Electone and Me(1998.2〜2000.8)

以前、このコーナーに載せていた、エレクトーンと向き合う日々を綴ったコラムです。


2000年8月
この猛暑の中、クーラーの効いたお部屋で練習できる人はいいなぁ〜!
私の家にはクーラーはなく、自分の部屋には扇風機が常に回ってる状態です。 一人暮らし時代、クーラーが効いた部屋にいてもそんなに練習してたわけでは ないんですが。夏はどうも体力が低下して、涼しくなった夜に1時間練習できれば いいほうです。しかもエレクトーンに向かうまでが長かったりして。椅子の上に いろんな本が積んであることがいけないのですよね。しかしその本をどけるには まず部屋の整理を大掛かりにやらなきゃならなかったりして。もうちょっと 涼しくならないときついよなぁ、部屋の大掛かりな整理は。なんて思ってると たちまちレッスン日が近付いてきて・・・。この繰り返しが自分でもイヤに なって気ばっかり焦って、すごく落ち込んでしまうのです。
こんなときは、高校のときに習った曲とか、すごくやる気がある 時に頑張って練習した曲なんかをふと取り出して弾いてみると、ちょっと 心が落ち着きます。そのころに弾いたカセットがあれば、聴いてみるのも いいかもしれませんね。やっぱり、どんなことでも初心を忘れてはいけないな、 と思わされる日でした。

2000年7月
ここのところ、エレクトーンのコンテンツの更新をお休みしてました。 「3級に再チャレンジ!」のコーナーを思い切って載せたのはいいけど、その後 仕事が忙しくなって心身ともにかなり疲れて、ホームページにエレクトーンの コンテンツを持つこともエレクトーンのレッスンを受けること自体も負担に 感じられて、そんな状態ならやめちゃえばいい、と思ったりもしました。 反面せっかく日本中のみならず、世界にまでエレクトーンを頑張ってる仲間の 知り合いができたというのに、ここでやめては後で後悔するだろうなあ、という 気持ちもあって。
現在やっと、仕事のほうでも割り切りが出来てきたおかげか、エレクトーンを 再び楽しむゆとりができてきました。3級のコーナーは、ひとまずやめました。 自分の中で再びやる気が盛り上がったら受験するかも。でも今は、演奏することを 楽しめればいいかな、という気持ちです。んで、ホームページのほうも、全体的には 母の手工芸展示や、インターネットに関するオンラインマガジンをメインにして ますが、エレクトーンのほうもマイペースでちょこちょこ更新するつもりですので 読んでくださってる方々、またよろしくお願いします。
今回ゲストブックを新設してみましたので、エレクトーンについて音楽について 考えてることやこのサイトをご覧になって思ったことなど、メッセージいただけると 嬉しいです。なるべく返事も出しますので、よろしくお願いします。

1999年5月
このコーナーも、前回から大分間が空いてしまいました。
その間、私とエレクトーンとの関わりが薄くなっていたわけではなく、 むしろ濃くなっていたような気がします。
というのも、昨年の秋から冬の間、初めてエレクトーンに関ることのできる 仕事に携わったからです。
現在は仕事面ではエレクトーンや音楽からは再び離れてしまいましたが、 あいかわらずレッスンを受けているし、レパートリーを増やそうと我が家のEL−90に向かったりレンタルでEL−900を練習したりしている生活です。
グレード3級には、いつ再チャレンジできるか分かりません。自分の気持ちがそちらに 向かったら、きっと明日にでもヤマハに行って申し込み用紙をもらって、すぐに受験料を振り込むでしょう。私には、ある日突然決心して、即行動に移す、という傾向があるのです。今、この文章を打っている現在は、まだそういう心境じゃないようです。

今日、練習していて、自分の悪い癖に我ながらイライラしました。
私は比較的初見がきく為、新しい曲をささっと何回か弾いて、通せるようになると、 なんだかその曲をすっかり弾けるようになった気になってしまうのです。 それで、「細かいところはあとでじっくり練習しよう。」と思って、そのまんま。
そんな曲が一体何曲あることか。
そして、レッスン日近くなって、「あ、この曲レッスンに持っていこう!」と弾いてみるとレッスンには持っていけないようなボロボロ状態。その時になって慌てて細部を練習し始めるありさま。ときには、「この辺のコード変だな。ま、あとでよく譜読みしよう。」と思ったまま忘れてて、先生に指摘される始末。
長年「個人レッスン」というものを受けてきて、レッスン受け慣れしてしまっている 自分に大反省・・・。自分でできるところまできちんとやっていって、先生からは、 自分が思い及ばなかったことを指摘していただき、そのことについて時間をとってもらうようにしなきゃね・・・。 間違ったコードの押え方やら譜面の読み違いに、貴重なレッスン時間を取られるなんて、もったいない。
それから、悪い癖がもうひとつ。
今、倉沢大樹さんアレンジの「朝日のようにさわやかに」を練習しています。
この曲は、アップテンポのウォーキング・ベースがすごい!それから、オルガンの右手がとても難しいです。それで、まずは右手をきちんと弾けるようになるべきところを、 私はまず練習の最初に、通して弾いて、その曲のかっこ良さを味わいます。右手は なんとなくそれっぽく適当に弾いたりしつつ。
それを何回か繰り返していると、ウォーキング・ベースのおかげですっかり足が疲れ、 ふくらはぎがつってきて、日頃の運動不足のせいか息切れもしてきて、 「疲れた〜。明日にしよっ!」とエレクトーンのスィッチを切ってしまうのでした。
足が疲れるのは、「脱力」が上手くできてないからだな〜・・・どうすればいいの かな〜・・・なんて思いながら、日が暮れていく・・・。こんなんでいいのか!?

1998年9月
だいぶEL-900用の楽譜も増え、操作のことも大分覚え、 EL-900に馴染んできた気がします。 最近は、「うぎゃ〜、EL-900!!スゴイ!欲しいよう〜〜!!」という熱が少し冷めて、「基礎力をつけねばっ!」という、常々思っていることのほうの比重が大きくなってきました。
そりゃあ、新刊曲集を買って、レンタルでEL-900を弾けば、「ううう、もっと練習したいよう・・・。欲しいっ!!」という気分にはなりますが、そのジレンマが落ち着く時間が以前に比べて短くなりました。EL-900の存在に大分慣れてきたのかもしれません。
最近は、何回かチャレンジして落ちた「演奏グレード3級」に、 再びチャレンジしたいな、という 意欲が湧きつつあります。というのも、月刊エレクトーン10月号で、75歳の方が「演奏グレード3級」を受験された、という話を読んで、「はぁ〜〜〜っ、いくつになってもチャレンジ精神は大事よね!」などと思ったからでした。この話が載っていた「ぐれ〜どに効く音楽処方箋」という連載は、読む度にいい話・役に立つ練習方法なんかが載っていて、刺激を受けるのですが、その時だけ「よっし!頑張るぞっ!!」と思って、あとは忙しさにかまけてそれっきり、ということが多く、新しい号を買うたびに「これじゃいかん・・・」と思っていたのです。
しかし、この75歳の方が「演奏グレード3級」にチャレンジ、という話は、かなり私にとって大きかった。特に最近、好きな曲ばかり弾くのが楽しくて、それはそれでいいのだろうけど、前々からチャレンジしていて、失敗したからそのままになって何年かたつ、ということを中途半端にしておくのもどうか?と思ったわけです。
思えば、私は演奏グレード3級を、過去3回も受けています。しかし、あまりの即興の出来の悪さに投げ出したままになってしまっていました。先生から、また受けるように勧めて頂いても、「そのうち。」とか言って、好きなレパートリーを弾いてばかりいたのです。3回目を受験してから、もう4年近くたってしまいました。1度は3級受験の為に揃えたレパートリーも、時々思い出したように弾いてみると、あの頃に比べ、つっかえることが多いこと、多いこと・・・。 このままじゃいかん!!−−−何がいけないのかは自分である程度分かっているのです。即興の練習をしていると、「あ〜、もうヤ!」とすぐやめてしまうから。楽しく練習する工夫をせず、つらい修行のように感じているから。何事も気の持ちよう。毎日の積み重ねが大きな力になる。・・・分かっちゃいるんだけど。
1998年7月
「EL−900」を弾く回数も増え、レンタルで弾くだけでも充分なような気がして、「家にあるEL−90でもいいもんね。」と思うようにしていたこの頃(負け惜しみ;;)でしたが、新発売の曲集「HELLO!EL−900 Vol.2 シネマセレクション」を弾いてみて、初めて「あああ、心の底からEL−900が欲しいよう・・・」と思ってしまったのでした。
買ったばかりのその楽譜を、センターに行って弾いてみたところ、いつもは少し長く感じる1時間もあっという間。思わずセンターの方に「もう1時間貸してください!」と頼み、夢中で何度も何度もその曲集を弾きました。エレクトーンを弾いていてこれほど楽しく感じたのは、正直なところ久しぶりでした。もちろんいつも楽しいけど、そういう楽しさじゃなくて、時間も忘れて夢中になるほどの楽しさ、とでもいうか・・・。
この「シネマセレクション」には、2曲にXG音源サポートが入っていました。これが弾いてて気分いい。EL−90のサポート演奏もいいけれど、XGにはまた別の良さがあって。例を挙げると、「ロッキーのテーマ」のイントロに、拍手や大歓声が入っているのがすごく気分が盛り上がります。曲のクライマックスでも拍手や大歓声、それにドラムもXGで迫力を出しているから、なんだか気分が高揚してきて、ロッキーとしてリングの上で戦っているかのよう!!嬉しくて、ついつい何回も弾いてしまったのでした。
もう1曲XG音源サポートのついているのは「ミッション・インポッシブル」。これはイントロで、カツカツという靴音、「キャー」という女性の叫び声、ドアのキーッという音が入っていてミステリー調になっている。 これをステージで弾いたらかっこいいだろうなあ、なんて思いました。
XG音源の話はこれぐらいにして、この曲集で一番好きなのが「追憶」。ホリゾンタルタッチを活用して、ハーモニカの微妙なピッチ変化やビブラートをかけるのが、すごく難しいのですが、上手く弾けるようになると気分の良さは最高!新機能のソロモード(音色の切り替えがすばやくできる)やディレイを効果的に使っていて自分もEL−900を自在に使えるようになりたいなぁ・・・と思わせてくれる素晴らしい1曲です。 凝ったレジストレーションに加えて、アレンジも転調の度に盛り上がっていくから、弾いているうちに曲にのめりこんで自分で感動しちゃったりするんですよ〜。でも以前先生に「曲にのめりこんでいない」とのご指摘を受けたことがあるし、これはいい傾向なのかもしれない。とにかく、この「追憶」で、今一番欲しいものが「EL−900」になってしまいました。ちなみに2番目は「自分のパソコン」。

1998年5月
前述の「EL−900」を初めて弾きました。
センターで2時間借りることができ、まずは「EL−900」対応曲集についているフロッピーに入っている、3曲の参考演奏を聴いてみました。
この参考演奏、というのは、アレンジャーの演奏をエレクトーンで再生できるもので、実に便利。
よく分からない譜読みを確認できるし、微妙なニュアンスも伝わってくるし、部分練習にも使えます。
で、参考演奏をじっくり味わってから、ドキドキしつつVA音源(ヴァーチャル・アコースティック音源)の音色で、自分で鍵盤を触ってみることに!
ちなみに、VA音源とは、資料によると、「実際の楽器の発音の仕組みを電子的に再現する、音のヴァーチャルリアリティともいうべき音源」だそうです。
とりあえず、曲集の最初に載っている、「EL−900の新しい奏法と新しい音楽表現」の説明の通りに「Breath Sax」の音を選び、そっと鍵盤に触れてみました。すると、管楽器特有の息を吹き込む時の音が! 次に、もっと鍵盤を深く押すとサックスの音。なかなかいい音です。そして、もっともっと鍵盤を押すと思い切り息を吹き込んだ時の割れたような音。
で、アルトサックス、テナーサックス、尺八、トランペット、ジャズギター、効果音などなど34種類の音色を全部聴いて、「うわうわうわ〜!」と感激してしまったのです。
そして次は、「世界初のFSV鍵盤」とやらの奏法を試してみることに。
FSV鍵盤も資料から引用すると、「鍵盤の縦の動きに加えて横の動き”ホリゾンタルタッチ”を検知できる世界初の鍵盤システムです。ホリゾンタルタッチは、鍵盤を左右に動かすことで音程を自在にコントロールでき、ビブラートなどの表現力が飛躍的に向上」とあります。
鍵盤を左右に揺らすように動かすとビブラートがかかったり、左か右方向に押して音程を上げ下げすることができる、というわけなのです。
これはエレクトーンでは新しい奏法。早速マスターしなくては!と、やってみましたが、これが難しい!
ビブラートはまだいいのですが、音程の上げ下げが上手くいきません。
「曲の中でやってみればいいのかな?」と思い、「HELLO!EL−900」という、プレイヤーの松田昌さんの作曲したJAZZの曲を練習。
トランペットやサックスの、しゃくり上げるような感じを出すのが実に実に難しく、参考演奏を聴いて、部分練習をして、リズムを鳴らして曲全体を通す、この繰り返しで、あっという間に2時間のレンタル時間は終わってしまいました。体力が少ないせいもありますが、へとへとになりながら、やっとの思いで家に帰りました。
これが、私と「EL−900」との初対面ドキュメントです。

1998年2月
つい最近、「EL−900」という新機種が発売になる、という話を聞き、まだローンを抱えている身としては、かなりのショックものでした。
そのEL−900、何がすごいって、VA音源を搭載しているということや、世界初のFSV鍵盤とかいう鍵盤に変わったこと。・・・といっても、私もまだピンときてないんですけど。なんか、鍵盤を押したり揺らしたりすることによって、音程やビブラートを変えることが可能になったようです。 つまり、鍵盤の新奏法をマスターしなくてはならないわけですね。ああ、現在の機種の奏法すらまだまだだというのに・・・。
でも、嘆いていても時代に取り残されるばかり。発売になったら、レンタルに行って触ってこなくては、と思っているところです。そして今年はぜひ、またレッスンを受けたいものです。
ところでそのEL−900は、XGフォーマットに対応していて、コンピュータとの親和性が高くなったようで、やはり時代の流れに即したものなんだろうなあ、と思います。

エレクトーンの勉強を始めて、身に付いたと思えるのは、各パート(メロディ、ハーモニー、リズム)の役割を自然な形で覚えることができたことです。
それに、各楽器の知識・各ジャンルの知識が必要になって大変ではあるけれど、楽しみながら勉強できることです。
子供の頃は、ポップス(ビートルズやカーペンターズ等)のメロディに親しみ、だんだん上達してくると、各自の好みの曲を追求できるのが、魅力だと思っています。
私が好きでよく弾くジャンルは学生の頃からあまり変わってなくて、FUSION・JAZZ・BOSSA NOVAなどですが、「EL−90」を弾くようになってからは、あまりの音の良さ・原曲の主要パートをほぼ網羅している素晴らしいアレンジの楽譜がたくさん出版されたことによって、クラシックやオーケストラサウンドの曲も練習する ようになりました。

エレクトーンは、昔の古い型のイメージでとらえられがちのような気がしますが、デジタル化の進んだ最近の機種は、とても良い音色がしますし、リズムの打ち込みや音色のEdit等の機能も本格的です。
前述のEL−900の登場によって、ますます可能性が大きくなり、もっとエレクトーンが普及してくれればよいなあ、と思います。
もちろん、長年のユーザとしては、新機種の登場のたびに、「うう、買いたい!でも高すぎる・・・。」と 涙した歴史があって、特に今回の新機種登場では、「あああ、買いたい!」という気持ちが大きすぎます。 でも、現在私が持っているEL−90だって相当すごい機種だし、まだ使いこなせていないのですから、 私は初めて自分のお金で買ったエレクトーン「EL−90」を、当分は大切に弾くことになるでしょう。
ところで、エレクトーンについて不便だなと思うことは、100kg位の重さで運搬が大変、ということです。何しろ持ちづらい形状なので、引越しの時は4人の業者の方が汗をかきかき、やっと運んでくれました。
友人の結婚式で一曲プレゼントしたい、と思っても、式場によって置いていなかったり、とても古い機種だったり。なかなか思うようにいきません。こんな時は、どこにでも普及しているピアノや、持ち運びのできる小さい楽器ができれば良かったなぁ、と思うのですが、やっぱり私の音楽生活の基本はエレクトーンなので、数々の 不便を抱えながらも、続けていくんだろうなあ、と思っています。


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