クリニックを出て会社へ行き、上司に診断書を渡し、とりあえず「目安として」1〜2ヶ月療養が必要なので休みをいただく事で了解を得ました。自宅療養の始まりです。
療養は基本的には休養と薬になります。薬は最初は毎食後飲む薬が1種類、朝/夕食後飲む薬が1種類、寝る前に飲む薬が1種類でした。
寮住まいなので自分の事は自分でしなければならない事もいろいろあります。薬を飲むと確かに気分が楽になります。あとは大抵横になって過ごしているのですが、最初のうちは楽になったからと調子に乗って寮で過ごすための必需品をまとめ買いに出かけた日もありました(替えのパジャマや新しい枕など)。しかし1時間続けて買い物をする事が出来ません。探し物がなかなかスムーズに出来ないのです。人込みの中だと誰かが前を横切っただけでもう嫌になり帰りたくなってしまいますし、また、よく買い忘れをしたりするので近場なのにかなりの時間を要します。移動時間をあわせると外出できるのは2〜3時間が限度でした。
そして、かならずと言っていいほどその次の日には無力感という形でそのツケがまわってきます。「まるで自分が人形か何かになったようで、その糸が全て切れてしまった」ような、自分の心の中の「何か」がごっそり無くなってしまったような、なってみないと分からない形容し難いつらさです。動く気になれないし、辛くて動けない。ひどい時は1〜2日そんな状態に陥ります。
朝/夕食後の薬が毎食後になりました。
車の運転は極力避け、必要なら明るいうちに出かけるようにしました。医者にかかる前にも運転中に前方の車が停止している事に気付くのが遅れる事が何度もあり、もう運転が嫌になっていた事もありますが、これはお医者さんにも「まず運転そのものは極力控えて、必要な場合は十分車間距離をとって安全運転するように」と注意がありました。
職場の事に頭が行く事はそんなにありませんでしたが、考えてしまうと「みんなどう思っているだろう」「戻れるのか」「戻ったらどうやっていけばいいのか」と憂鬱になっていきます。 「どうせこんな状態で仕事に行っても何の役にも立たないよ」と自分に言い聞かせて割り切ろうと努めました。
最初の2週間は上司がそれこそ週1〜2回私の様子を見に尋ねてきました。会社で唯一私の病名が「うつ病」だと知っている人物です(実は診断書では「自律神経失調症」になってます。そんな所からもこの病気に理解が無い事がうかがえます)。私の会社には専門の健康相談医がいて(他の病院ですが)、私の状態について上司はそこにも相談していたようで「気にしなくて良いからゆっくり休んでくれ」と言ってもらえました。この病気についてかなり理解している様子が伺えました。
どう過ごすのが治療に良いのかなかなか掴めず半月ぐらいは上手くいっていたとは言い難い試行錯誤の毎日でしたが、とにかく、あまり無理をすると必ず反動がやってくる事だけは体験上分かってきたので(上記)、「とにかく日中は何もしない」よう何日か過ごしてみました。「何も」というのは「TVを見る」「マンガを読む」も含めてです。結構気分が楽な日が続きますが(それでもほんの些細な事で憂鬱になる事もありました)、まぁ今考えなければいけない事でも無いのだろうけど、ちょっと困った事がひとつ。朝食後眠ってしまうせいで夜寝つきが悪くなってしまっている。寝つきが悪いから朝食後の眠気に逆らえないのか、午前中寝てしまうから夜眠れないのか。以前より少し早めに歯磨きして睡眠薬を飲んで電気を消してはいるのだが。それとも午前中の眠気に逆らった方が良いのかどうか考えている所です。
まるっきり地球の反対側の時間帯で動いている…。
そう言えば、少し前から気が付いた事だが、「欠伸(あくび)」している記憶がない。
前の週から就寝前の薬が1種類追加になりました。
週に一回の問診。「快方に向かっているか」というような事を聞かれたけど全く自信無し。大体医者に行く前日ぐらいはどんな様子だったか説明する内容を考えたりするのだけれども(体調の良い時)、クリニックに着くまでに昨日の事すらまともに憶えていたためしがない。気付いてみれば、治療中の日々の記憶なんてかなり曖昧だ。買い物のために外出したのが果たして昨日の事なのか今日の事なのか…。結果、医者に伝わるのは多分断片的な事ばかり(のような気がする)。
次の日9月19日 分かっちゃいるけど朝方目が覚めても眠気に逆らって立ち上がる事が出来ない。相変わらず寝付きについては「ビール以下」なのに、こんな時ばかり薬が利いてやがる。起きた時から悪い予感がしていたけれど、今日は大きなダメージが残っている。夜には動けなくなる。「揺り戻し」か? 前日お医者さんから聞いた服用の仕方に従って夕食後の薬の量を少し増やす。動く気になれないまま横になっているうちに眠りについてしまう。AM1時頃に目が覚めると大分ましになったような気がする。がさごそ動いた後眠気に合わせて睡眠薬を飲んで電気を消す。
9月20日(土) 前日の反動か、今日は調子がいい。ちょいとばかり久し振りにレコード店に行き、本を買った(読むのは果たしていつになることやら)ついでに適当に3枚程CDを買う。選んだ基準なんて「スペイン語圏」とジャケットの「ルックス」位(人に対する態度だとしたらサイテーな選び方。安売りもしてたし)。「言葉の分からない知らない人達ばかり」のCDを部屋へ戻って聞く。少し疲れた。まだ「動ける時間」が短いような気がする。 1枚はそのアーティストの他のCDを探しに行きたくなるほど気に入った。それはまた、体調のいい時にでも。10日程前から「何とか眠気を誘おうと」始めていたちょっとした運動を夜食前から始めるようにした。(注:多分私の場合の話だと思いますが、お医者さんに「最近ちょっと運動するようにした」と言ったら、「メリハリのある生活をするのはいい事」だそうです : 更に注意 患者の自由意志、体調の良い時です)
今日はこのファイルの書込みをしていたら少しあくびが出た。気にしなくてもいいのかな?
就寝用の睡眠薬2錠と抗うつ剤半錠飲んで電気を消す。
9月21〜24日 身の回りで話がどんどん大きくなっていくような気がした日々だった。
最初から私にはまるっきり信用が無かったようだ。
先週まで順調だったのに…。
引きずられるようにして階下へ行くと、寮の食堂に
主査・課長・部長・会社の健康相談医・寮母さんまでいた。
「病人が身の回りの人に気を遣え」とでもいうような話しか憶えていない。
なぜ患者が環境を選んではいけないのだろう。
それとも私が邪魔なのだろうか。
どうしていいのかもう分からない。
生返事だけ繰り返しておいて一応この件は終わったとは思うのだが(終わっていて欲しい)。
もう疲れ果てた。 ビールを一気飲みして眠る事にする。
例え病気から回復したとしても、もう会社には戻れないかもね…。
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