無題1-14
「ふぅ。。。やっと片付いたわね」
額の汗を拭きながら裕子は言った。
裕子は約束通り、この週末を利用して俺の部屋へ引っ越して来た。
一人分とは言え、想像していたよりもかなり少ない荷物だった。
「随分と少ないね。荷物」
俺は思っていた事を口に出した。
「ふふ。だって電化製品は二つあったってしょうがないし、
家具なんかは二人の生活に合わせて買った方がいいでしょ?」
「まあ。そりゃそうか」
「だから、最低限必要なものと服以外は処分してきちゃった」
家具や電化製品と一緒に、俺は裕子に色々なものを捨てさせて
しまったんじゃないか。そう思った。思った通りに彼女に伝えた。
「いいの。確かに捨てたものは少なくはないけど、それ以上に大切な
たくさんのものを和樹と作っていけるから」
「ありがとう 二人で作っていこう 大切なものを」
「ねえねえ」
「ん?」
「私はどこで寝ればいいのかなあ?」
「あ。そっかベッドも置いて来たんだったね」
「じゃあ。とりあえず俺のベッドかな?(笑)狭いけど」
「いいわよ♪でも買わないとね」
「買いに行こうか?これから。最初の家具を」
「そうね。どんなの買おうかなあ」
「ダブルベッドに決まってるじゃん♪」
「やだあ(笑)」
「いやなの?」
「いいに決まってるわよお♪いこ!買いに」
これから二人の生活が始まって行くんだな。と思うと
とても楽しい気分になった。
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