無題1-15


「久しぶりねー。オフ会以来よね?」


二人の後ろから、keiが声をかけた。


「お。久しぶりだね」

「あ。ほんとに久しぶりねー」


和樹と裕子がほぼ同時に答えた。


「悔しー。はもってるじゃない。ほんとに仲いいのね」


「そおよ。だってもう一緒に暮らしてるもん♪」


裕子が見せ付けるように和樹の腕に自分の腕をからめながら言った。


「おいおい。今日はsakiの結婚式なんだからさ。もめるなよお」


和樹は火花の飛んでいる二人から逃げ出したくなりながらも


なんとか、おさめようとした。


「そうね。次は私たちだもんね♪」


「はいはい。もういいわよ。式場でいい男みつけるから」


”やっとあきらめてくれたか。。。”


和樹はほっとしていた。




「きれいだったわねえ。saki」


郊外にあった式場から街へ向うタクシーの中で裕子は言った。


「そうだね」


和樹はあえてそれ以上はコメントしないようにした。


「そっけないわねえ。バージンロード歩きながら

意味ありげな視線送られてたくせに」


「気のせいだろ?」


言いながら、相変わらずするどい奴だな。と和樹は思った。


「気づかなかったの?まあ。いいわ。今は私だけだもんね♪

和樹が見てる人は。」


「うん。もちろんだよ」


「ねえ。さっきは次は私って言ったけど、結婚する気ある?私と」


「はは。結婚したくないわけではないよ。

でも、一回失敗してるだろ?俺」


「うん。。。」


「だから、ちゃんと考えたいんだ。裕子の事はとても大切に思ってるし、愛してる。

だからこそ、裕子を悲しませたくないからもう少し考えさせてよ。」


「うん。わかった。いい結果だしてね♪」


「俺たち二人にとって一番いい形を一緒に考えよう」


「ずっと同棲でもいいわよ(笑)籍なんて、ただの紙切れなんだし」


「そうだね。籍を入れるにしろ、入れないにしろ、ずっと一緒にいよう」


「うん♪」


夕焼けの空がフロントガラス越しに見えていた。


「ちょっと疲れちゃった。眠らせて」


裕子は和樹と肩に頭を預けて眠った。


和樹は裕子の肩を抱いて支えながら、幸せにしてやりたいと


心の底から思った。


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