Forget Me


「じゃあ、またね」と笑う君を 連れ去って行く地下鉄
見送った僕は 言いかけた台詞を無理に飲みこみ口唇を噛む
ふいに訪れる喪失感が 僕を苛んでいる
―Forget Me


君はいつまで 僕に微笑みを贈り続けるだろう
にっこり笑って「あなたしだいよ」だなんて 君の台詞が痛いよ
背を向けられただけで 臆病になるのに
―Forget Me


連絡事項だけの短すぎる電話 また何かを言い忘れている僕
それが たとえ他愛のないことでも きっと構わないはず
受話器を置いた手に 君の余韻が残る
―Forget Me


逢う度に君にミステリアスになるね 僕は只の道化師のよう
けして手が届かない 自分を写す合わせ鏡にも似て 辛いだけ
君はいったい 僕に誰を見てるの
―Forget Me


本当はね よくわかってる 愛はいつも孤独と引き換え
君に盗られたから 抜け殻の心 暗闇の中で膝を抱えてる
どうか僕を一人にしないで 気休めでいい
―Forget Me


気休めの台詞でいいから 一言答えて
―Forget Me


どうか僕を忘れないで