24歳女子、わな猟修業中 津の「わな師」父から極意

 山にわなを仕掛けてシカやイノシシを捕獲する「わな猟」。津市美杉町のわな専門猟師、古田洋隆さん(63)の次女で会社員の愛さん(24)は、父親の技を受け継ごうと修業をしている。「命をいただく仕事なので簡単なことではない。わなの極意を学んで、いつか父のようになりたい」と語る。 (上井啓太郎)

 昨年十二月二十三日。市内の山中で、わなにかかったシカが逃げようともがいていた。洋隆さんから「ここを刺して」と指示を受け、愛さんがシカの胸元をナイフで刺すと、しばらくしてシカは動かなくなった。

 愛さんは猟銃で仕留めたことはあったが、わなにかかった獲物にナイフでとどめを刺すのはこの日が初めて。「怖かった。刺さった感じがなくて、合ってるか不安だった」

 古田家は代々猟師を家業としてきた。洋隆さんは獲物を捕獲する能力が高く、「わな師」と呼ばれる。獲物から素早く血抜きをして良質のジビエを提供するため、全国の料理店から注文が殺到している。

 愛さんは高校卒業後、理学療法士になろうと専門学校に通っていたが、洋隆さんが山から大変そうに獲物を運ぶ姿を見て手助けしたいと思い、中退して四年前に銃猟免許を取得。猟に同行するうちに、山で獣の足の運びを読み、巧妙にわなを仕掛けるわな猟の奥深さを知った。

 洋隆さんが作るわなは、地面に置いた木の板を踏むと、ワイヤが獲物の足を締めて捕らえる。市販のわなはウサギなどでも誤作動することがあるが、洋隆さんのわなは狙った重量の獲物だけ捕らえる。

 「直接、技術を受け継げるのは自分しかいない」。昨年八月にわな猟免許を取り、本格的な修業を始めた。洋隆さんは「これからが長い道のりだが、これで安心してバトンタッチできる」と喜ぶ。… 詳細はリンク先へ …

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201902/CK2019020902000268.html
2019/2/9 東京新聞

2019年02月26日