[実際は一人で10枚以上釣ったよ〜ん!
最大48.?センチだった]

新潟日報
平成11年5月
 【黒鯛】

 蕨にウド、水ブキなど山 の幸が食卓を彩り、採れた てのワカメと筍の味噌汁の 美味さに思わず声が出る。 海の中も水温13度以上が 安定し、いよいよ本格的な 春の到来である。
 ウミタナゴの腹もふくら み、アジの大型が磯や堤防 で釣れ始める。深場に居た クロダイも産卵のため、藻 場を求めて浅場へと大群で 移動する。この行動を乗っ 込みと呼び、太公望にとっ ては型、数ともに釣れる絶 好の機会。待ちに待ったク ロダイシーズン開幕といっ たところである。
 佐渡へとなびく釣り人の 多くはクロダイに魅せられ [千本の沖のミコで釣った時のもの、よく引いたなあ。ベタ凪] た者たちで、毎年、しかも 年に数回越佐海峡を渡って くる人もいる。佐渡のクロ ダイフリークたちも磯や堤 防など、昼夜を問わず竿を 振る姿を見かける。釣り方 も多様で、ウキ釣り、投げ (ぶっ込み)釣り、落とし 込み釣り、船のかかり釣り、 流し釣り等。こんなにも多 くの釣り方がある魚も珍し い。北は北海道から南は九 州まで生息し、その土地土 地の釣り方が発展してきた。
 野武士を思わせる姿、引 きの強さ、一匹を釣り上げ るまでのプロセスの奥深さ などが、釣り人の心をつか んで離さない原因のようだ。 釣り上げた魚体に見とれる 事もしばしばで、色は銀色 だがやはりタイの姿は美し い。
 食べ方も刺し身にあらい、 湯引きなどをはじめ、煮付 けたり小型なら塩焼き。お 吸い物や、味噌付けの焼き 魚もいい。最近私の気に入 っている料理は、にんにく とオリーブ油を使ったカル パッチョである。
[クラブの招待の時のもの。さすがの50センチオーバー!
鵜澤スマイル]  沖磯のみならず人間臭い 港の中まで意外と近場で釣 れるクロダイ釣り。一年で 一番いい時期である。この 機会に竿を出してみてはど うだろう。私も黄色いカン ゾウの花が咲くころに、沖 の小さな磯の上で竿を振っ ていることだろう。