国指定重要文化財(建造物)
黒島天主堂

黒島天主堂遠景
 佐世保市相浦港の西方約12kmの海上に浮ぶ、人口約900人の黒島にある天主堂。
 この島の人口の7割を占めるカトリック信者は、江戸時代に西彼外海町のキリシタンが移住したもので、黒島に潜伏して深い信仰生活を続けました。
 明治12年(1879)にフランス人宣教師ペルー神父によって木造の最初の教会が建設されました。明治30年(1897)に黒島にやってきたフランス人宣教師マルマン神父の指導のもと、信者の献金や勤労奉仕によって、明治35年(1902)に新たにこの天主堂は建てられました。
 天主堂は木造レンガ造り。コンクリートで基礎を打ち、一部に黒島名産の黒花崗(かこう)岩を積んであります。壁を3段構造にして高窓などを設けた「重層形式(ロマネスク・スタイル)」は、当時の教会堂の建築様式をよく伝えています。明治、大正時代の重層形式の教会堂のなかで、規模が大きく完成度が高く、フランス製の鐘やステンドグラスが当時のまま残る貴重な教会です。
 教会墓地にはマルマン神父の墓があります。
 [所在地] 佐世保市黒島町3333