野鉄廃線跡 1998.2

1998.2.25 

野鉄廃線跡「健康ロード」に復活 2月25日付和歌山新報より

一部800メートル、4月末に一般開放 野鉄「ミニ電車」の廃線敷

海南市と和歌山県、全長6.6キロ 17年度に全線開通


野上電気鉄道の廃線敷は一部を除き幅3.5m〜4.5m。かつては野上町・登山口駅から海南市・日方駅まで全長約11.5Kmあった。

このうち海南市内分の廃線時敷の利用は海南市と県が協議し、土地を買い上げて「自転車歩行者専用道路にするのが一番好ましい」として計画された。

現在、小石の混ざるこの廃線敷には、レールやまくら木 など、かつて地元住民の足として電車が走っていた痕跡や面影をしのぶものはほとんどないが、沿線住民らの格好の散歩道となっている。

健康ロード(仮称)は、海南市の事業(一部は重根土地区画整理組合が事業主体)では、JR海南駅を起点に

  1. JR海南駅−旧井田1号踏切(海南駅東土地区画整理事業、0.394Km)
  2. 旧井田1号踏切−旧重根1号踏切(海南駅重根線整備事業、1.944Km)
  3. 旧重根1号踏切−重根橋(重根土地区画整理事業、0.772Km)
  4. 重根橋−旧阪井2号踏切(阪井3号線自歩道整備事業、1.327Km)
 以上計4.437Kmの4区間で工事を進める。

このうち重根地区の重根橋−旧阪井2号踏切間(1.327Km)は、工費約4億2千万円をかけて10年度に完成する予定。各区間は、完成すれば順次一般に開放される。

ロードの途中にある旧春日前駅、幡川駅、重根駅の三つの駅舎跡では「ポケットパーク」(小公園)を配置。
さらに幅4.5m以上ある個所には植樹帯を設けたり、ベンチやトレーニング機器等も置く。
また旧井田1号踏切間には子供が楽しめる「ペイント壁」を7カ所設置する予定。

県でもこれと並行して、同市阪井地区にある竜部池から東の旧阪井2号踏切−貴志川・新橋間(2.144Km)を自転車専用道路として整備。一部800mはすでに完成しており3月末までには一般開放される。

平成11年度末までには同区間がほぼ完成する見込み。

貴志川・新橋から野上町・旧登山口駅間の廃線敷約4.7Kmは、県が国道370号線や県道奥佐々阪井線のバイパスとして建設計画。特に370号線は道幅が狭く朝夕の交通渋滞がひどいため、バイパス建設で渋滞緩和を図りたい考えだ。現在地籍調査中で、このあと用地買収に入る予定。


[鉄道関係のニュースと日記] [野鉄資料館]