イノシシ肉、自粛いつまで 可茂の関係者、豚コレラ収束願う

 今年は「イノシシ年」。イノシシを中心としたジビエ(野生鳥獣肉)の人気も高まっているが、可茂地域では家畜伝染病「豚(とん)コレラ」の影響で、イノシシ肉の利用を控える動きが続いている。今は最も脂が乗っておいしい時期。根強いファンも多く、関係者は一日でも早い事態の収束を願っている。

 「いつまで騒動が続くのか分からず、身動きが取れない」。町内全域で狩猟が禁止されている八百津町八百津の獣肉処理施設「五宝の滝」の久保田豊店長(38)は肩を落とす。

 県内でイノシシの豚コレラ感染が判明した昨年九月から、県の要請を受けてイノシシの受け入れを自粛。食肉製品製造業の許可を得て、イノシシ肉を使ったミートローフなど独自の加工食品も売り出していこうとする矢先だった。

 二〇一七年度は町内や近隣で捕獲されたイノシシ百八十頭を受け入れ、処理した肉を県内外の料理店などに出荷した。一八年度は豚コレラ発生前に有害駆除で持ち込まれた八十頭だけ。冷凍保存した在庫はほぼ底をつき、新たな加工食品作りも休止状態という。

 本来なら大忙しの狩猟シーズンに備え、素早くきれいに皮をむける米国製エアナイフも昨年十一月に導入したが、ほとんど使えないままだ。「地元産のおいしい肉をどんどん広めたかったのに、楽しみがなくなった」。久保田さんはため息をつきつつ「いつでも再開できるように準備は整えておきたい」と前を向いた。

 一方、狩猟禁止区域外の東白川村の道の駅「茶の里東白川」では昨年十一月から、村内で狩猟により捕獲されたイノシシ肉を使った料理を提供。東京や愛知、長野県からもファンが訪れている。

 ただ、十二月までのしし鍋の販売数は昨シーズンの半分以下の百二十食。道の駅ではイノシシの捕獲や解体の履歴を個体別に管理し、安全で上質な肉のみを使っているが、運営する新世紀工房の村雲陽司社長(59)は「県内全てのイノシシに不安な印象を持たれている」と顔を曇らせる。
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http://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20190113/CK2019011302000035.html
2019/1/13 中日新聞

2019年01月20日