芭蕉の子か・二郎兵衛『覚書』 |
芭蕉・終の旅 |
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著者 : |
山嵜泰正 |
出版社 : |
自費出版(残部僅か) |
価格 : |
971円+税 |
サイズ : |
A5判 |
ISBN : |
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発行年月 : |
1994年1月 |
■内容説明 |
寿貞(じゅてい)は芭蕉の「妻」または「妾」、あるいは甥「桃印の妻」ともいわれる。
芭蕉は元禄7年、最後の旅に、寿貞の子・二郎兵衛を連れて京都の落柿舎にやってきた。そこで、江戸・芭蕉庵の留守番をしていた寿貞が病死したという知らせを受取った。
芭蕉は「寿貞無仕合もの。まさ、おふう同じく不仕合せ。……何事も夢まぼろしの世界」と嘆きの手紙を書いた。伊賀上野で、芭蕉は「寿貞の死」を傷み
数ならぬ身とな思ひそ玉(魂)まつり
と吟じた。二郎兵衛は芭蕉翁と実母との関係、翁の親身の言動に、ひょっとして翁は「実の父」ではないのかと思った。それから四ケ月後、二郎兵衛は芭蕉(51歳)の臨終に立ち会った。芭蕉の終(つい)の旅を綴る『覚書』を懐に、二郎兵衛は芭蕉の門人を尋ね歩いて自己の出生の秘密を探り続けた。
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