無題1-12


和樹は窓から差し込む光で目を覚ました。


空が明るくなるまで何度も何度もし続けた二人は


力尽きて眠ったのだった


「おはよう♪」


カーテンを開けながら裕子が言った。


「ああ。おはよう」


自分の意志で目覚めたのでなく起こされた形の和樹は


少し機嫌が悪かった。


「無愛想ねえ。あんなにたくさん抱き合ったのに」


「知ってるだろ?俺が起こされると機嫌悪いってのは」


「そうだけどお」


言いながら裕子は和樹の横へ座った。


二人ともまだ何も身に着けてはいなかった。


「あ。元気じゃない(笑)ここは」


「ねえ。。。する?」


和樹は黙って裕子を引き寄せた。




二人が部屋を出たのはそれから3時間後だった。


「ねえ。さっきメール来てたんだけどね」


和樹の腕に自分の腕をからめながら裕子は言った。


「ん?どうしたんだ?」


「sakiがね。結婚するんだって」


「また。突然だなあ。こないだ彼が離婚したばかりだろ?」


「うん。そうなんだけど、やっぱり結婚する事にしたって」


「そっかあ。後でメールかメッセでお祝い言っておくよ」


「うん♪そうして。結婚式にも呼ぶって言ってたよ」


「俺たちふたりとも?」


「うん。他にもオフで会った人達呼ぶって」


「そっかあ。ま。幸せになれるといいね」


「私たちもね♪」


「(笑)そうだな」


駐車場へ着いた二人はそれぞれバイクと車に乗った


「途中まで送るね」


ウインドーを下げて裕子は言った。


「うん。こういう風に会うのももうあんまりないだろうなあ」


「そうね。来月には和樹のとこ行っちゃうし♪」


「ははは・・・」


「あーー。今のうちに浮気しようとか思ってないでしょうね?」


「そんな事思ってないって」


「そうよねー。そんな事しないよねーーー」


「釘刺してるだろ?裕子」


「あっは。わかった?」


「わかるって。ったく。。。」


「ほんとにだめだからね」


「わかったって。そろそろ行くよ」


「うん。私が後ろ走るね」


二人は走り出した。


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