九州のマッターホルン
虚空蔵山
黒髪山から見た虚空蔵山
佐賀県・黒髪山から見た虚空蔵山と多良山系
虚空蔵山虚空蔵菩薩
 佐賀県嬉野町と長崎県川棚町および東彼杵町の境にある標高608.5mの山。約2000万年前の新世代新第三紀新世(鮮新世)に噴出したと推定されるコニーデ式火山です。山地の大部分は輝安山岩で、長い間の浸食で今のような姿になりました。南西方は特に断崖が屏風のようになっています。
 弘法大師が修行に励んだとされるこの山は、長く信仰の対象とされてきました。江戸時代には、虚空蔵岳あるいは甲後岳といいました。虚空蔵岳とは、山頂に虚空蔵菩薩を祀ったからといわれています。甲後岳は、神の籠もる山、神籠岳に由来したものと考えられます。明治時代になってから虚空蔵(こくうぞう)山に統一されましたが、地元の人たちは「こくんぞう」と呼ぶことが多いようです。
山中には大村純忠の庇護を受けた大村キリシタンによって、 1574(天正2)年多良岳金泉寺と同時期に焼き討ちにあって焼失したという真言宗道徳寺の寺屋敷跡もあります
虚空蔵菩薩と雨乞い
日照りが続くと、地区の人々は虚空蔵山に登り、虚空蔵菩薩の口にみそを塗りつけて、雨を祈りました。こうすると、菩薩が喉が渇いて水を飲みたくなって、雨を降らすというもの。それでも雨が降らないときには、菩薩をかついで山を下り、平島の海の中に入れたそうです。途中、菩薩を下ろして休んだ畳2枚足らずの狭い田が虚空蔵田として残っています。
民謡に、
  木場の虚空蔵にゃ七重の霞
  かかる霞が雨となる

と歌い込まれています。
多良雲仙方向 頂上には虚空蔵菩薩の祠のほかに、三角点と案内盤があります。周囲の見晴らしもよく、多良山系の向こうに普賢岳を見ることができるほか、大村湾の向には五島灘を、長崎の稲佐山の向こうには野母半島の山々を、そして佐賀県内の主要な山全てと有明海の向こうの熊本県までを一望にできます。
虚空蔵山の周辺
虚空蔵の水 虚空蔵の水
 木場から虚空蔵山に登る道の途中にわき出ている清水。
 水温は四季を通じて14度前後。ハイカーのオアシスとして親しまれています。
四十枚日向の棚田
四十枚(しじゅうみゃあ)
 木場の上戸屋平にある40枚の狭い畑の総称。
 昔、農民が数人ここに集まったときのこと。本当に畑が40枚あるか確かめてみようということになった。数えてみたが、どうしても1枚足りない。よくよくみたら、集まった人が置いたみの(簑。昔の雨具)の下に、その1枚が隠れていた
という話が残っています。畑は、40枚で合計3畝15歩(約3.5a)ありましたが、現在は小さな木が茂っています。
この下の方には、日本の棚田100選に選ばれた、日向(ひなた)の棚田が広がっています。
岩屋権現権現社殿耳の穴
岩屋権現
弘法大師の創祀とされる権現で古くから修験道場として信仰を集めてきました。。祭神は木地毘沙門天。神殿は豊州生まれの僧円順が岩を穿って作ったとされています。拝殿と神殿を結ぶ岩穴は「耳の穴」と呼ばれ、親不孝者は尻がつかえて通り抜けられないと 言い伝えられています。 登り口の階段は199段あり、鬼が一夜で築いたという言い伝えがあります。

登山コース
・木場登山道コース
 やまびこ林道木場登山口−頂上 (ルート1) (40分)
 やまびこ林道木場登山口−頂上 (ルート2) (40分)
・岩屋登山道コース
 やまびこ林道岩屋登山口−頂上       (40分)
川棚町東部地図

大崎温泉(川棚温泉)(長崎県東彼杵郡川棚町)
国民宿舎くじゃく荘くじゃく荘浴室
僅かに黄色で硫化水素臭がする、PH8(弱酸性)の温泉。味は塩味、収斂味。泉温は58.0℃。湧出量は毎分380リットル。泉質はナトリウム塩化物温泉(低張性弱アルカリ性温泉)。泉源は三越郷オートキャンプ場の一角にあります。入浴施設として国民宿舎くじゃく荘および、しおさいの湯があります。また、しおさいの湯の入り口には足湯があり、無料で楽しめます。
入浴すると、神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、慢性消化器病、痔疾、冷え性、慢性皮膚病、慢性婦人病、疲労回復などに効果があるとされ、禁忌症として急性疾患、重い心臓病、腎不全および高血圧とされています。
波佐見温泉(長崎県東彼杵郡波佐見町)
波佐見温泉センター波佐見温泉泉源
        ↑:波佐見温泉センター           ↑:泉源
純重曹泉(緩和低張性冷鉱泉)。無色透明で重曹味がし、僅かに発泡性があります。沸かして入るお湯は大変滑らかです。
入浴施設として波佐見温泉センターがあります。入浴すると、創傷、火傷、慢性皮膚病、慢性関節リウマチ、神経痛、神経炎、慢性婦人科疾患に効くとされています。
飲用すると、慢性胃腸カタル、胃酸過多症、肝臓病、糖尿病、痛風、腎臓結石、膀胱結石、慢性腎盂炎に効くといわれています。
泉源は、温泉センターの西方約1.2kmのところにあります。
嬉野温泉(佐賀県藤津郡嬉野町)
嬉野温泉  嬉野温泉が初めて温泉として紹介されたのは、和銅6年(712年)のことです。しかし、嬉野川沿いの温泉湧出地で旧石器時代の遺跡が発見されたことから、この時代以前から温泉が利用されていたことが推測されます。
 現在、旅館約60軒、寮保養所約10軒が並ぶ温泉郷です。泉源は17か所で湯量も豊富で、汲み上げ時の温度は約100度です。泉質は無色透明な食塩含有炭酸アルカリ泉で、リュウマチ、神経痛、皮膚病、婦人病、胃腸病、貧血症、切り傷、呼吸器疾患に効果があるとされています。

うまいもの、お土産
川棚まんじゅう東彼杵郡川棚町  
[資料:川棚町商工企画課]
(2003 Aug. 21 作成、Oct. 06 加筆)
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