京都府の不思議事典 |
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著者 : |
井本伸廣・山嵜泰正 共編著 |
出版社 : |
新人物往来社 |
価格 : |
3,000円+税 |
サイズ : |
A5判 / 232p |
ISBN : |
4-404-02853-9 |
発行年月 : |
2000年4月 |
■内容説明 |
京都府のさまざまな不思議 191項目(1項目800字で語る)
井本伸廣(京都教育大学学長) 山嵜泰正 共編著
伝承・説話編 16編
文学・芸術編 27編
行事・寺社その祭礼編 14編
宗教編 21編
歴史編 45編
産業編 20編
地理編 24編
自然編(鉱物・植物・野鳥) 24編
【はしがき】
洛中洛外図の視座で 山嵜泰正
京都は平安建都千二百年祭を経てもう数年になる。歴史上の人物も数多く、その史蹟も多い。そんな中で何を不思議と見るか。私自身、若い頃「物事の真偽」を峻別(しゅんべつ)すべきだと必死になった。しかし、説話伝承の世界に触れ親しむようになって、説話伝承に過去の真実やメッセージが潜み、民衆の願望や憧れがこめられていると知り、真偽を区別しつつ、伝承もそのまま受取ろうという気持ちになった。例えば、玄奘三蔵の『大唐西域記』は彼の旅行記で、小説『西遊記』では孫悟空が大活躍するように、弁慶が『義経記』で大活躍する。弁慶の腰掛け石は至る所にある。もしその伝承がなかったならば、それはただの石に過ぎない。その伝承のお蔭で史跡とその人物を思いおこすわけである。『源氏物語』は架空の物語だが、宇治には宇治十帖の史跡があり、作中人物がそこに住んでいたかのように錯覚する。考えれば「事物が其処(そこ)に存在すること」が不思議といってよい。…… 中略
洛中洛外図屏風、初期は理想化された雅な京都を「神の目で見た俯瞰図」だったが、時代が下ると、現実の人間風俗を描こうとする「庶民の眼」、だが、さまざまな人間を平等に見る「仏の眼」で描かれる。……
洛中洛外図屏風は当時のさまざまな風俗や景観を教えてくれる事典である。その意味でこの『京都府の不思議事典』は洛中洛外図の視座で選び出した。 |
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