秋といえば、食欲の秋や読書の秋など、いろいろな楽しみ方がありますが、今回はスポーツの秋にちなんで、パラスポーツに触れたいと思います。身体が不自由だとスポーツを諦めがちですが、2020年にパラリンピックが東京へ来ることを契機に「私も、やってみたい」と思った人も多いのではないでしょうか。実は私も、そんな一人です。「パラ射撃」を始めようと思いたち断念した経緯の中から、あまり知られていないパラ射撃のあれこれをまとめます。
メンタルの強さが勝負
病気になる前の歩けていた頃から運動が大の苦手だった私ですが、数年前、ボート競技にスカウトされたときに初めてスポーツを身近に感じることができました。パラリンピックが自国開催されるなんて、なかなか遭遇できることではありません。リオパラリンピックをテレビで見ながら「出てみたいなあ」と何げなく思ったとき、福岡で「選手発掘事業」があることを知りました。これは、公益財団法人日本障がい者スポーツ協会と日本パラリンピック委員会(JPC)が主催するパラスポーツの体験会で、新たな人材発掘を目的に開催されています。ボートをはじめ、大半の競技は腰に負担がかかるために諦めていたけれど、「射撃だったらできるかもしれない!」とひらめきました。
パラ射撃とは、肢体不自由の人が対象の競技です。私のように車いすを使っている場合は、車いすや競技用のいすに座り、空気銃であるエアライフルやエアピストル、または火薬銃のライフルやピストルで決められた弾数を撃ち、その得点を競います。エアライフルの射距離は10mですが、満点を狙うには、弾を的の中心にある0.5mmのマークに命中させなくてはなりません。銃をはじめとした諸装備の開発も進んでおり、持ち弾すべてで満点を出す「満射」の技術が求められるのが実情です。自己を制する集中力やメンタルの強さが求められる競技と言えます。
私の場合、火薬銃だと撃ったときの衝撃が骨盤に響くためNGです。ピストルは体幹に対して並行に腕を伸ばして撃つ姿勢になり、ライフルよりも体幹保持が求められ困難であることから「エアライフル」に絞られることになりました。2016年11月に行われた選手発掘事業で座位エアライフルを体験してみると、これが結構楽しかったのです。静かに的を狙い、集中力を高めていく感覚にはまってしまいました。しかも、高得点の連発に自他ともに驚きを隠せません。協会は新規選手を探しているし、私も興味があったため、話は具体的な内容に移っていきます。東京パラを狙うためには、どんなスケジュール感になるのか、概算コストなど、そこからの4年が鮮明に想像できるくらい詳しく説明をしてくださいました。身体が許すのであれば頑張りたい、そう思える内容でした。…
詳細はリンク先へ …
https://www.asahi.com/articles/SDI201809200735.html
2018/9/25 朝日新聞