C/1983 H1 IRAS-Araki-Alcock IRAS−荒木-オルコック彗星

 1983年4月25日に英国のJohn Daviesは、赤外線天文衛星IRASのデータから高速で移動する天体を発見した。そしてスウェーデンのウプサラ天文台ではこの天体は彗星であることが確認された。5月2日にパロマー天文台のGibsonはこのIRAS天体の確認観測を行ったが、その報告が中央局に寄せられる前に、英国とE.D.Alcockが5月3日に明るい彗星をりゅう座で発見した。また5月3日に新潟県湯沢町の荒貴源一氏は300mm望遠レンズで7等の彗星を発見していて、東京天文台を通して中央局に報告された。荒貴さんの発見はAlcock氏の7時間前であったので、この彗星には「IRAS-荒木-オルコック」という名前が付けられた。(iauc3796)  当時、この彗星には1983dという仮符号が与えられたが、後に彗星の仮符号は廃止になり、この彗星の符号はC/1983 H1 となった。

 この彗星は、荒貴さんが発見したときにすでに7等と双眼鏡で見える明るさであったが、軌道が計算されると5月11日に地球に0.03天文単位まで接近することがわかった(これ以上の接近は1770年のレキセル彗星)。 地球最接近時は1日に40度も移動するという速さで、おおぐま座からかに座,とも座へと駆け抜けていった。顕著な尾は見せず、視直径3度ほどの丸いコマの彗星であった。私は、当時16cmライトシュミットカメラを使っていて、この彗星の動きを追跡して写真撮影するためにメトカーフ法を考案した。

この彗星の撮影

No. yymmdd hhmmss exp.min. lens film    
2993 830507 222400 5 16cmF3.8 Tri-X    
2994 830507 223100 10 16cmF3.8 Tri-X    
2995 830507 224700 10 16cmF3.8 Tri-X    
2996 830507 225815 1 16cmF3.8 Tri-X    
2997 830507 230100 0.5 16cmF3.8 Tri-X    
2998 830507 230230 10 16cmF3.8 Tri-X    
2999 830507 233530 10 16cmF3.8 Sakuracolor400(645)
3000 830507 234735 1 16cmF3.8 Sakura400(645) OAO14
3001 830507 234915 10 16cmF3.8 Sakura400(645) OAO14
3002 830507 235930 1 16cmF3.8 Sakura400(645) OAO14
3003 830507 240220 2 16cmF3.8 Sakura400(645) OAO14

 

No. yymmdd hhmmss exp.min. lens film    
3004 830508 244030 10 16cmF3.8 Sakura400(645) OAO14
3005 830508 245210 10 16cmF3.8 Sakura400(645) OAO14
3006 830508 250240 1 16cmF3.8 Sakura400(645) OAO14
3011 830508 261300 10 16cmF3.8 Sakura400(645) OAO14
3012 830508 262400 15 16cmF3.8 Sakura400(645) OAO14
3013 830508 263915 1 16cmF3.8 Sakura400(645) OAO14
3014 830508 264040 0.5 16cmF3.8 Sakura400(645) OAO14
3015 830508 240610 10 16cmF3.8 Tri-X   OAO14
3016 830508 242330 10 16cmF3.8 Tri-X   OAO14
3017 830508 243420 0.5 16cmF3.8 Tri-X   OAO14
3018 830508 243455 1 16cmF3.8 Tri-X   OAO14
3020 830508 265200 10 135F2.5 Tri-X   OAO14
3021 830508 270240 1 135F2.5 Tri-X   OAO14
3199 830508 252340 10 55F2.8 Ektachrome400   OAO14