泣いちゃった
俺、電車の中で泣いちゃった事があります。
一番最初の会社に入ってすぐの頃。
その会社は、入社したての新人の俺に、
システム設計をやらせるという、
とっても素敵(^_^;)な会社でした。
それまでの俺はプログラムと言えば、画面を使わない
プログラムしか作った事がなかったんです。
それがいきなり、画面を使うプログラム。それも日本語を扱うもの。
今でこそ普通ですが、15年前には、日本語を扱うのは
ちょっと特殊な事をやっていました。
同じ時期に入社した2人と、3人で開発してました。
プログラムというものは、人間がある程度理解できる
形式で作ったものを、コンピュータが理解できる言葉に
翻訳しないといけません。
それをコンパイルと言いますが。
そのコンパイル作業の時点でエラーがあると、
プログラムは動きません。
俺には、そのコンパイルエラーがどうしても取れませんでした。
理由は日本語の扱いの部分で、
そのメーカーのコンパイラは特殊な事をやっていたせいだったんですが。
会社にはそのメーカーのコンピュータを使った経験の
ある人はいませんでした。
誰にも聞く事はできませんでした。
一緒に入社した奴には無能呼ばわりをされました。
この仕事に対する適正がないとも。
俺にだって、それなりのプライドは持っていましたが、
ずたずたになりましたよ。プライドが。
相当に精神的に追い詰められていきました。
マニュアルも隅から隅までみて、試せる事は全て試して、
それでも、わかりませんでした。
マニュアルに全てを書いてるわけじゃないと
悟ったのは、もう少し経験を積んだ後の事です。
もう、試せる手段は全て無くなってしまいました。
家を出て、東京の会社へ就職する時に、
俺は、全ての人との関係を捨てたつもりでした。
もう。帰る事はないだろう・・・と。
自分を必要とする人は誰もいない。
そんな気持ちでした。
生きる価値を見出そうとした仕事ですら、そんなありさま。
俺は、死のうと思いました。
2,3泊程度の旅支度を整えました。
今日、だめだったらその足でどこかへ行き、死のうと。
仕事場へ向かう電車の中で、
手紙を書こうと思いました。
黙っているわけにはいかないだろうと思う人達へ。
一人一人の顔を思い浮かべながら、
書く内容を考えていました。
ああ。ほんとに今日、俺は死ぬんだ。
俺の人生ってなんてつまらなかったんだろう。
そう、思った瞬間に涙が出てきました。
顔がくしゃくしゃになって、変な顔をして見る
周りの人から、目だけを隠すのが精一杯でした。
結局、その日、俺はある事を思いついて試し、
無事エラーが取れたので今、生きているわけです。
今にして思えば、ほんとにつまらない事で死のうとしたわけですが、
その時の俺には、頼る者の誰もいない、
本当の孤独の中にいる気持ちでした。
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