[真野湾のシロウオが上る河口で釣ったヒラメ]

新潟日報
平成13年4月
 【ヒラメ】

 ツバメが飛来する季節と なった。日当たりのいい石 垣にはトカゲの姿が見える。
 コゴメやウド、アマドコロ 等の山菜と川に上がりたて のシロウオの卵とじ。春の 賞味に自然のありがたさと 同時に活力が沸いてくる。
 海は凪ぎ、川に遡上する 魚を狙って河口にはスズキ やヒラメが集まる。スズキ は闇や濁りにまぎれて小魚 を追いまわすが、ヒラメは 得意の保護色で海底と同化 する。小魚の通り道で待ち 伏せて飛び掛かる獰猛な魚 である。
 専門に狙う人は少ないが ルアーでのスズキ狙いに外 道としてよく針に掛かる。 シロギスが釣れるようにな ると、掛かったキスにヒラ メが飛びつく事も多い。活 きているキスやイワシ、ア ジ等の小魚を餌に、泳がせ 釣りで狙うと釣れる確立が 高い。
 よくカレイとヒラメの違 いが話に上るが、エラのあ るほう(腹側)を手前にし て置くと頭が左にくるのが ヒラメで、昔から「左ヒラ メの右カレイ」と言う。ま た「ヒラメ四十」というの はえさをくわえてから飲み 込むのに時間がかかるから で、アタリがあって四十数 えてから合わせるところか らそう言われている。
[ワームを丸呑み。一度アタリがあって2度目でキャッチ]  周知のようにヒラメは高 級魚で、刺し身や洗いが一 般的。中でもヒラメの縁側 は絶品である。上品な白身 はすしネタや洋風にソテー しても非常においしい。
 沿岸の食物連鎖の上位に あるヒラメ。河川改修、海 岸の整備などで生態系が変 わり、餌となる小魚や住む 場所にも変化が起きている。 養殖方法が確立し稚魚放流 が可能な現在ではあるが、 魚が住みやすく自然に繁殖 できる海であって欲しい。 それがトキの住める島佐渡 を目指す事と無関係にあろ うはずは無いのだから。