たり前です。

 その点当道場では、安心して座り技を稽古することができ、そのことが立ち技の礎となっております。

 合気道熊野塾彩新道場では、合気道の稽古に適した足場を確保しております。
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