狩猟ワナにIoT 鳥獣被害や猟師の高齢化に挑む

野生のイノシシやシカによる農作物や人的被害は農家や自治体にとって悩みの種だ。一方で捕獲を担当する狩猟者は減少し、高齢化も進んでいる。捕獲の効率を高めて負担を減らそうと、huntech(ハンテック、東京・目黒)はあらゆるモノがネットにつながる「IoT」を活用した狩猟ワナ用センサータグの展開に挑戦している。

「設置したらここを長押ししてください」。2018年11月。兵庫県淡路島の市街地から車で数十分の山中で、ハンテックの川崎亘・最高経営責任者(CEO)は猟師にIoTセンサータグ「スマートトラップ」の使い方を説明していた。猟師も「シンプルな構造でわかりやすい」と、初めて取り扱う機器にも安心した様子だった。

2人の隣にあったのは、動物が餌に釣られて箱型のオリに入ったら戸が閉まる構造の幅1メートル、奥行き2メートルの大きな箱ワナだ。スマートトラップはワナの戸の部分に取り付けて使う。戸が閉まるとスマートトラップの磁石付きフックが引っ張られて外れ、それをセンサーが感知。すぐに猟師の携帯端末にメールで通知する仕組みだ。

通常、猟師は捕獲の成否がわからないまま、毎日広範囲の多数のワナを見回っている。しかしスマートトラップを使えば、通知が来るので優先的に捕獲に成功したワナに向かうことができる。全地球測位システム(GPS)付きで設置場所の把握も助ける。「箱ワナ」だけでなく、ワイヤを脚にくくり付けて捕獲する「くくりワナ」にも対応している。

通知だけでなく、捕獲情報やワナの設置情報をデータベース化して管理できるのも特長の1つだ。データを蓄積することで獣の出没場所や時間の傾向を分析し、対策に役立てることができるという。猟師のカンや暗黙知をビッグデータで「見える化」し、次世代につなぐ狙いだ。
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https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40732100R30C19A1000000/
2019/2/1 日本経済新聞

2019年02月21日