2000年07月11日(火)  晴れ

 夜明け前に目をさます。6時40分。サンチアゴも似たような感じだったけどここの時間の感覚は少しおかしい。サンチアゴの場合は今冬にさしかかっているから日本の冬時に似てるといえば近いけど、この島では朝7時というとまだ真っ暗なのだ。。サマータイムでもやってるのかねぇ。時計の合わせ方にも好みがあるのかな。
 朝は晴れるんだなと思いつつ元気のないパンをほおばる。昨日はアボガドだったが今日はパパイヤが出ていた。紅茶を飲んでからホテルを出る。さあ、ここの青空は油断がならない。いつ天気が崩れるか分からない。今日はどこまで晴れていてくれるのか。
 スーパーで昼食を買ってからラノ・カオへ。いい天気だ。きのうも午前中はこうだった。昨日の雨で道は多少滑るが問題なくオロンゴに到着。小屋に監視員みたいな人がいて10US$払う。国立公園の入園料みたいなものらしいが島中これでフリーパスらしい。岬に向かうとまだ誰も来てなかった。心地よい。海をながめたり、いろいろなレリーフを探したり、写真を撮ったり好きなように過ごした。鳥人信仰の場所でそれにまつわるいろいろな絵が岩に彫ってある。そのうち怪しい英語を喋る人たちが来て(スペイン系?)、ガイドの仕事してるのらしいのだが写真を撮ってあげようかと言ってきたり、近くの島の説明をしてくれたり(Iさんが現地語で「大きい島」「小さい島」「隣の島」と言うと教えてくれた)レリーフの説明をしてくれたりした。みんななんでそんなに物知りなの?。俺ここに来るまでオロンゴがどこにあるかもよく知らなかったのに。オロンゴをあらかた見て回ったので車にもどると雨がぽつぽつと。さあおいでなすった?
 雨はすぐに止んで日が照ってくる。昨日のコースを行く。道も大分憶えちゃったような気がする。気がするだけだけど。モアイのポイント発見。初めてこの島に辿り着いただと実感する。感動だった。全部こっちへ向かって倒れている。でも確かにモアイ。そーかこんな所にいたのか。好きなだけ写真を撮って次へ向かう。あるある、あっちこっちに遺跡やらモアイやら。よくもまあこんなに見落としていたものだ。エアコンなしの車で雨の中走ればそんなもんか。それにしても、ただでさえ方向音痴だが輪をかけて方向感覚が掴めない。太陽の位置が違うからか。磁石を持ってなかったので確認出来なかったが昼に太陽は北にあるのかな?
 遺跡やモアイのある場所なのだが、すぐそばが牧場地になっていて牛馬が放し飼いになっている。実際アカハンガでは遺跡の入口にウシがいた。おちつけセニョール、とって食やしないから通してくれ。
 そろそろ気付いてきたことは、ここらへんを走っていても立っているモアイが見当たらないということだ(昨日の地蔵くらいか?)。海岸より内側にモアイの立っていた台座みたいなものがあって、すべてそこから陸地へ向かって倒れている。たまに仰向けに倒れたモアイも見かけるが、共通しているのは「ぼろぼろ」だと言うこと。モアイには悪いが、少し飽きてきた。
 ラノ・ララクへ着く。どうしても外せない所だった。車をおりてすぐ、初めて太古から立っているモアイを見る(埋まってるとも言うかも)。モアイの切り出し場で、ここには埋まっているモアイや倒れているモアイ、まだ製作途中のモアイがある。ここからはトンガリキも見えた。たくさんのモアイがあり、モアイの中を歩くようなものである。火口まで行くとモアイが火口中心に向かって立っているのも見える。間違いなくここはイースター島だ。世界のどこへ行ってもモアイ像はここの他には今はなく、特異な遺跡としてここにのみ存在し続ける。今ここにいることが夢のようだ。
 山道をずっこけながら(カメラは死守)車へ戻り、アウ・トンガリキへ。道の左側に車を止めておける「空き地」があってそこへ乗り入れた。道沿いの海辺側に石の塀に囲まれた広場がある。そして一列に並んだ大きなモアイ。そこには人はほとんどいなかった。静かだった。波と風の音しかしない。風が心地よい。それらすべてが景色へと惹き込ませる。今まで見た事もない風景だ。空も海も信じられないくらいの青い色をしていて、その海辺にモアイが立っていた。初めて見る景色の中、いつまでもここにいたくなるような気分だった。


ここへ辿り着くまでに何の迷いもなく来たわけじゃない。準備を進めている間も何度となく不安を感じた。それまで俺は、望みさえすればどこにだっていく事ができると思い続けていた。だが、それは本当の事だろうか。
決して自分の力だけで何とかして来たわけじゃない。いろいろな人の助けをもらって今俺はここにいる。ここにたどりつくと決意しなければ決して巡り会う事のなかった人達がいる。

 写真をとったりしてしばらく過ごした後、道の反対側で景色を眺めながら昼食をとり、アナケナ・ビーチへと向かう。途中ここにも遺跡かモアイがあるかもしれないと思っては脇道に入って引き返すのを繰り返してほとんど収穫がないままビーチに突きあたる。
 昨日土砂降りで車から降りる気になれなかった所である。ビーチのすぐそばに修復された7体のモアイと、少し登った所にもう1体のモアイを見つける。7体のモアイの傍には修復不能と思われるモアイの残骸がいくつか転がっていた。このビーチは歴史的検証のために大陸からいかだでこのビーチまで来た学者がいたらしい。なにかの記念碑があった。もっと写真を撮りたかったのだが、いよいよメディアの空きがなくなってきた。オロンゴあたりの写真を1枚ずつ見ては削っているとスコールがやってきた。
 幹線道路を昨日の倒木を探しながら村へと戻り、レンタカー屋さんにもう1泊延長してもらった後博物館(MUSEO)へ。閉館ギリギリだったけどなんとか間に合い、入館料を払って中に入る。すべてスペイン語だった。何かの本には「モアイ博物館」と書いてあったような気がしたが、どちらかというとこの島の文化がメインのようである。モアイの目も展示してあった。これが見つかってモアイにどんな目が入っていた事が分かったらしい。現存している目はほとんどないらしい。
 夕食を食べた後(肉がパサパサでいまいちだった)、ホテルに戻り、隣の部屋の人が風邪をひいたらしいので持っている風邪薬をすこし分けてあげる。自室で写真を一枚ずつ検討しながらある程度削って眠りにつく。明日からは「写るん○す」が重要になってきそうだ。


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