ライブスチームの運転


1042. OS製 C21のボイラーの水圧試験 (その1)  (R8.9.26掲載)

 倶楽部のメンバーの方が、5インチゲージ OS製 C21のボイラーの水圧試験をされるということで、お手伝いさせていただきましたので、その模様をレポートします。

 以前、OS法隆寺定例運転会が開催されていたとき、運転会場でこの5インチゲージ OS製 C21のボイラーの水圧試験に立ち会わせていただいたことがあります。運転会場には、テストポンプや高圧ホースとボイラーとを接続するアダプターや安全弁などの口を塞ぐプラグなどがOS製機関車の全機種に対応して用意してあり、訪れたO.S.Live steam club会員の皆さまが、持参した機関車の水圧試験を実施されていました。2024年2月末に廃部となった以降、皆さまはどうされているのでしょうか?。


 水圧試験は、よさみ鉄道倶楽部の定例運転会が開催される、フローラルガーデンよさみで行います。オーナーさまの車からリフトテーブルへ、そして、リフトテーブルから高架線路上に、運搬用フレームごと移動しました。

テストポンプ
使用するテストポンプです。アサダ製TP50Nです。
   A:ハンドル → 上下に動かすと、ポンプが動いて送水します。
   B:ボールバルブ → 配管と水平にするとバルブが開き、垂直にするとバルブが閉まります。画像では、開いた状態です。送水する時はバルブを開き、テスト圧力まで達したら閉めます。
   C:圧力計 → 最大目盛は4.0MPaです。
   D:エアー抜きバルブ → 時計回りに回すとバルブが閉まり、反時計回りに回すとバルブが開きます。配管内とポンプ内の空気を抜くときにバルブを開け、送水して水圧をかけるときは閉めておきます。
   E:タンク → 洗ってから、綺麗な水を入れておきます。
   F:高圧ホース → テストポンプとボイラーとを接続します。先端は、PF1/4雌ネジ(管用ネジ)で、アダプターを介してボイラーと接続します。

 ボイラーの水圧試験の手順は、概ね次の通りかと思います。
  (注)テストポンプはアサダ製TP50Nの使用を前提にしていますが、他のテストポンプでも概ね同様かと思います。
 �@ブローダウンバルブを閉めた後、ボイラーに水を入れて満たす。
  安全弁を取り外すか、あるいは給水口を開けて、その口に漏斗を挿し入れて、水を入れてもいいし、あるいは、電動給水ポンプやハンドポンプなどを使って、水を入れても構いません。なお、水圧試験後、走行する場合は、満水ですので、少し水を抜いてからスチームアップを行います。

 �Aテストポンプの高圧ホースを接続する口以外は、全てプラグ(止栓)で塞ぐ。
  安全弁は取り外して、プラグ(止栓)で塞ぐか、テストポンプの高圧ホースの接続口とします。プラグ(止栓)は、メーカーから購入するか、自作します。今回はOSさまから購入したプラグを使用します。なお、ボイラーの圧力計や水面計などは、そのままとします。

 �B加減弁・通風弁・ドンキーポンプグローブバルブ・インジェクターグローブバルブ・ターボジェネレータグローブバルブなどが、全閉になっていることを確認する。
  ボイラーに付いているバルブ(弁)は、すべて全閉します。

 �Cテストポンプのタンクを洗って、綺麗な水を入れる。
  ボイラーにゴミなど入れたくないので、テストポンプのタンクを洗ってから綺麗な水を入れます。もし、タンクの水面にゴミなどがあったら取り除きます。

 �Dテストポンプの高圧ホースをアダプターを介して、ボイラー側の接続口(安全弁の口など)に繋ぐ。
  アダプターは、メーカーから購入するか、自作します。今回は、OSさまから購入したアダプターを使用します。

 �Eテストポンプのボールバルブを開き、
 �Fテストポンプのエアー抜きバルブを閉じます。
 �Gテストポンプのハンドルを上下させ、送水します。
 �Hテストポンプの圧力計の針が上がりはじめたら、ハンドルを上の位置で止め、
 �Iエアー抜きバルブを開きます。すると、配管内・ポンプ内の空気が抜けます。
 �J空気が完全に抜けない場合は、�F〜�Iを繰り返します。
 �K空気を完全に抜いた後、エアー抜きバルブを閉じて、
 �Lテスト圧力まで、ハンドルを上下させます。なお、このとき、テストポンプの圧力計を見ながら、ゆっくりとハンドルを上下させるのがポイントです。 勢いよくハンドルを上下させると、テスト圧力を超える圧力をかけてしまいますので、注意します。
  テスト圧力は、常用圧力(最高使用圧力)の1.5倍です。例えば、常用圧力が0.5MPaなら、テスト圧力は0.75MPaです。

 �Mテストポンプの圧力計の針がテスト圧力に達したら、ボールバルブを閉じます。
  この時にテストポンプの圧力計と、ボイラーの圧力計との指針の差を確認しておくといいと思います。一般的に、テストポンプの圧力計の方が大きくて正確だと思われます。例えば、ボイラーの圧力計は0.4MPaを指し、テストポンプの圧力計は0.5MPaを指していたら、実際は0.5MPaの可能性が高いと思います。

 �Nテストポンプの圧力計の針が降下しなければ、ボイラーに漏れはありませんので、以上で終了となります。圧力計の針が降下する場合、どこかから漏れていますので、漏れている箇所を突き止めます。そして、必要に応じて修理して、再度試験を行います。
  テストポンプの圧力計の針がテスト圧力から全く降下しない機関車は、少ないです。OS法隆寺定例運転会が開催されていたとき、ボイラーの水圧試験に何度も立ち会わせていただきましたが、全く降下しない機関車は10輌中、1輌ぐらいで(私のOS製 コッペルもOS製 クラウスも降下します)、多くの場合、針の降下速度の違いはありますが、降下します。が、その場合、漏れている箇所を突き止めます。もし、漏れている箇所がボイラー自体の場合は、ボイラーを交換することになります。

  よくある漏れる箇所は、ボイラー自体ではなく、水面計、汽笛弁(ホイッスルバルブ)、通風弁(ブロアーバルブ)です。
  [水面計]
  水面計は、ガラス管と上下のグランドナットの間あたりから漏れます。グランドナットの内側に入っているOリングの劣化が考えられます。グランドナットを少し締めて、再度テストポンプで昇圧してみます。漏れが止まればよいですが、止まらない場合は、無理にグランドナットを締めずに、Oリングを新品と交換します。グランドナットを無理に締めると、ガラス管を割ってしまうかもしれませんので、注意します。Oリングを交換する場合、劣化したOリングがグランドナットから取り出しにくいことがあります。その場合、私は、グランドナットの穴に適当な針金を通して、ペンチで吊り下げて、キッチンのガスコンロで熱しています。Oリングが焼けて取り出しやすくなります。但し、グランドナットはかなり熱くなっていますので、火傷に注意します。また、その際、私は、Oリングだけではなく、ガラス管も同時に交換しています。

  [汽笛弁(ホイッスルバルブ)]
  汽笛弁(ホイッスルバルブ)から漏れているかは、汽笛(ホイッスル)をチェックします。私のOS製 コッペルにおいて、以前、漏れが見つかり、汽笛弁(ホイッスルバルブ)を新品と交換しました。なお、汽笛弁(ホイッスルバルブ)から汽笛(ホイッスル)に向かう配管を切り離すことができるのであれば、切り離して、本当に汽笛弁(ホイッスルバルブ)から漏れているかを確かめると、より良いと思います。

  [通風弁(ブロアーバルブ)]
  通風弁(ブロアーバルブ)から漏れているかは、煙室戸を開いてみます。通風弁(ブロアーバルブ)から漏れていると、ブロアーノズルから水が出てきて、煙室の底に水が垂れ落ちます。私のOS製 コッペルにおいて、漏れが見つかり、昨年、通風弁(ブロアーバルブ)を新品と交換しました。なお、通風弁(ブロアーバルブ)から出ていく配管を切り離すことができるのであれば、切り離して、本当に通風弁(ブロアーバルブ)から漏れているかを確かめると、より良いと思います。

  その他には、給水逆止弁(チェックバルブ)や加減弁があげられます。新品と交換や、増し締めするなどの対処した後、再度試験を行います。漏れている箇所は一箇所とは限りませんので、注意します。最終的には、テストポンプの圧力計の針がテスト圧力から全く降下しなくなるまで試験を行うのが理想です。漏れている弁(バルブ)などを取り外してプラグで塞いで試験を行い、ボイラー自体からの漏れがないことを確認すると、ボイラーの使用可否がはっきりして良いです。倶楽部のメンバーの方は、メーカーから届いた新品のボイラーに付属品を取り付ける前に、すべての口をプラグで塞いで、水圧試験を実施して、確認したそうです。これにより、ボイラー自体からの漏れがないことを確認できます。
  �@ボイラー自体からの漏れがないこと。もし、漏れがあるのであれば、そのボイラーは使用できません。
  �A各付属品を取り付けた状態において、漏れがないこと。もし、漏れがあるのであれば、蒸気を無駄に放出しますので、できるだけ漏れないよう、新品と交換するなどの対処を行います。


 さて、水圧試験の準備を進めます。これら(← ←)は、安全弁です。2つ共、取り外して、一つはプラグで塞ぎ、もう一つはアダプターを介してテストポンプの高圧ホースを接続します。


 レンチを使って、安全弁を取り外しています。モンキーレンチはサイズを調整できますが、六角の角をなめやすいので、 レンチか スパナを私は使っています。なお、銅パッキンが挟んでありますので、取り外すとき、無くさないよう注意します。


取り外した安全弁です。OS製 C21は自由形・フリーモデルのためでしょうか、国鉄機の安全弁とは形状が異なります。


 取り外した安全弁の取付け口(← ←)です。ボイラーに水を入れるため、ここに漏斗を挿し入れようとしたのですが、運搬用フレーム(←)に当たってしまい、入りません。


そこで、運搬用フレームから機関車を出しました。


 
 安全弁の取付け口に漏斗を挿し入れ、ボイラーに水を入れています。ゴミを入れたくないので、漏斗の水面を見ながら入れます。

(その2に続きます)  


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