'98北海道ソロツアー

 初北海道、日程の許す限りのロングツアー

北海道東部、北部  大学2年生の夏の話である
先輩にさんざん北海道はいいよ、と薦められてツアーを計画
大学2年生なんて、暇を持て余してしょうがない時期なので
まだツアー経験のさして多くない輪駆にとっては、極端に長い
これはPreツアーになるのだが、合宿集合日は8/19
奈良を発ったのが8/4、およそ15日間のソロツアー
合宿(+帰りは輪行)もあわせると何と約25日間にもなる

丸一ヶ月家を空けた長旅だ、実際の話久々の我が家で
いきなり蜘蛛の糸の洗礼にあったのは言うまでもない

≪1998年8月4日≫(晴れ)
旅程:奈良〜舞鶴(フェリー泊)

 今ではすっかり飽きて(!?)しまった舞鶴までの輪行も、今回が始めてだ、列車に揺られて舞鶴まで…
フェリーターミナルも、さして迷わずに到着。乗船券は事前に購入していたのでさして迷うこともない
この時期は北海道に渡るライダー&チャリダーが非常に多い、時にはママチャリダー(*1)も居たりする
フェリーに乗り込むと、早速自分のブース(2等寝台)にもぐり込んで、睡眠…

当時の日記の抜粋
「こうして、生きて帰れるかどうかも分からない炎のソロツアーは始まったのである…」

<4日終わり>

≪1998年8月5日≫(曇り)
旅程:船中
 ひたすら眠りつづける、一日の半分以上は寝ていたと思う
明日も移動日だと思うと気が重い(笑)そう思うと眠るしかない
この頃はまだ思い切って交流を…なんていう気も全然しなかった訳で…
明日はいよいよ初北海道上陸、楽しみだ

当時の日記の抜粋
「明日はまた輪行day、肩の痛みも一段とひどくなるであろう日である」

<5日終わり>

≪1998年8月6日≫(曇り)
旅程:小樽〜釧路(輪行)

 6時過ぎの列車に乗って、釧路に着くのが18時頃…約12時間の輪行である
でも、乗り換えはたった2回、楽と言えば楽な日だ。しかし、江別での乗り換えで100m位歩かされる
途中、チャリダーのおっさんと知り合うが、彼は途中の駅で降りていった…
そして、滝川では、朝食の出来そうな場所を探すのに市街地を歩き回るはめに…
追い討ちをかけるかのごとく、滝川〜釧路間の列車内で、子供達のうるさいこと…
そしてようやく釧路着、さすがに身体がしんどい、でも、待望の和商市場、海鮮丼が待っている…
と思ったら今は夕方、当たり前のように市場は閉まっている仕方なく泊まれそうな場所を探す…
でも、市街地にキャンプ場などあるわけも無く、結局駅近くの公園にテントを張る
まぁ、他にもテントがあったりするので、問題はないだろう…でも、初のゲリキャン(*2)にドキドキ
明日は海鮮丼食べるぞ〜♪

当時の日記の抜粋
「まだ8時半なのに結構眠い…いつの間にか昼型人間に戻っているのだろうか?」

<6日終わり>

≪1998年8月7日≫(曇り)
旅程:釧路〜霧多布岬

霧多布岬 いよいよ本番である、目覚めは5時、市場は6時前には開く
そしてVIVA海鮮丼!!を楽しんで、7時には出発
さすがに朝から良いものを食べただけあり、調子もいい
釧路市を後にして、快調に走る…ことが出来たのは最初の30kmまで…
そっからは急に疲れがきて、ペースも激落ち
休憩を兼ねてセイコーマート(以下:SM)で立ち読みしたりして休憩する
途中通った厚岸は牡蠣で有名なところ、でも、殻で買ってもどうやって食べる??
結局何も買わずに過ぎる、当時はまだ牡蠣に目覚めてなかったんだよ、きっと
そして霧多布湿原、釧路湿原をまだ見ていなかったこともあり、そのスケールに感動
ビジターセンターで絵葉書を買ったりして、景色を楽しむ
霧多布岬には、キャンプ場がある、荷物を置いて、岬の先まで歩く
ツーリングマップル(以下:TM)には濃霧日が多いと書いてあったが、今日は霧は無い
写真を撮ったり、岬の先端(ギリギリ)の方まで歩いたりして、岬を楽しむ
今日はここでキャンプだが、なかなかよい所だった、疲れもあってかすんなりと熟睡

当時の日記の抜粋
「お陰で88km走るのが地獄のようにしんどい…完全に体力不足をさとらされた…」

<7日終わり>

≪1998年8月8日≫(曇りのち雨)
旅程:霧多布〜根室

ムツゴロウ王国!? 今日はまず、海沿いをゆくか、√44を行くかで迷う
で、迷った挙句、海沿いを選択、これがそもそもの間違い
海沿いは風もキツイし、むやみにUPDOWNがあるし、人は居ないし
はっきり言って辛かった、ほうほうのていで√44に戻ってきていざ根室へ…
と思ったら、根室まではひたすらUPDOWN…泣きました
泣きながら押して上がりました、そしてようやく根室着、しかし雨
道路脇に建っている温度計をみると何と気温13度!!まだ夏真っ盛りでっせ!?
三重苦に苦しめられつつも、とりあえず疲れを癒そうと銭湯へ…
ここで驚くような事件(*3)に出合ってしまう!!
でも、その銭湯で同じチャリダーとひょんなことから知り合う
彼は既に納沙布岬に行ってきたらしい、彼曰く「右」な方々が沢山いたそうだ
そういや北方領土の日が近いんだっけ…う〜ん、それはそれで凄いな
とにもかくにもキャンプ場に行かねばならぬ、彼と一緒にキャンプ場まで走ることに
雨が降っているので、テントを張るにも一苦労、食事作るのも一苦労
それでも、結局疲れからあっという間に熟睡できるのはまったくもって素晴らしい
明日は晴れていれば納沙布岬に行こう…かな??

当時の日記の抜粋
「ちゅーか、このペースでは19日までに稚内に着けるのかもどうかも心配である。」

<8日終わり>

≪1998年8月9日≫(晴れのち曇り)
旅程:根室〜尾岱沼

イメージ 起きても雨だった、というわけで納沙布岬は取りやめ
雨の日に行ってもしょうがない、景色が良くてこその納沙布
またいつか行くことにしよう、きっとまた来ると思う、きっと…

で、結局北に向かったのだが、天気はまぁマシになったよ
でも、凄まじい向かい風、風速15m!?って位
全力でペダルを踏んでも、全然進まない
時折風にあおられてこけそうになる…等
途中一人おっさんが加わって3人で走っていたが、おっさん風でリタイア
2人で走る、先頭を交代して、風除けになり、後は体力を溜める…
そうして何とかキャンプ場到着、海(*4)のすぐそばで、なかなか良い所だ
で、2人で温泉へ、そこで初めて自己紹介、旅先の出会いなんてそんなもんだ
夕食も簡単に済まし、今日はとっとと寝ることに…

当時の日記の抜粋
「でも、一人で走るより大人数で走るのが楽だ…というのがあらためて良く分かった。」

<9日終わり>

≪1998年8月10日≫(晴れ〜雨)
旅程:尾岱沼〜ウトロ

国後島だっ!!
 このツアー最大の難関と言っても良いだろう
今日は知床峠越え、海抜0mから750mUPの正統派峠(*5)である
風もあまりなく、天気も良い、これなら国後島も見えそうだ!!
期待を膨らませ、羅臼に入ると…見えました、国後島の影
数少ない日本から見える日本以外の領土…何か感慨深いものがある
そして、知床峠越え、麓のコンビニで物資を補給し、食事もとっていざ
途中まず、「熊の湯」(*6)で温泉を楽しんで峠を登りきる…筈が
突如膝に激痛が走る!!昨日の風で無理したせいか!?
それでも、無理して熊の湯到着、でも、本気で痛い、これで700UPは無理か…
と、彼がエアーサロンパスを使ってくれた、すると、驚くほど痛みが引く
この勢いで一気に登頂を目指す、途中、写真を撮るのに一回停車しただけ
約700m程を一息で登りきった、いつの間にか体力がついているみたいだ…

しかし、峠は驚くほどの霧&雨、50m先も見えやしない、そして寒い
峠で写真を撮って、寒さに耐えるために、出来うる限りのフル装備(*6)をして下山
しかし、手はガチガチ、足もガタガタ、寒いの何の、視界悪いから下りは恐いし
ウトロまで降りてくると、天気はいくぶんましだったが、峠の余韻でまだまだ身体は震える
ウトロでは後輩Kが住み込みでバイトをしていたので、その店へ行ってみる
根室から一緒だった彼とは、ここでひとまずお別れだ、また会うことがある…かな??
後輩の店で、熱いお茶を貰って何とか生き返る、久々の知り合いとの出会いに、会話も弾む
この日のキャンプ場はちょっと客も多い、近くの温泉は順番待ちが起こるほどの混雑振り
膝はまだ痛む、明日は無理して走らないでおこう、せっかくだから知床五湖やカムイワッカに行ってみるか…

当時の日記の抜粋
「あまりの寒さに体がガタガタしてたから、かなりびっくりしたに違いない…本トふるえてたし…体。」

<10日終わり>

脚注説明
*1:ママチャリで旅をする人、強気ですね、俺にはできない…
*2:ゲリラキャンプの略、人目を気にしながらキャンプを張ること…
*3:サウナで謎の脱糞事件…あれ以来サウナに入るのがちょっと恐い…
*4:野付岬があるため、海だけど湖のような…でも、海だよなぁ〜
*5:峠の頂上が1200mでも、スタートが1000mからなら実際のUPは200mですよね
  このように、実際のUPが標高に近ければ近いほど正統派の峠となる…
*6:男女別の露天風呂、道のすぐそばにある、相当有名

<'98北海道ソロツアーA終わり>

<'98北海道ソロツアーBに続く>