悪夢のチビリ体験・・

チビリ・・・ 誰もが経験する、心の中の戦い。
例に漏れずKANもチビリます。 状況や理由は様々ですが
10年以上玉撞きしてきて、ごく一部のプロを除けば、全然チビらない人は見たことありません。
全国区のトップアマでも、大きな試合の大事な場面や、予選最初の試合などでは例外なくちびってます。 有名なところでは、利川プロが緊張すると全身が震える事が知られてます。しかし、チビッてる事は確かなんですが、トップクラスの選手は球を外しません(^^;

 チビリにはいろいろな形態があります。 「手が震えてる。」「顔がこわばってる」「異常に早いタイミングでアドレスに入って、大きく外す」 「力加減が全然違う撞き方になる。」など、誰が見てもチビッてるとわかるような状態 から、イレやポジションに特徴が出ることまで様々です。
何故チビるのか・・ それは精神科のお医者さんに聞いて下さい。(誰とは言いませんが(笑)) 心理学者もよいかも・・
 
 チビリを克服することは出来るのでしょうか・・・・
チビりには個人差があります。 どんなにチビる人でも試合の経験を重ねることでチビリが少なくなって行く事は確かなのですが、チビリをゼロにする事はできないとKANは思います。 でも、もし全日本選手権が毎日開催されてたら、チビる人なんて居なくなると思いますケドね。。
ゼロにならないなら、どうするか、、というと、チビっても自信をもってショットできる技術を身に付ける。 というのがKANの理想なんですけど、まだまだ手が届きません(^^;



忘れもしない、京都の悪夢  

 数年前、都道府県対抗戦で京都に行った時のことです。
この試合は、全国から各県の代表選手5名づつのチームがローテーション120点ゲームでリーグ戦を行うというものです。 毎年、40チームあまりが参加して一人10試合前後を2日間で消化する大きな大会です。

 初日の第三試合、相手は高知県代表でした。
KANは前2試合を勝ってたので、初日の残り試合はあと4試合。
初戦は緊張していましたが、なんとか勝ち、続く2試合目は緊張もほぐれていつも通りの玉撞きができてまた勝ち。 順調過ぎる滑り出しでした。
 そして悪夢の第三試合が始まりました。
KANは前2試合の勢いに乗って、相手に1点も与えず、ゲームはワンラックで終わりそうな勢いです。 ネキストも面白いように決まりますし、イレも不安なし。
まさに、絶好調でした。 そしてスコア 91-0 で14番をゲット。
これでスコアは105-0。 テーブルの上にはゲームボールの15番と、僅かにフリがあるものの、全く問題のないポジションの手球だけになりました。
 KANが審判に「15番、コーナー」とコールすると、審判は「15番、、ゲームボールです!」 とKANに告げます。 ゲームボールなのは判りきっています。 相手は0点ですから、スコンク勝ちが目の前まで来ています。 しかも初日3連勝。
あとは、この15番をサララシャの甘いコーナーポケットに流し込めば、、、、
 ここまで読んでくれた方には、もうお分かりと思いますが、この超イージーなゲームボールはポケットに入る事はありませんでした。 15番は手球がヒットした瞬間 「ごきんっ!」 イヤな音を発して、ヨタヨタと長クッションに向かって転がり、ポケットの付近で止まりました。
「スキッド」です。 ゲームボールをスキッドさせてしまった・・・
 審判の「ゲームボールです!」の声が耳に入ったとたん、それまでのリラックス状態が一瞬でチビリモードに突入したのです。 多少厚みがズレても入る力加減で撞こう・・と心の中で思ってしまった自分が、今思うと情けない・・・
その後の試合展開は、まさに目を覆うばかりでした、あと2〜3個で勝てるはずなのに、一度も見える球が来ません・・ 厚みの無い球を、セーフティしても、次に廻って来るのは、ナチュラルセーフティ・・・・・見えない球を何度か撞いて・・・気が付くと、相手選手がゲームボールに向かっていました。 彼が「14番コーナー。」 とコールすると、審判は先程よりもカン高い声で「14番 ゲームボールです!!」  この時、KANがどんな表情だったのか見てた人に聞いてみたいものですが、多分、雨に打たれた野良犬のような目(この場合は負け犬のような目、が適当か・・)で14番を見つめていたはずです。  こんな事もあるのか・・・ 「ありがとう・・ございまし・・た・・」魂の抜けたKANがうつろな目で挨拶をすると、彼は輝いた表情で「絶対負けたと思いましたよ。」 死人にムチ打つとはこの事か? などと、トンチンカンな事を考えながらとぼとぼと、匠くんや井谷くんが座ってる北海道チームの席に向かいました・・
 その日は6試合消化予定だったのですが、3試合目のダメージは計り知れないほどKANを打ちのめし、ツキにも見放され、残り3試合も負けっぱなしで、チームのみんなにまで迷惑かけてしまいました。。 
ごめんなさい・・・ 涙、、