Solaris 8 for Intel のインストール

 2001年4月から、Solaris 8が無料でダウンロード出来るようになりました(要登録)。Solaris 8にはSPARCプロセッサ版とIntelプロセッサ版があり、Intel版はPC/AT互換機で動作します。ここでは、Intel815チップセット採用のマザーボードを搭載した省スペース型PCに、Intel版Solaris 8 (2001/04ハードウェア対応)をインストールする手順を書いておきます(後で自分がもう1度やるときに忘れてたら困るので(^^;)。

 ちなみにこの情報は2001年8月末のものです。以後パッチの番号が変わったりするかも知れません。またハードウェア対応が更新されれば以下の手順を踏まなくてもすむようになっているかも知れません。

 対象マシンはCompaq Deskpro EN SF(Pentium3/667MHz)。1個のドライブに2つのパーティションを切って、片方にWindows2000がFAT32で入っているものとする。インストールやパッチ施行自体の方法はそれぞれのドキュメントを参照するということでここでは説明しない。

 Solarisをインストールする前に、i815チップセット用のパッチをダウンロードしておく。http://soldc.sun.com/support/

109401-10 ディスプレイドライバ
110959-01 カーネルパッチ
111187-02 ネットワークドライバ

 ついでにRecomended&Securityパッチも落としておく。WindowsのC:\直下に適当な名前でディレクトリを作って、ダウンロードしたパッチを置いておく。ZIP展開しておくと後で楽。

 SunのサイトでインストーラCDのイメージファイル一式をダウンロードしてくる。Software1、Software2、Language、の3枚があればとりあえずフルインストールできるが、できればDocumentationもあった方が後で便利。

 Software1のCDでブートする。パッチを当てるまでビデオやネットワークのチップは認識されないので、ディスプレイの設定はStandardVGA16色の640x480、ネットワークは使用しない設定でインストールを実行する。ディスクのスライス構成は自動設定だとルートや/optの容量が小さすぎるので、カスタム設定でそれぞれ多めに取っておく(または、スライスを分けるのを止めてルートに全容量を割り当てる)。それ以外はデフォルトでOK。インストール後の処理は手動リブートを選ぶ。

 インストールが終了したら、リブートする前にディレクトリ/a/dosを作り、viで/a/etc/vfstabを開いて、以下の1行を追加しておく(空白部分はtab)。

/dev/dsk/c0d0p0:c	-	/dos	pcfs	-	yes	ro

 リブートしたら、ディレクトリ/dosにWindowsのc:ドライブがマウントされているので、そこからパッチを当てる。必要なパッチを全部当て終わったら、コマンドラインからsys-unconfigを実行する(リブートされる)。

 ビデオとネットワークを認識するので、IPアドレスやドメイン名、参照先DNSなどを環境に合わせて設定する。ディスプレイはintel810-815、1024x768/16777216色で認識させる。

 オンラインマニュアル(manpage)、gzipなどは初期状態では入っていないので、Software2のCDからインストールする。AnswerBook(HTMLベースオンラインヘルプ)はDocumentationCDからインストールするが、Sunのサイトからインターネット経由でも参照出来る。

 IPアドレスをDHCPサーバから取得するように設定すると、ホスト名が"unknown"になってしまうので、以下の対策を取る。

 /etc/nodenameに本来のホスト名を書く。

#echo ホスト名>/etc/nodename

 /etc/dhcp.ibrb0に"start"とだけ記入する。

#echo start>/etc/dhcp.ibrb0

 /etc/hostname.iprb0を0バイトのファイルとして作っておく。

#>/etc/hostname.iprb0

 /etc/rcS.d/S30network.shの末尾近く、以下の部分

#
# If the netstrategy was unsuccessful or we haven't got a locally configured
# name, default to "unknown"
#
if [ -z "$hostname" ]; then
        hostname="unknown"
fi

/sbin/uname -S $hostname
echo "Hostname: `/sbin/uname -n`" >&2

# Reset the library path now that we are past the critical stage
LD_LIBRARY_PATH=; export LD_LIBRARY_PATH

 に、以下のように追加する。

#
# If the netstrategy was unsuccessful or we haven't got a locally configured
# name, default to "unknown"
#
if [ -z "$hostname" ]; then
        hostname="unknown"

#---ここから---

 if [ -f /etc/nodename ]; then
       hostname="`shcat /etc/nodename 2>/dev/null`"
 fi

#---ここまで追加---

fi

/sbin/uname -S $hostname
echo "Hostname: `/sbin/uname -n`" >&2

# Reset the library path now that we are past the critical stage
LD_LIBRARY_PATH=; export LD_LIBRARY_PATH

 ただし、/etc/hostsには反映されないので、手で書き換えてやる必要がある(そのままだとgnomeとかは起動出来ずに落ちてしまう)。

 スタティックルートの追加。デフォルト以外のルートをいちいち設定するのは面倒なので。

 /etc/rc2.d/S72inetsvcの末尾に、以下の内容を追加する。

# Local static routing table setup
#
 if [ -f /etc/local.route ]; then
  /etc/local.route; echo "set local routing table."
 fi

 /etc/local.routeを以下のような内容で編集し、実行権をつけておく。

#!/bin/sh
# set static routing for dialup remote network
route add net 192.168.0.0 192.168.1.225 1

 3行目以降は単なるrouteコマンド。ネットワーク情報は環境に合わせて変更する。

参考ページ:http://www.nspl.co.jp/Solaris/Basic/routing.html

 Netscape(Mozilla)のMailで、ユーザ名(メールアドレスではなく、POPサーバのログインアカウント名)に"@"が含まれていると、エラーが出て接続できない。Netscapeの初期設定ファイルに以下の1行を追加する必要がある。

 初期設定ファイルの所在:
 Netscape4.7x (ユーザーホーム)/.netscape/preferences.js
 Netscape6/Mozilla0.9.x (ユーザーホーム)/.mozilla/default/(8.3の文字列)/prefs.js

user_pref ("mail.allow_at_sign_in_user_name", true);

 Java Plug-inのインストールは、Netscape/Mozillaのアプリケーションのあるディレクトリ下の"plugins"ディレクトリ内に、任意のJDK/JREのプラグインライブラリへのシンボリックリンクを作って置いておく。

2001/9/2

 その後Solaris 8は有料($20)に戻ってしまいました。Solaris 9は無料ですがSparc版しかありません。ユーザーグループではSolaris 9 Intelも出せと非難囂々らしいです。

2002/9/6


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