無題1-06


シャワーの音で和樹は目を覚ました。

軽い疲労感が身体に残っていた。

”眠ったのは明るくなりかけてたんだもんなあ”

思い出しながら煙草に手を伸ばし、火をつけた。

裕子が下着だけを身に着けて出てきた。

「あ。起きたんだ?」

「うん。早いね。起きるの」

「もう9時過ぎよ。起きるわよ」

裕子は笑いながら言った

「タフだなあ。。。」

感心するように和樹は言った。

「それはお互い様よ。ふふ。」

”確かにこんなにしたのは久しぶりだ”

昨夜の事を一瞬で思い出しながら和樹は思った。

「ねえ。今度はいつ会えるの?」

「裕子はいつがいいんだ?」

「明日!」

「ははは。そうしたいのは俺も同じなんだけどね」

「いつか一緒に暮らせたらいいね。」

「うん。そうだね。ただなあ」

「ただ、何?」

「実際問題、どっちかが仕事辞めなきゃだめだろ?」

「そうよね。。。でも私が辞めてもいいわよ」

「どうして?あんなに仕事好きだって言ってたよね?」

「私の仕事はここでしか出来ないわけじゃないし、

それに和樹のとこなら仕事見つかりそうだし」

「そっかあ。なんか悪いね」

「そんな事ないわよ。仕事はあくまで生活の為の手段なんだから。

私が生活を楽しめなきゃ意味ないもん。」

「ありがとう。じゃあ。いつにするかは裕子に任せるよ」

「うん!任せといて♪絶対近いうちに行くから。

あ。でもいいのお?」

「何が?」

「誰かと住んでたりするんじゃないの?」

「そんなわけないって」

「そう?じゃあほんとに行くわよお?」

「うん。楽しみにしてるよ」

近い将来、一緒に暮らせる事に二人は思いを馳せた。



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