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ダリ(1904〜1989)の絵画を理解するのは、大変難しい。彼が、フェルメールを崇拝していなかったなら、ダリにコメントすることは、なかったと思います。
ダリが、フェルメールの作品の中でもっとも気に入っていたのが、レースを編む女性です。
この絵を、ダリは自分の得意な分野で、描いています。判ると思いますが、絵の中にそのまま、フェルメールの原画から取ってるところがあります。それは、女性の顔・手元・裁縫箱の赤と白の糸です。これらは、偶然ですが、私がCatch
eyeしたところと重なります(⇒答「レースを編む女性」)。絵は、長らく個人所蔵でしたが、今はニューヨークのグッゲンハイム美術館にあります。ニューヨークを訪問した時に、訪問してみたいと思います。ダリがこの絵を描いたのは、1955年で板に描いた油絵です。大きさは、縦24cm×21cmです。フェルメールのレースを編む女性と、ほぼ同じ大きさです(⇒全作品大きさ比較)。
レース編みの娘の妄想的、批判による絵画 |
マウスポインタを写真の上に乗せてみてください。
フェルメールの『レースを編む女性』に置き換わります。
この少女から放射状に伸びる角のようなものは、犀のものです。動物園で、レースを編む女性と犀を並べて描く姿を中々のものです。
ダリは、フェルメールの『レースを編む女性』のことを、こういっています。「偉大な絵は、芸術家が暗示するだけで、目に見えない大きな力を感じとることができる。この絵には、それが感じられる。娘の持つ、目に見えない針を中心に宇宙全体が回っていることを私は、知っている。」
ダリの言葉に、最大限の評価をしていることがわかります。次のページでは、フェルメール作品と似通った、ダリの『パン籠』について掲載します。
(2002年9月18日作成)