[鷲崎港で釣ったクロカラ。
これから4月に向けて更に良く釣れるようになる]

新潟日報
平成13年2月
 【キツネメバル】

 春が近づくにつれ陽射し が暖かくなってきた。平地 では雪がとけ、木々も何や ら春めいてきた。ふと見ま わすと葉の無い枝に数種類 の小鳥がいるのに気付く。 ふきのとうも顔をみせ、渓 流はキラキラと輝き解禁を 待っているかのようだ。
 水温が下がると接岸する 魚たちがいる。ホッケやハ タハタ、馴染みは薄いがホ テイウオやカジカの仲間な ど普段は深場にいるのだが 産卵行動で浅場へと移動し てくる。水の温む春に卵が ふ化するよう、藻などに産 み付けるのであろう。
 キツネメバルも春に近づ くと浅場に顔を見せる魚種 のひとつ。水温が上がる六 [クロソイが多かったけれどクロカラも釣れた。
どちらも美味しい魚、釣っても面白い] 月頃には浅場から姿を消す 魚で、メバルというより見 るからにソイに近い。沖の 船釣りでも釣れ、大きいも のでは四十センチを超え、 迫力がある。慣れないとク ロソイと混同しやすい。相 川ではクロソイをドウコ、 キツネメバルをクロカラと 呼んで区別している。他の ソイ類と同様に小魚やエビ、 イカなどを食べ、自分の半 分程の餌にも飛び付くどう 猛な魚である。
 堤防のヤリイカ釣りの十 五センチもある餌に二十セ ンチ余りの魚がちょっかい を出すほどだ。そのどう猛 さゆえにルアーやホタルイ カ、小魚、そしてイカやサ ンマなどの切身を餌にする とよく釣れる。
 岸からは夜釣りが中心で 五月始め頃まで。その後は 船からの釣りとなる。他の ソイ、メバル同様に堤防の 敷石周りや岩場に多く、深 場の人工魚礁にもよく付く 魚である。
 締まって淡白な白身は刺 身、煮付け、塩焼き、揚げ 物など何にしてもおいしく、 味噌汁や鍋にしてもいいダ シが出る。専門に狙う人は 少ないが、美味しいので釣 れると喜ばれる魚である。
[またまた出ましたカジカジで〜す。
ライトタックルでのファイトは楽しい。]  狙った魚以外を外道と呼 ぶが、キツネメバルは外道 としてでなく狙って釣ると 結構釣れるものである。春 遠からじ。風の無い日、釣 りに遠ざかっていた人もそ ろそろ腰を上げてみてはど うだろうか?。