そのうち、苫前町役場を越え、UPDOWNも過ぎ去り、√239への分岐に。ここからでも一応手売、焼尻島は見える。よっぽど一昨日は天気が悪かったんだなぁ〜
√239は、ダラダラ登りの真骨頂。途中の古丹別で最後だと思われるセイコマがあったので、一応念のために非常食(チョコレート)を買っておく、しかし、周りは通学途中の女子中高生…もう北海道は夏休み終わってるんだよねぇ〜
そこから、本当に、ただひたすらダラダラと走る。登りがあったかと思えば、今度は下り。そんなのが何と50kmは続く。これはハッキリ言ってキツイ。もっと楽な道を予想していた分凄くだまされた感じがしたから、なおさら疲れる。
途中(といっても全体の4分の3くらいのところ)にある小平ダムへの分岐までが本当に長く感じられた。しかも、交通量も少なく、いつ熊が出てもおかしくないような静かな道。必死で登っていると、聞こえてくるのは風の音と木々のざわめき、そして、道路とタイヤが擦れる音と、靴の革がこすれる「キュッキュッ」という音。この革のこすれる音が定期的なものだから登りのしんどさに加えてかなりむかついてくる。
しかし、本当に登り弱くなったなぁ〜と実感。ちょっとの登りでも足がなかなか動いてくれない。フロントギヤのインナーを使う回数も相当多くなってるし、いよいよ峠の登れない体になりつつある…ってか、自転車に乗って筋肉痛になることがまず信じられない。やはりちゃんと普段から自転車に乗らないとなぁ〜
小平への分岐を越えると、ようやく峠らしくなりつつある。でも、まだ5km位はダラダラが続く。そして、ようやく峠らしく、傾斜6%の看板が出てきた!!と思ったらその坂で何と片側交互通行中(北海道では夏場、道路工事が非常に多い、一日一回は片側交互通行に出会うといっても過言ではなかったりする)。さすがにこれはやる気をなくす。
基本的に自転車ってのはなかなか片側交互通行を通れない。大体後回しにされるので、特に有人誘導の場合は要注意だ(無人信号誘導の場合はまぁ、大丈夫だが対向車線側が自転車が来ることを知らないので大抵途中で狭い道をすれ違う羽目になる、これはこれで怖い)。しかも、今回の場合、ようやく通してもらえたとしても、そこは6%の登り坂。これは本当に気が滅入る。
でも、長い待ち時間(10分以上待たされた気がする)を休憩に費やし。ようやく通行許可が出た頃には、ちゃんと走れるまでに回復してました。待っている間も誘導員のお兄さんとお話してればいいし。
その登りを越え、も一つ同じくらいの登りを越え、また登るでもない下るでもないような道を走っていると、ついに来ました霧立峠。この時点で出発から既に50km以上走ってます。なんて長い峠だ…
登りきったら、もうお腹ペコペコ。手足もしびれてきた(ハンガーノック寸前!?)、ということで即昼飯。峠に座ってサンドイッチなどを一気に詰め込む。登りきった後の食事のまたおいしいことおいしいこと。だって、後は下るだけ(笑)
食事も終わって、トイレに行って、峠下りファッション(長袖ジャージ(下)、ゴアガッパ)を装着すれば、いよいよ下り準備完了。とと、その前にここは苫前町と幌加内町の境。どこかにカントリーサインがあるはずだが…と、ちゃんと発見。ちょっと峠から下りたところにありました。しっかり写真を撮っておきます(どうでしょう的写真)。そういや、峠の途中に留萌管内のカントリーサインを一堂に集めた看板があったけど、あれはやはり「どうでしょう」を意識したのかなぁ〜
下り。非常に爽快。だって、漕がなくても進む。と思ったら、意外に傾斜のない下りも多い。ちょいちょい漕ぎながら下りてゆく、それでも、峠下りファッションじゃないと寒い。着てても寒いもの。
10数キロ下れば、幌加内町の集落の一つ、添牛内(そえうしない)に着く。ここからはそう、深名線の範疇。期待も高まる…と思ったら、√275に出る直前、いきなりありましたよ、跨線橋。跨線橋ってのは名前の通り線路を越える橋なのでその下には当然鉄路が走っている(いた)ことになる。下を除くと見事に鉄路の後が残っている…さすがはまだ廃線から7,8年しか経っていないだけある。しかも、少し北の方には駅舎らしき建物が…これは気になる!?
ちょうど輪駆の進むべき道は北。√275を北に折れ、その辺に向かう…その前に幌加内そばの文字が見える。そう、幌加内は蕎麦で有名(作付面積日本一)。やはり今日の昼飯は蕎麦かな…でもまだあまりお腹減ってないなぁ〜とか思っているとその蕎麦屋、今日は定休日だったり。ちょっとガックリ。
でも、先ほど見た駅舎らしき建物は、まさに駅舎跡そのもの。ちょっと感動。裏に回るとしっかりとホームの跡まで残っている。これは住民が保存の意思でもあってこうなってるのか、それともただ単にほおっておかれているだけなのか、その辺気になる。
駅舎の建物のホーム側には「深名線よ永遠に〜」みたいな落書きが。こんなことする奴が居るからとっとと廃線になったら撤去するんじゃないのかねぇ〜とも思ったり。でも、こう言う公共物への落書きは犯罪だぞ。覚えときな。
添牛内から北に進む。朱鞠内までの道沿いにも、当然深名線の跡は続く。私が大学入学する前の奈良大サイクの合宿で丁度この辺を走っていて、その頃はまだ踏切や鉄路も残っていたんだけどねぇ〜。今となっては踏切も鉄路も当然撤去後、まぁ、7年も経ってるから当然か。
次の集落はもう朱鞠内だったり。10数キロ走ってそれらしき集落に着く。この朱鞠内の集落も、思っていたより小さな集落。当然、コンビニなんて存在しない。まぁ、その辺分かっていたんで、集落内の店の自販機で今日の夜の為のお茶と今すぐ飲むためのジュースを購入。北海道限定(北海道の会社が造った)あやしげな「うめ」という炭酸飲料。何故かコカ○ーラ社の自販機に置いてあったりするが、意外と北海道ではよくあること。
朱鞠内の駅の跡は、すっかりパークゴルフ場と化していた(ホントどこにでもあるな、パークゴルフ場)。申し訳程度に残してある鉄路と駅名表示看板がなおさら寂しさを増徴させる。そういや、パークゴルフ場への入り口には枕木が使われてたっけ。
朱鞠内から√275に別れを告げ、朱鞠内湖畔に向かう道道に入る。しかしこれがまたいやらしい登り坂だらけ。もう輪駆、限界です。キャンプ場に着くまでに結局何回か押して上がる。途中にあった展望台も行くにはいったが高台には登らず(足が動かない)。
でも、朱鞠内湖、さすがに広い。道内最大の人造湖だけある。今は何故か水がずいぶん少なくて地表が見えている個所が多いが、それはそれでまた、沈んでいた木々が見えていてちょっと異様な景観を生み出している。
キャンプ場に着く前に、レークハウスで昼食(夕食??)やはり幌加内特産の蕎麦でしょ。誰も居ない、寂しい店内(だって、もう2時過ぎだし)で山菜蕎麦(¥650)に下づつみをうつ。しかしお腹一杯だな、夕飯いらないかも…
キャンプ場にようやく到着。使用料が¥500、少し高いが、ここの設備は道内屈指。コインランドリーにコインシャワーまであって、トイレはめちゃめちゃ綺麗。さすが高い金払うだけある。でも、そんな広いキャンプ場の第1サイト(第3まである)には、私のほかにライダーが一人。まぁ、まだ時間が早いからかな、と思う(まだ2時だもんね)
施設内に、幌加内町のカントリーサインでおなじみのあのモニュメントがあるのだが、これがまた思っていた以上にしょぼい(笑)いや、ホント見れば分かるって、あんなに小さいとは…
とりあえず、時間はたっぷりあるので、出来ることをやっておく。まずはシャワーを浴びる。今日は風呂に入ってないので、汗だけでも流しておきたい…そして洗濯。どうせ明日にはしなきゃダメなんだから、今日のうちにやっておくべきだ。洗濯の間には、これを書いて時間をつぶす。
全てが終わった頃には、もう6時近かったりする。時間が経つのは早い。
サイトに戻ってみると、未だライダー一人だけ。ひょっとして今日の客って2名(他のバンガローなどには居るみたいだが)??ライダーと少し話をするけど、あまりの蚊の多さに退散して、とっとと眠ることに…
結局眠ったのは7時。まぁ、よくあることなのだが、今日はそれだけでは終わらなかった。
突然、テントが揺れる。何事、と思って起きてみると、なにかを引きずる音がする。
そう、奴である、奴がテントの前室に入れておいた食料を無理やり引っ張り出したのである。
飛び起きて、外を見、ライトで辺りを照らす、すると、目の前にはキツネが一匹。
「北の国から」なんて見ているやわな北海道ファンにとって、キツネは可愛い生き物かもしれないが、テント暮らしを主とするチャリダーライダーにとって、キツネはカラスに次ぐ天敵。油断していたら食料を奪われてしまうのだ、しかも、キツネの場合「エキノコックス」なんてものを持っているからなお始末が悪い。
とりあえず、追い払おうとする、が、奴は既にチキンラーメンを輪駆から強奪済み。一番良いのはチキンラーメンの袋ごともってどこかに逃げてもらえればいいのだが(ゴミ処理もしなくてすむし)…でも、追い払っても人に慣れているのか、全然遠くに逃げないのがキツネのタチの悪いところ。
とりあえずしょうがないので、ある程度おっぱらって、テントに戻ることに。だって、Tシャツにトランクスの格好でキツネを追い払おうとする絵ってのは…面白いんだけどね、誰かがビデオとかで撮ってくれてたら逆に。でも、一人でやっててもねぇ〜蚊もいることだし。
とにかく、これ以上食料を強奪されないために、米(これやられたらもう死んだも同然)をテント内に避難。他の食料類、ビニール袋も一応避難させてこの日は眠りについたのである…その後、キツネの襲撃こそはありませんでした。よかったよかった。
そうそう、ちなみに朱鞠内湖ってのは、有名な心霊スポットらしいですね。
いやぁ、全然知らなかった(知っていても気に留めなかったと思うが)。
そんな変な夢も見ませんでしたよ、良い所です。朱鞠内湖。
今日の走行記録 | |||
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走行時間 | 5:38:06 | 走行距離 | 87.33km |
最高速度 | 43.9km/h | 平均速度 | 15.4km/h |
出発したのは6時半位だったか。√275に戻り、朱鞠内湖を反時計回りにぐるっと回りこむような道を走る。一応、時計回りに回る道もあるのだが、そちらの道は一部ダートの上、現在は通行止め。本当はそっちの道を深名線が走っていたからそっち行きたかったのに。
今日の√275は、ある程度の高さまで、えっちら登る。その後は比較的穏やかな道。たまに登りはあるが、その分下りもある、朝早くでまだ体力的余裕もあるのでまぁ楽勝だ。途中で昨日一緒だったライダーに追い抜かされる。彼は今日は稚内を目指すらしい、頑張れよー。
朱鞠内湖の北東側、母子里。ここは日本で一番低い気温を観測したところ(マイナス41.2度)、そのモニュメントがここにもある(形は違う)。こちらのモニュメントはかなり出来が良い。周辺も整備されているし、近くには気温表示もあって、なかなかのものだ。ここで名寄に向かう道道に乗り換える。ここからはまた小さな峠越え。でも、峠のてっぺんはトンネルなのでそんなに厳しくないかな…と。
えっちら登る。しかし、ホント登りでスピードが出ない。そして靴の擦れる音がまた苛立ちを増幅させる。これは何とかしないとなぁ〜でも、交通量は少ないし、走りやすい道ではある。そして、いよいよトンネルが近づく…
トンネルは、シェルター、トンネル、覆道の3部分に別れていて総延長が何と2,200m。これはかなり厳しいか…と思われたが、見た感じ下りトンネル。少なくともそれだけでかなり助かる(登りトンネルは地獄)。しかし長い。とにかく、峠下りファッションに着替えていざ出発。
2kmもあるトンネルだけあって、中は寒い寒い。でも、運の良いことにトンネルを抜ける間一台も車が通らなかった。いよいよ名寄市に到着。カントリーサインもしっかりゲットしておく。
峠ということもあって、トンネルの先も長い下り坂。奈良大サイクでいう鉢伏峠のような下りが眼下に広がる。これは気持ち良さそう…一気に下り始める(当然、油断は禁物、安全運転で)
下りきったら今度はひたすらまっすぐな道。そして、ほどなく懐かしい√40に出合う。
√40を走れば、すぐに名寄市街だ。さすがに名寄は大きい。店も多いので、色々と目移りするが、まぁ、とりあえずはセイコマでサンドとミルクカステーラを購入。駅に行って食べることに。
名寄駅は、2年前のツアーの終着点。本当はもう少し南を目指すはずだったのだが、どうも天候が怪しいということで、ここでツアーを中断したのである。だから、ここからのツアーはそのときの続き。今回は惜しくも一人だが、彼女の分まで走ることにしよう。
でも、まずは駅近くにある「北国博物館」を目指す。まぁ、名寄の郷土資料館だと思ってくれれば良いだろう。行ってみるとなんと、現在の特別展示が名寄の鉄道100年展(名寄駅が今年でちょうど開駅100年だからだろう)をやっているとのこと。これはグッドタイミング。
入場料は¥200。安いもんだ。まずはその特別展を見る。名寄は昔、宗谷本線、深名線、名寄本線の3つの路線の合流駅だった、そのころの貴重な資料などを惜しげもなく展示してあって、かなり楽しめた。惜しむらくはもうすこし当時の地図なんかが載せてあれば尚良しというところか。
常設展のほうも、名寄で暮らす人々の歴史なんかが追ってあって、かなり興味深い。名寄盆地独特のサンピラーなどは機会があれば見てみたいなぁ〜とおもう。結局この資料館で40分くらい過ごしてしまう。それでも結構早足で見たほうだ。今度来た時はもっとゆっくり見よう…
資料館前は、ちょうど名寄本線が走っていたところらしく、その鉄路を一部保存して、キマロキ型の機関車(除雪用、詳しくは各自で調べてください)が展示保存されてる(日本ではここだけらしい…)。まぁ、機関車とかにはあまり興味はないのだが、写真には収めておく。何しろ、ものすごく天気が良いので、何を撮っても絵になるったらありゃしない。
ちょうど資料館前は、深名線との分岐でもある。深名線もけっこうまだ後が残っているので、それを追いながら√40に戻る。ここからは一気に士別まで走る…そして昼飯を士別で食う、ってのを目標に。
しばらく走ると名寄市と風連町の境。ここは知っている人は知っている「どうでしょう」おなじみの地(212市町村カントリーサインの旅T)。ここから次は追分に向かったのだが…写真を撮って、いざ出発…なのだが、多分疲れていたのだろう。大切なヤツを忘れたまま出発してしまう。
それに気づいたのが風連駅近くのセイコマ。お金払おうとしてヒップバッグを開けたらいつもあるはずの黄色いヤツがいない。あら??と思い返して、ひょっとして北国博物館の機関車の中に!?と思いだす。よせばいいのに慌てて名寄までダッシュで戻る(風連〜名寄間約7km)。戻っている途中でそういえば風連との境で一緒に写真を撮った記憶が。デジカメで確認してみるとたしかに自転車に乗っているヤツがいる。
で、その現場に到着。でも、辺りにヤツはいない。ひょっとして転がって辺りの草むらに…と探してみるものの、やはりいない。結局、ヤツは見つかることなく、その場を去ることになる…
ひょっとしたら誰かに拾われたのだろうか。それとも、すぐ下にあった水路に落ちて天塩川を下って遥かなる海までの旅を始めたのか…
完全に俺の不注意だった。でも、きっとヤツは今でも幸せに旅をしているに違いない。だって、彼は北海道で一番旅をしているヤツなんだもの…
さようなら…「onちゃん」
また旭川に行ったときに「on二世」を手にいれようと誓いつつ。風連町を走る。ちょうど中心部くらいに郷土資料館があったので寄っておく。開拓の歴史なんかは見ていてホント面白い(沿岸と内陸で全然違うのよね、同じ北海道でも)。
その後、食購をしてキャンプ場へ。とりあえずはつくも水郷公園キャンプ場に行ってみる、が、誰もいない。しかも、ちょっとキャンプしづらそうな感じ(夜中にヤンキーとかきそう)。嫌な予感がしたので、ここは少し無理をして、もう一つの「士別市自然公園内グリーンスポーツ施設」に向かう。少し遠いが20分位で到着。ここは最後に坂があって結局押して上がる(ほんと脚力なくなってます)。
で、受付に行ってみる。そこで食らった一言「今のところ貸し切りですよ」。
こっちっもか…と嘆いてもしょうがない。誰か来ることを祈りつつテントを張る。そして、とりあえず風呂。下にあったホテルで日帰り入浴できるとのことなので、行ってくる。行ったついでに風呂上がりに休憩室でコレ書いてモバギの充電も完全にする。
キャンプ場に戻る途中になんとライダーが一人。違う入り口だったのでひき返して行くライダーを見て、「頼む、こっちにやって来い」と思いつつ待っていると本当にやってきた。これでとりあえず悲しい一人キャンプだけは免れた。
その彼は昨日今日と手売、焼尻に行っていたらしい、ちょうど輪駆と一日違い。なんだかんだ話ながら夜が過ぎてゆく。やはりこうやって始めてあった人とでも話せてしまうのが旅の楽しみの一つだねぇ。
今日は星が綺麗だ。明日は晴れるといいなぁ〜と思いながら眠ることに。
明日はいよいよ塩狩峠、そして(当初の)ゴール地点旭川。
頑張って走りますよー!!
今日の走行記録 | |||
---|---|---|---|
走行時間 | 5:55:03 | 走行距離 | 99.93km |
最高速度 | 50.7km/h | 平均速度 | 16.8km/h |