1stCLASS
 1アマの試験

電気通信術の試験は電信級の合格以来10年以上CWでのQSOを
続けていましたので絶対の自信はありました。
そこで、4月期の国家試験を受けるために、1月から学科の勉強を
始めました。ほぼ、毎日、夕食後1〜2時間CQ出版社の「上級
ハムになる本」を最初から最後まで2巡すれば、なんとかなるだろう
で、頑張ったのですが、最初の一巡はいいのですがさすがに二巡目は
少々だらけてしまいました。その後、苦手な部分を集中して勉強し
2ヶ月がすぎ3月はほとんど勉強せずに、試験の日が近づいてしまい
ました。最初に飛ばしすぎると、後が続きません。なんせ、まともに
受験勉強なるものをしたことがなかったので、ペース配分が??Hi

そんなこんなで、とうとう試験当日、ローカル局と4人で仙台市へと
朝?夜中?午前3時出発しました。長野市も仙台市も距離はほぼ同じ
ですが、長野は学科と実技が別の日で2日かかるのが、仙台は1日で
終わるので、新発田からは当時仙台で受験する人も多かったようです。

仙台に到着してから朝食、しかし私は極度の緊張で食欲ゼロ!
ジュースか何かを飲んだだけでした。その後、他の3人は2アマ受験の
ため、一人別会場へと向かいました。7エリアでの受験ですので
まわりは全然知らない人ばかり、ますます緊張・・・

午前は確か無線工学でした。このころは、記述式の試験で出題は5問
1問落とせば20点減点ですので、2問間違えば不合格。でも4問は
自信アリ、あと1問は全くの0点ではないはず、結果だけがチョット
違っていたので、90点ぐらいは取れていたはず。
問題の用紙が1枚と答案用紙は真っ白な紙が配られるだけで1問あたり
B5版1ページびっしり書いた。(自分の持っている知識を全てぶっつけた)

午前の学科終了後昼休みの間に電気通信術の送信試験を適当な時間に
受けるシステムでした。とりあえず、様子をうかがうと、広い部屋に
たしか試験官が3人、それぞれ、印字機を前にして座っていました。
もうすでに、何人か受けていましたので、送信された符号を聞いて
こんな符号で1アマ受けに来るの?(失礼)私が聞いて一番へたな符号
に聞こえた人の後にだれもいなかったので着いた。
下手な人の後で、私の符号を聞けば、比較して少しは良く聞こえるだろうと
思ったからですが、印字機を見ていますので、前の人との比較には
なりません。アハハハ。

先ず、電鍵のギャップ調整をして、少し問題用紙をみて打ち始めました。
調子が良くて(それまで私が家で使っていた電鍵は確か700円の
超安物電鍵でしたので試験場の電鍵はものすごく打ちやすかったのです)
そうこうしているうちに、試験官がもう練習は良いでしょうと言って
(止めないと最後まで打ってしまいそうで)ストップをかけられてしまい
ました。本番はもちろん、絶好調、自分の符号に酔ってしまいました。
打ち終わってから試験官にどうでしたかとたずねると「けっこうでした」と
言う返事をいただき「よし!」これで科目合格はいただき(オッとまだ受信が)

昼食もまだ食欲なし、ほとんど のどを通らないので軽くすませて、
午後の電波法規の試験開始まで少し休憩、でも知らない人ばかりで
話も出来ず、またまた緊張の時間が・・・ 学科は落ちても仕方がない
くらいで望んだのですが、工学が自己採点で完全に合格点に達している
ので、欲が出て何としてでも、合格が目標になってしまったのです。
法規は5問中2問がどうも怪しい、でも関係する項目で知っている内容を
おもいっきり書いたので少しは点数になるか???(これが結果オーライに
なったのでしょう。)

そして、最後の電気通信術の受信。和文が先だったと思うが、始まった
とたんしばらくの間 会場内が「しーん」それもそのはずいきなりの数字、
記号や数字も出ることがあるとは聞いていたがいきなり「二ツノデンキヨク
ニ・・・」という内容でしたので最初でコケタ人がかなりいたようでした。
その後今度は一斉に鉛筆の音が「かつかつかつッ」とものすごく大きく響いた。
欧文60字/分は楽勝。 遅いくらいで一文字ずつ集中すればいいのですが
つい読んでしまい、平文ですので次に何が来るかわかってしまいました。

帰りの車の中では、もうすっかり気持ちが楽になり、猛烈に食欲が!!!
そういえば朝からほとんど食っていない状態でした。胃袋は正直です。
途中で夕食をとり、わいわい言いながら、帰ってきたのでした。

一ヶ月後、合格の葉書を受け取ったときは飛び上がって喜びました。
そして、自分へのご褒美に、HI・MOUNDの最高級電鍵HK−808を購入
現在もそのKEYを使い続けています。

現在は学科が択一式で電気通信術は受信のみの和文なしになり、以前より
受けやすくなりました。

思えばこの頃が和文欧文共一番調子が良かった様です。毎日のように
和文でのラグチュウを楽しんでいました。が、その後SSTVに夢中になり
CWから遠ざかり和文のQSOをほとんどしなくなったのです。