ライブスチームの運転


1038. OS製 T5ーSUPERの初運転 (その3)  (R8.9.12掲載)

 (その2の続きです)
5インチゲージ OS製 T5ーSUPERの運転室
引き続き、5インチゲージ OS製 T5ーSUPERの運転室の各機器を見ていきます。

 G : 汽笛弁(ホイッスルバルブ)
      
      汽笛弁(ホイッスルバルブ)です。


      
      汽笛(ホイッスル)は、非公式側第3動輪の後方の運転室の下にあります()。汽笛弁(ホイッスルバルブ)からの配管は直前で2つに分岐し、2つある汽笛本体にそれぞれ蒸気が送り込まれるようで、これにより、低音を作り出すものと思われます。


 H : 水面計
      
      水面計です。ボイラーの水位を知る上で、とても重要な機器です。倶楽部のメンバーの方が3.5インチゲージのクライマックスの製作本を参考にして、5インチゲージで製作され、試運転されました。水面計を監視し水位が十分であったので、給水をしていなかったそうで、しかしながら、あまりに水位が低下してこないことから、異常に感じて、調べたところ、実際はボイラー水位は大きく低下しており、空焚きの危機に瀕したとのこと。原因は、上金具(蒸気側)への接続管をマニホルドからとっていたそうで、設計に問題があった模様です。渡辺さまの「ライブスチーム 模型機関車の設計と製作」によると、”上金具への接続管をマニホルドからと、ブロアーバルブを開けた時やインジェクターに蒸気を送った時、ガラス管内の水面がボイラー水面より上昇することがある”ようで、”金具は必ずボイラーへ直接接続する”よう記されています。上金具への接続管をマニホルドからとっていると、下り坂において、ブロアーバルブを開けていると、実際の水位より高くなり、水は十分あると勘違いしてしまうのです。T5ーSUPERにおいては、上金具への接続管()は、ボイラーへ直接接続しています。

      さらに、渡辺さまの「ライブスチーム 模型機関車の設計と製作」によると、”ガラス管の最下部が必ず缶水の最低線(例えば、5インチゲージ用ボイラーでは、内火室天井版より10mm以上上方)より下にならないよう、下金具を位置させる”旨、記されています。そうすれば、”うっかり、水位がガラス管より下に隠れそうになっても、まだ余裕があり、慌てず給水の措置がとれる”そうです。一般のボイラーにおいては、”水面計は、可視範囲の最下部が安全低水面と同じ高さになるようにとりつける”ようで、”安全低水面とは、ボイラー使用中に維持しなければならない最低の水面”をいいます。OS製ライブスチームは複数の機種があり、ボイラーの大きさは区々ですが、水面計は汎用部品として使われているかと思います。そして、取り付け位置は、”ガラス管の最下部()が、缶水の最低線より下にならないようになされている”のではないかと思います。つまり、下金具(水側)の高さ()を基準にして、水面計を取り付ける位置を決めているのではないかと思われます。

      また、実機においては、上り勾配・下り勾配への対応として、内火室最後部表示板が水面計の脇にあり、水面計と表示板との目盛を照らし合わせて、それ以上の水位を保つようにしているようです。模型・ライブスチームの世界では、それほど神経質にならなくてもよいと思いますが、上り勾配においては水がボイラー後方に寄るので、水面計の水位より、実際はそれより低いこと、逆に下り勾配においては水がボイラー前方に寄るので、水面計の水位より、実際はそれより高いことを理解しておくとよいと思います。


 I : 通風弁(ブロアーバルブ)
      
      通風弁(ブロアーバルブ)です。蒸気はマニホルドから取り()、バルブを開けるとボイラーを通って()、煙室に向かいます。


 J : 給水逆止弁(チェックバルブ)取り付け用
      
      プラグで塞いでいますが、オプションのインジェクターを取り付ける場合、ここに給水逆止弁(チェックバルブ)を取り付けるのだと思われます。


 K : 給水逆止弁(チェックバルブ)
      
      給水逆止弁(チェックバルブ)です。軸動ポンプからの給水は、ここを経てボイラーへ給水されます。


 L : フィードバックバルブ(リターンバルブ・バイパス弁)
      
      フィードバックバルブ)です。リターンバルブとも、バイパス弁とも呼ばれています。バルブを開けると、非公式側サイドタンクの水槽に戻っていきます(↑ ↑ ↑ ↑)。バルブを閉めると、給水逆止弁(チェックバルブ)()を経て、ボイラーへ給水されます。ハンドルの回し加減で、給水量を調整することができます。


 M : 手ブレーキハンドル
       
      手ブレーキハンドルです。ハンドルをグルグル回すと、動輪に制輪子(↑ → →)を押し付けて、ブレーキがかかります。走行していて停車するときに使用するのではなく、留置くときに使用します。特に勾配線路上に留置くときに有効です。

参考文献(敬称略、順不同)
 渡辺 精一.ライブスチーム 模型機関車の設計と製作.株式会社誠文堂新光社,1982.
 コンデックス情報研究所.いちばんわかりやすい! 2級ボイラー技師 合格テキスト.成美堂出版,2021.
 細川 武志.蒸気機関車メカニズム図鑑.株式会社グランプリ出版,1998.

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