■森の少女■page 2

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 学校までは、駅から徒歩一〇分。
 ミルフィーユはまだ口をきこうとしない。
 重苦しい空気の中にいるのは三分でも苦痛だったのに、さらにまだ一〇分も続くのだ。一キロメートルに満たない距離が何千キロメートルにも思えて、ヴァルトラントは気が遠くなりそうだった。
 しかし神は、八つ当たりされている少年を哀れに思ったのか――。降り立った〈ヴァルトマイスター〉北駅の改札口で、彼は運良く級友たちと出会えたのである。
 普段神の存在など信じていないヴァルトラントだが、さすがにこのときばかりは神に感謝した。
「おはよう、ハーラルト、キーファ、クロル」
 ほっとした表情で、ヴァルトラントは三人の級友たちに声をかけた。
「おはよー〈グレムリン〉」
 ヴァルトラントより三つ年上のハーラルト・ベッカーが、片手を挙げてそれに応える。
 〈グレムリン〉とは、ヴァルトラントとミルフィーユをまとめて呼ぶときの渾名だ。代名詞といってもいいだろう。
 航空隊ではいたずらばかりする子供のことを、飛行機に悪戯をする小悪魔になぞらえて〈グレムリン〉と呼ぶ。あまりいい意味で使われているとは言い難く、大抵の子供は〈グレムリン〉と呼ばれると機嫌を損ねる。
 しかしヴァルトラントたちは違った。人を「あっ」と言わせるのが大好きな彼らは、好んで〈グレムリン〉と名乗り、そう呼ばれることに誇りを感じていた。
「あら? ミルフィー、具合でも悪いの?」
 紅一点で姐御的存在のキーファ・キュンメルが、ヴァルトラントの後ろで黙り込んでいるミルフィーユに気づいた。
「元気ないね」
 ミルフィーユと同い年のクロル・エーブナーも、心配そうに金髪の少年を覗き込む。
 と、その瞬間、ミルフィーユの表情が変わった。
 彼は眼鏡の奥で一瞬目を輝かせたかと思うと、待ってましたとばかりに今朝の出来事を語りはじめる。
「だってさー、聞いてよっ!」
 ミルフィーユは溜まりに溜まった鬱憤を、級友たちに向かって機銃掃射のごとく捲くし立てた。
 約束が不意になったこと、段取の悪い軍の命令、大した事でもないのに呼びつける航空機メーカーなどへの苦情――などなどを、学校への道程のほとんどをかけて吐き出した。
 しかし彼の話は、級友の同情を得やすくするためか、若干誇張されていた。そのため微妙に事実と違う点もあったが、ヴァルトラントはあえて指摘しなかった。
 本当はもう、相棒は充分に反省しているのだ。父親に腹を立ててしまったことを悔いている。だが一度荒れてしまった感情は、そう簡単に収めることはできない。だから誰かに思いをぶつけるしかないのだ――と、ヴァルトラントは相棒の心理を分析する。
 そしてミルフィーユが全ての気持ちを吐き終え、その蒼い瞳をまっすぐ親友に向けたとき、その分析の正しさは証明された。
 言いたいことを言ってさっぱりしている相棒の顔を見たヴァルトラントは、相棒がもう、いつもの彼に戻ったのだと悟った。
「そりゃ、ミルフィーが怒るのも無理ないよ」
「お母さんに会えるの、すっごく楽しみにしてたでしょうにねぇ」
 慰めの言葉をかけようと、級友たちは相棒を取り囲む。
 ヴァルトラントはその輪の外で、彼らの言葉が一段落するのを待った。
 何から話そうかな――。
 ミルフィーユと級友たちの後ろをついて歩きながら、ヴァルトラントは相棒との楽しい会話を想像して、かすかに頬を緩ませた。
 〈グレムリン〉とその級友たちは、学校へと続く〈駅前通り〉を賑やかに、そして軽い足取りで進む。
 「朝」という時間ではあるが、陽は傾きかけていた。あと数時間もすれば、十数時間続く薄闇のとき――〈逢魔が刻〉がはじまる。
 一六日半の公転周期を持つカリストでは、陽が沈んでしまえば次に太陽の姿を拝めるのは約八日後になる。そのため大人も子供もしばしの別れを惜しむかのように、弱い光の射す地上を歩いていた。
 〈駅前通り〉の沿道には、学用品や子供向けの商品を陳列した店が軒を連ねている。あと二週間もすれば〈聖夜〉とあって、どの店のショーウィンドウも煌びやかに飾りつけられていた。
 その通りを突き当たって左手に一〇メートルほど行くと、学校前の広場〈ノルトシューレプラッツ〉に出る。
 その突き当たりで左折しようとしたヴァルトラントたちは、急に飛び出してきた人物と鉢合わせした。
「わわっ!」
 危うくぶつかりそうになったミルフィーユが、身を捻った拍子によろける。
「急に飛び出しちゃ危ないよ!」
 バランスを崩した相棒を素早く支えたヴァルトラントが叱責する。が、すぐに飛び出してきた人物がクラスメートだと気づいて、驚きの声に変えた。
「ハズ――!?」
 ヴァルトラントの声に、走り去ろうとしていたクラスメートの少女――ハズリット・ラムレイは足を止めた。
 彼女は怯えたような表情を、声をかけた少年に向ける。何か言いたそうに口を動かすが、小さくひと言「ごめんなさい」と呟いただけで、また走り出そうと踵を返した。
「待って!」
 慌ててヴァルトラントは彼女の細い手首を掴む。ハズリットは振り解こうと暴れるが、ヴァルトラントは離さなかった。反動をうまく利用して、少女の両手首を掴みとる。
 両手をとられたハズリットは、ようやく観念したのだろう。もがくのを止め、大人しくなった。
 だがヴァルトラントは彼女を解放しなかった。手首を軽く握ったまま、自分は一歩退く。そして彼女の全身を素早く見回すと、怪訝そうに顔をしかめた。
 少女の上着はあちこち破れていた。
 彼女の服はどれもくたびれていたが、いつも目立たないように繕ってあった。ヴァルトラントの記憶では、彼女がこのように破れた服で登校してきたことは一度もない。
「どうしたの?」
 ヴァルトラントは「何かトラブルでもあったのか」と、少女のみどりの瞳を覗き込んで訊ねた。
「何か困ったことがあるのなら、解決のお手伝いをしたいんだけどな」
「……」
 しかしハズリットは、チラリと広場の方に目を遣っただけで口を開こうとはしない。
 思わずヴァルトラントは相棒と顔を見合わせ、肩をすくめた。ミルフィーユも苦笑を洩らす。
 ハズリットは普段からこんな調子だ。必要なとき以外はしゃべらない。
「うーん……」
 ヴァルトラントが、どうやって口を割らせようか思案していると――。
「ヴァルティ、見て」
 いち早く広場の様子を確認しに行ったキーファが、鋭い口調でヴァルトラントを呼んだ。
「ハズをお願い」
 ハズリットを掴まえておく役目をハーラルトに代わってもらうと、ヴァルトラントは広場の手前まで進み、建物の陰からそっと顔を出した。
 広場は学校側を弦とした、直径三〇メートルほどの半円形をしている。円の中心にあたるところが校門だ。
 そしてその正面――ちょうど広場の中央となる場所に、著名な芸術家がデザインしたというモニュメントが建っている。足元がベンチ状になっており、普段から生徒たちの待ち合わせ場所として使われていた。
 しかし今朝はそこに生徒の姿はなく、代わりに十数人の大人たちがたむろしている。
 数人がカメラらしきものを構えて広場の風景を撮影し、残りの者は誰かを捜しているのか、辺りを忙しなく見回していた。
 マスコミか――!
 ハズリットが何から逃れようとしていたのか理解したヴァルトラントは、苛立たしげに舌打ちする。
「マスコミだね」
 ヴァルトラントの脇から顔を出したミルフィーユも、一目見ただけで連中の正体を言い当てた。
 連中は報道機関――それも主にゴシップなどを面白おかしく取り扱う、低俗な輩だった。
「そりゃあ、今日は〈機構〉史に残る日になるかも知れないもんね。マスコミも取り上げるでしょ」
 二人の後ろで腕組みをして立っていたキーファが、口をへの字に曲げて言う。どうやら彼女は、報道メディアに対してあまりいい感情を持っていないらしい。
 いや報道機関に批判的なのは彼女に限らず、ヴァルトラントたちも同様だった。
 ハズリットが今日の試験に合格すれば、〈機構〉史上最年少で基幹学校の全課程を終えることになる。〈機構〉はもちろん、各教育機関、企業、そして報道メディアなどが、試験の結果に注目するのも当然だ。
 彼女が各界に与える影響が把握できている〈機構〉や、教育機関などはまだいい。厄介なのは、面白半分で騒ぎ立てるマスコミだ。
 連中はちょっとしたことでも大きく膨らませて報道する。そのお蔭でハズリットは大変な迷惑をこうむっていた。
 はじまりは、彼女が現在の学校に転入してまもなくだった。
 彼女の噂を嗅ぎつけたジャーナリストによって、「天才少女現る!」といった記事が〈ユニバーサルネットワーク〉を駆け巡ったのである。
 それだけならまだしも、さらに彼女の「育った環境」までもが暴かれた。
 そしてその報道を機に、彼女は学校で孤立することとなった――。
 大袈裟に報道される「〈旧市街〉に住む天才少女」の話題は、瞬間的に世間を賑わせた。だが一般の人々にとって、それはマスコミが日替わりで提供するゴシップの一つに過ぎない。ハズリットの存在は有名歌手のスキャンダルと同様、すぐに人々の記憶から消えていった。
 しかし彼女と間近に接するクラスメートとその親たちにとっては、「単なるゴシップ」として片づけられない問題だったのである。
 〈ヴァルトマイスター〉において〈旧市街〉と呼ばれる処は、そこに住まない者たち――つまり〈新市街〉に住む者たちにとって、あまり良い印象を抱かせることのない場所だ。
 〈旧市街人〉アルターは、大人だけでなく、子供までもが犯罪に手を染めている――。
 これが一般的な〈新市街人〉ノイアーの認識だ。そしてその認識は、そう的外れでもない。
 子供たちの級友が〈旧市街〉に住んでいると知った親たちは、彼女と付き合うことは我が子に悪い影響を及ぼすのではないかと危惧した。そして子供たちに「彼女に近づかないよう」言い含めた。
 その結果、それまでハズリットに対して普通に接していた級友たちは、報道直後から、あからさまに彼女を無視するようになったのである。ほんの数人の「物好き」を除いて――。
 そしてその「物好き」の中に、〈グレムリン〉たちが含まれているのは言うまでもない。
「何があったの?」
 ハーラルトとともにハズリットのそばについていたクロルが、戻ってきた少年たちに訊いた。
「マスコミが来てた」
 険しい顔のヴァルトラントが簡潔に答えた。それを補足するように、ミルフィーユがつけ足す。
「それも、退屈な奥さま向けのワイドショー番組だね、アレは」
「連中、ハズが通るのを待ってるみたい」
 さらにキーファが補う。
「それで見つからないように逃げてきたのか……」
 不安そうな目のハズリットを見下ろして、ハーラルトが呟いた。ハズリットは軽く肩をすくめることによって、彼の言葉を肯定する。
「しかしあの様子じゃ、そう簡単には帰りそうにないぞ」
 苦虫を噛み潰したような顔で、ヴァルトラントは独りごちる。
「見つからないように校門まで行くのは難しそうだし、強行突破するにしても――ねぇ」
 どうしたものかとミルフィーユが天を仰ぐ。
「だからって、のんびり作戦考えてる暇ナイでしょっ。もうすぐ学校はじまっちゃうよ!」
 悠長に策を練っている〈グレムリン〉たちに、クロルが自分の腕時計を示して訴えた。
「僕も今日、進級試験なんだよっ。今日か来週の試験でDクラスに上がっておかないと、幼年学校の入学資格がもらえなくなっちゃうんだよー!」
 クロルは落ちつかなげに地団太を踏む。彼は彼で人生の別れ道にいるらしい。
「んなこといっても、ハズを放って行けないよ。彼女だって、今日の試験受けたいだろうし……。んじゃ、クロルだけ先に行きなよ」
 ミルフィーユが冷たく突き放す。彼は先週の進級試験に通ったばかりとあって、先行き安泰だった。
「えーっ!?」
 一人だけ仲間外れにされるような気がして、幼いクロルは泣きべそ顔になる。
 そこへヴァルトラントが割って入った。
「まあ、落ち着けって。二人とも試験に間に合うようにしてやるから」
「どーやって?」
 いきなり大きく出たヴァルトラントに、級友たちは声を揃えて聞き返した。
 ハズリットの顔は知られている。それに小さな広場だ。全方向を警戒している連中に見つからないよう横切るのは至難の業だ。
 しかしヴァルトラントは余裕の表情で胸を張ると、級友たちに宣言した。
「大丈夫。任せてよ!」
 褪せたセピア色の髪の少年は、頼もしげに自分の胸を叩く。そして安心させるようにハズリットに向かって笑いかけると、いきなり自分のダッフルコートを脱ぎはじめた。
「ちょっと、どうする気?」
 ヴァルトラントの意図が見えないキーファが訊ねる。
「ま、いいから。それよりキーファ、ハズの髪編んで。ハーラルトとクロルは、広場の偵察」
 だが少年はいたずらっぽく琥珀色の瞳を輝かせるるだけで質問には答えず、代わりにてきぱきと級友たちに指示を与えた。
「え? あ、あぁ――」
 級友たちは、ヴァルトラントの有無を言わせない態度に呑まれ、彼のペースにはめられてしまった。
 ハーラルトとクロルは慌てて広場の手前まで進むと、「敵」の動きを観察する。キーファは怪訝な顔をしながらも、ハズリットの後ろに回って手早く髪を編みはじめた。
 彼らの親も〈機構軍〉に所属している。〈森の精〉と同じく、この〈ヴァルトマイスター〉の近郊にある〈とねりこの森〉エッシェンヴァルトが彼らの基地だ。
 門前の小僧、なんとやら。
 常に親や隊員の姿を見ているだけあって、彼らも咄嗟に状況を分析し行動する能力に長けているようだ。
「ところでハズ。どうしてこんなに破れちゃったの?」
 無残な姿となったハズリットの上着を見て、ミルフィーユが首を傾げた。
 ハズリットはじろりと質問者をひと睨みすると、すぐにそれ以上の言葉を拒むように目を伏せた。どうやらその話には、触れられたくないらしい。
 しかしミルフィーユは、無邪気な顔で彼女の答えを待っている。
 しばしの間、沈黙がその場を支配した。
「……転んだ拍子に破けてしまったのよ」
 沈黙の重さに耐え切れず、結局ハズリットは口を開いた。
「転んだ拍子って――。普通転んだだけじゃ、こんな破れ方しないよ」
 ハズリットの答えに納得いかず、ミルフィーユはさらに追及する。
「どうだってイイじゃないっ。あなたには関係ないことよ!」
 少女は苛立たしげに言葉をぶつけた。
 彼女の乱暴な言動に、ミルフィーユは抗議しようと口を尖らせる。
「そんな言い方しなくても……。こっちは心配して訊いてるのにさぁ。大体ハズは愛想なさすぎ――」
「ミルフィー」
 ヴァルトラントは相棒を鋭く咎めた。
「あ――!」
 自分が言いすぎたことに気づいたミルフィーユは、すぐに謝る。
「ごめん、言い過ぎた……」
 気まずそうな顔をしている相棒の肩を軽く叩いたヴァルトラントは、ハズリットに向き直ると言った。
「とりあえずいまは、その上から俺のコートを着て。さすがに破れた服じゃ目立ちすぎるからね」
 三つ編みができあがったのを確認して、ヴァルトラントはさっき脱いだ自分のダッフルをハズリットに手渡した。
「あ――」
 コートを受け取った少女は、なぜか驚いたように息を呑んだ。そして自分の手の中にあるものをじっと見つめると、そのまま固まってしまった。
 彼女の顔には戸惑いと不安、そして恐怖の入り混じった表情が浮かんでいる。
 すぐにヴァルトラントはハズリットの様子に気づいた。
 彼は、彼女が何を恐れたのか気になった。と同時に、「その理由は、聞くべきではない」とも思った。
 恐らくこれはデリケートな問題だ。うかつに触れていいものではない。それにいまは、そんな話をしている時間もない。
 ヴァルトラントは気づかなかった振りをして、もう一度少女に声をかける。
「ほら、時間がなくなるから、早く着て!」
 ヴァルトラントの声に、コートを手にして固まっていた少女は我に返った。一つ深呼吸すると、思い切ったように袖を通す。
 二つ年上になるヴァルトラントのコートは、彼女には少し大きすぎたようだ。長い袖の先から指先がわずかに見え隠れしている。だが彼女が着ていたものをすっぽりと覆い隠すには、ちょうどよかった。難を言えば、靴が少々見劣りするところか。しかし、広場の連中も足元までは見ないだろう。
「もう少し細工しといた方がイイかな」
 ヴァルトラントは彼女の全身を見回して呟いた。
 彼女は広場の連中に見つかる前にその場を離れたらしいが、見咎められなかったという保証はない。できるだけ彼女の姿を、さっきと違った雰囲気にしておいた方がいい。
「うーん……コレもいっとくか」
 数秒のあいだ頭を捻っていた少年は、駄目押しとばかりに、〈森の精〉のエンブレムの入ったお気に入りのベレー帽を、自分の頭から少女の頭に載せ換えた。
「よし、完璧っ!」
 両肩におさげを垂らし、頭にちょこんとベレーを載せている少女の姿を、ヴァルトラントは満足げに眺めた。
「可愛いよ」
 ヴァルトラントは思わずそう声に出し、満面の笑みを浮かべる。
「そーいう台詞がサラッと出るところが、『あの大佐』の息子って感じよねぇ」
「うん……」
 端で見ていたキーファとミルフィーユが、呆れ顔で首を振った。
 ハズリットはというと、かすかに口元を動かしただけだ。その表情からは、彼女がどんな気持ちを抱いたのかは判らない。しかしチラリとショーウィンドウに映る自分を盗み見たところをみると、そう悪い感情でもなさそうだ。
 ヴァルトラントはショーウィンドウの中の少女を、眩しそうに見つめた。
 不意に、彼女と目が合った。
 ヴァルトラントが微笑むと、ハズリットは慌てて目を逸らす。いつも蒼白い彼女の頬がうっすらと色づいたのを、少年は見逃さなかった。
「で――?」
 二人のほんの一瞬の交流など知る由もないミルフィーユが、ヴァルトラントの背中をつついた。期待を込めた目で親友を見つめ、次の指令を待つ。
 簡単な変装もできあがり、ヴァルトラントの作戦は第二段階に入る。
 相棒に促されたヴァルトラントは、一つ大きく息を吐く。そしてまっすぐ広場を指差すと、出撃の合図を出した。
「んじゃ、行こうか!」

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