



四月 桜咲き鳥歌い 草木もカエルも目覚める季節
いよいよ田植えの準備にかかります。
4月から五月にかけて まずはトラックターで耕して水を引き畦を塗ります。
畦塗りなどは鍬できちっと塗ってゆきます。
この作業もとても大事なのです。田んぼの水持具合がかかります。

昔より農業は苗七分と申します。丈夫で元気のよい苗を作ります。
五月の初旬準備にかかります。種子は消毒しなくてはいけません。
普通は薬品を使いますけれど私は熱湯での消毒です(60度で10分位浸します)。
色々と勉強して やっと苗を作れるようになりました。この時から緊張が始まります。

あわせてたんぼの準備にもかかります。耕して水を引いて畦を鍬で塗る作業です。
特に畦塗りは慎重に行ないます。もぐらがたくさん穴をあけますので小石を詰めて塞ぎます。
壊れた石垣も補修していきます。
鳥の鳴き声を聞いても 蛙の姿見ても感動です。春待つ草花は友達です。
あれをしたりこれをしたり その日の気分次第で決めているのです。(笑顔)

田植え作業風景です。思えば昔の人はどうして田んぼ面の水平を測ったのか?
今のように便利な機器もなしに不思議に思うと共に その知恵に脱帽です。
初めての田植えはくねくねと良く曲がって 近所の人もどうしたらこんなに曲がって植えることができるのかと
見物に来た有様でした。もちろん今は少しは上手になりました(笑顔)。
何も無い水面に少しずつ苗が植えられてゆくさまはわくわくするのですよ。
手伝いの人たちとあぜ道で夢灯りのおにぎり食べるときワイワイと楽しいものです。

猪の侵入が頭の痛いことです。
極論すれば 田んぼの周囲全部囲います。
でも 毎年どこかしこと破られます。
そのたびに進入口を塞ぎますけれど追いつかないのが現状です。
来年からは二重に柵をめぐらそうと思います。

植えて間もない棚田を西から望みました。
梅雨真っ盛りで 木々草花の緑が匂います。
畦草や石垣の草も少し伸びたら切ります。
風通しを良くすることと 害虫の発生を抑えるそうです。


6月の後半からお盆過ぎまで 草取作業です。
まず昔からの機械を押してその後は手作業です。
雑草の勢いの良いこと ひとりではとても取りきれませんけれど出来うる限りです。
辛い時には良く昔の人と話ながらの作業です。
右写真の手前が椿ぐさという雑草です これを手作業でとってゆきます
丁寧に取っていったあとには 稲が「あーーすっきりした ありがとうーー」と言ってくれてるような気がするのですよ(笑顔)。
とても一度では取りきれません。次々に小さな草が成長しますので4番草くらいまで取ります。
また 秋には美味しい新米を楽しみにお待ちいただいてるだろう
皆様のお声が背中押してくれます。
最近は 真心の贈り物としてのご注文が多くなりました。ありがたい事と励みになります。



畦の彼岸花咲き始めると 古田の棚田の赤と黄色のコントラストが綺麗です。
このころになると 掛け干しの準備にかかります。
もちろん 私の子供の頃に重ねて写真もパチパチとよく撮ります。
掛け干し風景と双璧をなすと思っています。
彼岸花は 時々白や黄色も咲きますよ
このころになると熟成中の稲穂を狙って猪がやってきます。
自然界に生きる動物は時期をよく知っているのですよね。変に感心しきりです。
人間よりも正確に時の流れを察知するようです。その行動には驚かされます。

使用している稲刈り機械は この機械の1号機 博物館行の価値があります(笑顔)。
遠く宮崎から兄一家が毎年手伝いに来てくれます。特にはこのちびさん等がとても心励ましてくれます。
毎年彼らの大きくなった姿を見せてくれることが ほのぼのと温かいのです。
田舎の好きな幼子もとても微笑ましいものですよ。
きっと良い子に育つことでしょう。私も楽しみです。
そうそう彼らはおばあちゃんとも仲良く遊んでくれました。ほんとうにありがとうーー!!



10月に入りましたら五穀豊穣に感謝の村祭りです。
村の隅々まで回ります。お神輿には神様の御霊がおわすそうです。
神輿に向かって子供ははしゃぎ老人は静かに手を合わせます。
その姿は神々しく思い出しても目頭熱くなるのです。
お宮までお参りできないお年寄りが田舎には多いのです。
神輿を担ぐのは辛いけれど やってきてよかったと思うのですよ。
若者に助けられて高齢者は私だけ。さすがつぐったりと疲れました(笑顔)

10月になったら 掛け干しです。
この光景今では少なくなりましたけれど 私はこだわりたいと思っております。
少し早めに刈って時間をかけて少しづつ乾燥です。
この手間が美味しい「夢灯り」の出来る秘訣なのです。
その年に天候次第です。半月からひと月くらい掛けます。
青い稲をかけたときは むせるような稲の匂いがとても感動です。

雑穀機もいただきものの古い機械です。
メンテナンスもほぼ完全に勉強して 調子はとても良好です。
日本の技術力の高さに驚かされます。
大切に使えば 一生使えるのではと思います。

すべての作業が終わったら 2−3年に一度はわらを土に返します。
籾殻燻炭も焼きます。これは花などを植えるときに活根剤として使うのです。
何かと土づくりに便利なのです。

寒さは厳しくて 外に出られないこともあります。
雪のたくさん積もった夜は 遠くで重みに耐えかねて竹の折れる音ひびきます。
まさに静寂がここにはよくあります。
山間ですので街灯もなくて 闇夜もよくあるのですよ。