夏服の午后


 電話では逃げられるからね
 待ちぶせしたの 夏の午后
 突然でごめんね
 どうしても逢いたくて
 辛い恋したくないのに
 何故 あなたなのかな

 春の雨の日に 別れた日は
 冬服だったから
 短くした髪に
 白い夏服が 似合うでしょう
 友達としか思えないなら
 何故まぶしそうに目をそらすの

 夏風が 切った髪を 腕にかけた上着を
 スカートを揺らす
 今でも あなたが好きですと
 喉元まででた声 飲みこんだ

 受話器越しなら笑ってたのに
 煙草のけむり 目にしみる
 強引でごめんね 顔が見たかったの
 困った横顔でもいい
   夢でさえ 逢えないのなら

 舗道歩く彼 腕組む彼女
 幸せそうに過ぎる
 花も散ったのに
 白い夏服に 想い隠している
 気まぐれでもかまわないわ
 嘘でも好きだと抱きしめて

 夏風が 見つめる瞳に
 言いかけた言葉に あなたに吹いた
 今でも あなたが好きですと
 言えずにうつむく私 困らせてる

 白い雲 見上げて
 あなたが あやまるから
 余計辛くなる わがままでごめんね
 半袖の腕に少し冷たい風
 上着を着せかける手をとって
 そっと頬よせた

 夏風が 切った髪を 腕にかけた上着を
 スカートを揺らす
 今でも あなたを愛してる
 瞳に込めた想い 抱きしめて


作詞:相澤拓哉  作曲:神沢俊広  オリジナル・シンガー:佐伯 舞


〜第一話 意地悪な宿題 より〜